新型コロナウイルスの影響により2年以上運休していたジェットスター東京(成田)=ケアンズ路線が7月21日(ケアンズ発は20日)に、再開となった。そろそろ海外旅行に行きたい方のために最新情報を紹介したい。

約2年半ぶりにケアンズ直行便運航再開

オーストラリア北東部に位置するケアンズは、熱帯モンスーン気候に属する常夏の都市だ。世界自然遺産「グレートバリアリーフ」の玄関口でもあり、ダイビングなどのネイチャー系アクティビティーも盛んである。

  • 世界自然遺産の「グレートバリアリーフ」

オーストラリアは2020年3月から国境を閉鎖していたが、2021年12月15日から日本からの渡航者受け入れを、2022年2月21日からはすべての国・地域からの受け入れを再開した。

さらに、2022年4月17日以降、ワクチン2回接種済みであれば入国自由で、入国時の抗原検査で陰性なら行動制限もない。

ジェットスターは、オーストラリア・ニュージーランドを拠点とするLCC。オーストラリアを代表する2つの観光都市、ケアンズ、ゴールドコーストと日本を直行便で結ぶ唯一の航空会社で、日本国内やアジア太平洋地域にも就航する。

2年以上運休となっていた日本・オーストラリア線がこのたび再開となり、成田発ケアンズ行き再開第1便は、ほぼ満席だったという。

コロナ禍前を振り返ると、日本からケアンズへの渡航者数は右肩上がりであった。今再び、最重要マーケットの一つである日本への期待が高まる中、ケアンズ観光局とオーストラリアクイーンズランド州政府の共同で報道関係者向け説明会が開催された。

存在感が高まるクイーンズランド州

クイーンズランド州政府駐日事務所代表・安達健(たけし)氏は、次のように説明する。

「日本はクイーンズランド州からの輸出先1位。また、アメリカ、イギリス、ベルギーに次ぐ4位の投資国として日本企業からの投資も活発です。そして2030年ブリスベンオリンピックに向け、東京オリンピックを経験した日本企業とのインフラ開発での連携もありそうです。さらに、エネルギーの分野では再生可能エネルギー、農業分野では野菜や果物などを日本向けに輸出しようという動きもあります」

  • 日本とクイーンズランド州との関わり

観光のみならず、産業でもさらなる連携が見込まれているというわけだ。教育面では、日豪共同でのオンライン教育の取り組みや、留学生の受け入れ再開も進んでいる。日本の学生にとって、オーストラリアクイーンズランド州の留学・進学先としての存在感はさらに増すだろう。

  • クイーンズランド州政府駐日事務所代表 安達健(たけし)氏

グレートバリアリーフと世界最古の熱帯林

ケアンズ空港CEOのRichard Barker氏は、「ケアンズには、グレートバリアリーフ、世界最古の熱帯林と、2つの世界遺産があります。現在、ケアンズには約4,000人の日本人在住者がいて、これからはさらに日本との協力関係を模索していきたい」と語る。

  • ケアンズ空港CEO Richard Barker氏

ケアンズ観光局の坂本サム氏からは、3つの魅力が紹介された。

「まず、東京から約7時間で行ける一番近いオーストラリアであること。次に、時差が1時間ほどのため、年配者や子連れでも負担なく観光できること。最後に、1年中夏を満喫できること」

  • ケアンズ観光局 坂本サム氏

環境保全に配慮した体験やツアーも豊富とのことで、実に楽しそう。

「オーストラリアは日本と季節が逆」というのはありがちな勘違いで、ケアンズは「夏」「超夏」しかないトロピカルな地というのが正解という話もあった。

リーマントラベラーも太鼓判

ケアンズ空港は、55億ドルの投資を受けて国内線ターミナルがアップグレード。世界的に評価の高いケアンズ・コンベンションセンターも、2022年12月を目指し、5,000名収容規模へと拡張中だ。

  • ケアンズ空港がアップグレード

目抜き通りのエスプラネードでは一般車両の通行を禁止し、旅行者に優しい街づくりが進んでいる。ダイニングエリア拡張に伴い、開放的なオープンエアの飲食店が増加。食の内容では健康志向や多様性に配慮し、グルテンフリー、ベジタリアン、ヴィーガンなど、選択肢も増えたという。

最後に、ケアンズ観光大使に就任した東松寛文氏が強力助っ人として登場し、次のように締めくくる。東松氏は、世界70ケ国159都市を旅した「リーマントラベラー」として知られる人物だ。

  • 「リーマントラベラー」として知られる東松寛文氏

「平日はサラリーマンをしながら週末に世界中を旅しており、この7月から海外旅行を再開しました。旅先選びにはポイントが2つあると思っており、1つは不安が少ないこと、もう1つが日本では感じられない非日常を感じることです。ケアンズはまさにこの2つを満たしていると思っています!」