日産自動車の「エクストレイル」といえば初代から赤がイメージカラーで、7月25日に発売となる新型のラインアップに赤が入っているのも当然といえるのだが、この色、日本市場では初採用となる「カーディナルレッド」なのだという。同じ赤でも先代と少し変えた理由とは?
好みに合わせて選べる色のラインアップ
日産は7月20日に新型エクストレイルを発表。横浜にある同社のグローバル本社ギャラリーには、最も目立つところに2台のエクストレイルが展示された。1台は上品で高級感のある新色「シェルブロンド」と「スーパーブラック」の2トーン、もう1台はエクストレイルによく似合う赤だ。ただ、この赤がこれまでとは少し違った雰囲気に見える。
新型エクストレイルが身にまとう赤は、「深紅のバラからインスピレーションを受けた」という日本市場では初採用の新色「カーディナルレッド」だ。ちょっと検索してみると、海外ではピックアップトラック「フロンティア」でもこの色が選べるらしい。
これまでの赤とカーディナルレッドはどう違うのか。日産 グローバルデザイン本部のイ・ミョンウンさんに聞いてみると、「これまでの赤はもう少し鮮やかで、こちらはより深みがあります。明度と彩度は先代の赤に比べるとおとなしくなりましたが、深みは増しています。新型エクストレイルの『タフギアでありながら上質』というキャラクターをアピールするため、高級な赤にアップグレードしました」とのことだ。
「これまでの赤」は「ガーネットレッド」という色で、現在はコンパクトカー「ノート オーラ」などで選べる。こちらは発色がよく、小型車によく似合う色だという。
ちなみに、エクストレイルのボディカラーではオレンジ色も印象的だったので聞いてみると、こちらも新型と先代では色が違うという。具体的には、新型エクストレイルは「セレナ」などでも選べる「サンライズオレンジ」で、同じSUVでも「キックス」に設定のある「プレミアムホライズンオレンジ」とは異なる色だ。赤もオレンジも、上質感重視で深みのある色を選んでいるらしい。
SUVらしいタフネスをボディカラーに求めるなら「ステルスグレー」にも注目してほしいとイさん。「アリア」や「オーラ」でも選べる色だが、もともとは新型エクストレイルをターゲットに開発した新色だそう。このクルマのユーザーを想定しながら作ったというソリッドライクなグレーは、さすがにしっくりきている。
他社のSUVにはカーキやベージュといったアースカラーの設定があるが、エクストレイルにはそれらしきボディカラーがない。この点についてもイさんに聞いてみると、「ライフサイクルの中ではご提案できるかも」とのこと。そのうち、カーキに塗られた特別仕様のエクストレイルが登場する可能性もありそうだ。