『街の上で』(21)、『あの頃。』(21)、『うみべの女の子』(21)など注目作への出演が続き、「第43回ヨコハマ映画祭」では最優秀新人賞を受賞した中田青渚が、7月8日スタートのBS時代劇『善人長屋』(全8話、毎週金曜20:00〜、NHK BSプレミアム/BS4K)で連続ドラマ初主演を飾る。

中学生の頃に“3万円分の図書カード”がきっかけで役者デビューを果たし、その道で着実にキャリアを積み重ねる中田。そんな彼女が高校、大学へと進学し、進路を考えるなかで大切にしていたのはどんなことだったのか。「本当にやりたいこと」を見つけるためのヒントを探った。

  • 中田青渚 撮影:島本絵梨佳

■連ドラ初主演「えっ、私が!?」

――連続ドラマ初主演おめでとうございます! 最初に主演決定のお知らせを聞いたときのお気持ちは?

嬉しかったのと同時に、驚きの気持ちが一番大きかったです。「えっ、私が!? 本当に!?」みたいな(笑)。でも、本読みやリハーサル、所作稽古をしているときには「頑張らないと!」という気持ちのほうが大きくなっていました。

――時代劇は覚えることも多いので大変ですよね。座長という立場ですが、そこは意識されましたか?

今回は先輩方に囲まれているので、自分が一番頑張らなきゃいけないのはお芝居のほうだと思っていました。キャリアも一番下なので、引っ張っていくというより、明るく元気に現場にいたいなっていう風に。スタッフ・キャストの皆さんに頼らせていただいていました。

――これまではどちらかというと、同年代の方々との共演が多かったですもんね。

そうですね。今回の現場では、先輩方みなさん、とても優しく接してくださいました。お菓子をたくさん頂いたり、入浴剤を頂いたり(笑)。

――もらっているものもかわいいです。

朝から晩まで撮影が続いて眠くなりそうなときは、栄養ドリンクを頂いたり(笑)。

――そこは大人なものを(笑)。中田さんが演じるお縫は江戸っ子で、“チャキチャキした人”という印象を受けました。役作りはどのように?

リハーサルで監督と一緒にすり合わせたり、意見を頂いたりして、作り上げていきました。長屋のみんなが「お縫ちゃんを助けたい」と思うような、引っ張っていく行動力といいますか、“チャキチャキ”、“元気に”という点は意識しました。

――お縫は幼い頃から勘が鋭く、出会った相手が善人か悪人かを一目で見分ける能力を持っています。中田さんの人を見る目はいかがですか?

周りの人の変化にもあまり気がつけなくて……。最近大学のときの友達と久しぶりに会ったんですけど、髪が黒色から茶色になってることにも気づけなくて、私、男の子だったら絶対にモテないだろうなって(笑)。

――確かに気づいてほしいポイントではあるかもしれないです(笑)。

さすがにロングからボブになったら気づくと思うんですけど……

――髪色がちょっと変わったくらいではなかなか難しい?

リップの色とかも気づけないですし、色の変化は難しいです! なので、お縫ちゃんのあの能力が私も欲しいくらい(笑)。

■関西弁の強弱も芝居で活用

――あはは(笑)。『善人長屋』は、吉田鋼太郎さん、高島礼子さん、溝端淳平さんをはじめキャストの皆さんがとても明るいイメージです。なかでも溝端さんは中田さんと同じく関西出身で、バリバリ関西弁ですよね?

バリバリでした(笑)。溝端さんが普段からあんなに関西弁だと存じ上げなかったので、衝撃でした。

――中田さんも関西弁が出てしまったのでは?

今回はもう止まらなかったです。しかも、吉田鋼太郎さんもとてもキレイな関西弁で喋られるんです! 「ここ関西かな?」と思うくらい関西弁が飛び交っていました(笑)。関西出身のお二人以外も、柳沢(慎吾)さんはじめ、陽気な方といいますか明るい方ばかりなので、撮影の合間も本番ギリギリまで盛り上がってます。