三菱電機は7月20日、「エアコン使用時の"お悩み別"快眠環境づくり」について公開した。

  • 夏の就寝時、寝室のエアコンはどのように利用していますか

同社では6月、東京・大阪在住の30歳~59歳の男女600名を対象に、夏の就寝時、寝室のエアコンはどのように利用しているか尋ねたアンケートを実施。その結果、48.7%が「タイマーを設定して使っている」、42.0%が「エアコンを一晩中つけている」と回答した。夏、エアコンを使用するにあたり、電気代の値上がりが気になるか尋ねると、93.7%が「気になる」と回答している。

  • 夏、エアコンを使用するにあたり、電気代の値上がりが気になりますか

夏の就寝時、エアコンをつけている人に悩みを尋ねたところ、最も多い回答は「電気代が気になる」(60.5%)で、2位は「子どもに とって適切な温度かどうかわからない」(52.2%)、3位は「パートナーと体感温度が違い、暑い/寒い」(45.6%)、4位は「就寝時、エアコンをつけていると寒い」(30.7%)だった。

  • 夏の就寝時のエアコンの悩み

睡眠環境プランナーの三橋美穂さんによると、良い眠りの条件は"室温が一定である"ことと、"室温を28℃以下に保つ"ことであるという。睡眠中に室温が上昇すると、熟睡に必要な深部体温の低下が妨げられ、睡眠の質が低下してしまう。さらに室温が28℃を超えると夜間熱中症のリスクが高まることから、寝苦しい夜は「設定温度を28℃以下でエアコンを一晩中つける」ことをすすめている。

エアコン使用時の悩みである「電気代」だが、三橋さんとともに「一晩中つけっぱなしの場合」と「入り切りを繰り返した場合」の積算消費電力量の比較実験を行った。同じ設定温度だと「入り切りを繰り返した場合」のほうが積算消費電力量は若干低くなるが、切った後に1.5℃~2.5℃の室温上昇があったという。「エアコンの設定温度に合わせた寝具、パジャマで寝ている方が多いため、睡眠中に室温が上昇することにより目が覚め、睡眠の質が低下する可能性があります」(三橋さん)

  • 「入り切り」と「つけっぱなし」の室温の変化

三橋さんがすすめる就寝時のエアコンの設定温度は26~27℃だが、電気代が気になる場合、設定温度を28℃にしてエアコンを一晩中つけ、通気性が高い敷きパッドを活用するとよいという。エアコンと寝具を併用して活用することで、エアコンのみを使用する場合よりも電気代を抑えることができる。

「背中がマットレスに密着していると、暑くて目が覚めてしまうため、横向きで寝るのも背中の蒸れを防ぐのでおすすめ。抱き枕を使うと体の圧力が分散されるので、横向きで長時間眠ることができます」と、三橋さんはアドバイスしている。

エアコン使用時の悩みの2位は「子どもにとって適切な温度かどうかわからない」だったが、三橋さんによると、子どもは体温が高いので、大人が快適だと感じる温度より少し下げてあげるのがよいという(目安としては1~2℃下げる)。

さらに、「夜の室内照明を、暖色系で照度を落とし、睡眠中の豆電球(常夜灯)は切る」「午後の遅い時間帯に寝ると、夜なかなか眠くならないので、 15時以降の昼寝はしない」ことも、子どもの快眠のために有効とのこと。

  • 子どもに合わせて、温度設定は1~2℃下げる

エアコン使用時の悩み3位は、「パートナーと体感温度が違い、暑い/寒い」であったが、三橋さんは、「暑がりさんに設定温度を合わせ、寒がりさんが寝具やパジャマで調整するのが良い」とアドバイスしている。例えば、パートナーよりも寒がりの場合は「パジャマを長袖・長ズボンにする」「掛け寝具を厚手にして、保温性を高くする」、パートナーよりも暑がりの場合は「冷感寝具を使用」「エアコンの風向を自分の方に向け、微風を当てる」といった方法があるという。

  • 「パートナーと体感温度が違い、暑い/寒い」場合の対処法

エアコン使用時の悩み4位「就寝時、エアコンをつけていると寒い」に対しては、「就寝1時間前に、冷房で部屋を冷やしておいて、就寝時は、ねむり運転を設定」が有効とのこと。睡眠中に寒いと感じる場合は、体温が高い寝始めは室温を低くし、入眠後に室温が高くなるようにする「ねむり運転(温度26~28℃)」に設定すると、冷えすぎる心配が少なくなる。

そのほか、高齢者の就寝時の熱中症についても三橋さんはアドバイス。高齢者は感覚の低下により、室温が高くなっていても気づかず過ごしてしまう場合があるという。枕元に温湿度計を設置して、室温28℃以下、湿度40%~60%をキープするように心がけるとよいという。28℃以下で寒く感じる場合は、長袖・長ズボンのパジャマを着用することをすすめている。

  • 高齢者がいる場合、枕元に温湿度計を設置して温度と湿度を意識する