俳優の上川隆也が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『遺留捜査』第7シーズン(毎週木曜20:00~)が、きょう14日にスタートする。放送に先立ち、上川がレスキュー訓練にチャレンジする様子が公開された。

  • 『遺留捜査』より上川隆也=テレビ朝日提供

上川演じるマイペースで空気を読まない刑事・糸村聡が、遺留品から事件を解決していく同作。第7シーズンでは、シリーズの“集大成”に挑む。第1話で糸村たちが追うのは、豪雨の夜に防災ベンチャー企業の社長が殺害された事件。糸村は被害者が携帯していた古びたレスキューホイッスルが気になり、手がかりを求めて同じホイッスルを使っていた消防局へ。そこでレスキュー隊員たちのハードなトレーニングを目の当たりにした糸村は、なぜかスーツ姿のまま訓練に参加することに。

上川が体験したのは、“ロープブリッジ救出”とよばれる訓練のひとつ。取り残された要救助者のもとにとなりの建物などからロープを使って進入、救出することを想定した訓練だ。空中に張られたロープにぶら下がったまま、棟から棟へ長さ20メートルほどの距離を素早く滑走する。ロープの高さは地上約7メートル、ビルの2階~3階に相当するが、2014年のスペシャルドラマ『ORANGE~1.17 命懸けで闘った消防士の魂の物語~』(TBS)で消防士役を経験し、『遺留捜査』第5シーズンではロッククライミングに挑んだこともある上川は躊躇なくやってのけ、レスキュー隊メンバーから驚きと称賛の声が上がった。

この撮影が行われたのは3月11日。2011年、“被害者の最期の声を伝える”というコンセプトで東日本大震災後にスタートした『遺留捜査』について、上川はかねてから「大震災の直後、役者として何ができるのかを見出しかねていた僕に、届けられる何かがあることを示してくれた作品」と特別な思いを抱いており、現場では上川の申し出によって1分間の黙とうも行われた。

上川は「この日、人命を救う任務に当たっておられる消防局の訓練所で撮影をさせていただいたことにはとても不思議なご縁を感じました」と感慨深い面持ちで撮影を振り返り、「決して震災を忘れることはありませんが、ひときわ当時のことを思い返す一日となりました」と、11年の月日に思いを馳せた。

第1話では、佐津川愛美が被害者のビジネスパートナー、押田岳が現場に居合わせた謎の青年を演じる。2人はどう事件に関わっているのか。糸村は古びたホイッスルからどんな真相を導き出すのか。

■上川隆也(糸村聡 役)コメント

高いところはむしろ好きなほうなので、今回のレスキュー訓練の撮影にはワクワクしながら臨ませていただきました。実は過去に一度、消防士役をやらせていただいたことがあり、懐かしさを覚える体験でもありましたが、改めてレスキュー隊の訓練の過酷さの一端を味わうことができ、とても貴重な時間となりました。

撮影当日(3月11日)はみなさんにお願いして、1分間だけですが、黙とうを捧げさせていただきました。この日、人命を救う任務に当たっておられる消防局の訓練所で撮影をさせていただいたことにはとても不思議なご縁を感じました。決して11年前の震災を忘れることはありませんが、ひときわ当時のことを思い返す一日となりました。