民間企業にお勤めの方にとって、今の関心事はおそらくボーナスではないでしょうか。

国内のみならず世界的にもコロナ禍からの経済再開の動きのある中、2022年夏のボーナス支給状況は昨年とどう変わるかについて書いてみます。

  • 2022年夏民間企業ボーナス支給額、平均はいくら?

2022年夏民間企業ボーナス支給額予想

2022年夏の民間企業のボーナスは、概ね増加しています。大手企業、東証プライム上場企業、事業所規模5人以上の民間企業で、以下それぞれの調査結果をまとめます。

大手企業のボーナス予想金額

経団連が発表した「2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」によると、2021年は減少だったものの2022年は増加しています。

平均支給額は929,259円で昨年から13.81%伸びており、製造業平均では93万475円で15.11%の伸び、非製造業平均では92万2,512円で6.99%の伸びとなっています。

上昇幅が大きい業種のトップ3は、第1位が鉄鋼で88.13%、第2位が自動車で17.23%、第3位が非鉄 ・金属で17.11%となっています。

金額が大きい業種トップ3は、第1位が鉄鋼の1,01万9,071円、第2位が電機の96万6,053円、第3位が化学の94万9,980円です。

  • 出典:経団連ホームページ 2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)

東証プライム上場企業のボーナス予想金額

労務行政研究所が発表した「東証プライム上場企業の2022年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、2021年は減少だったものの2022年は概ね増加しています。

平均支給額は76万5,888円で昨年から6.5%の伸び、製造業平均は79万0,878円で昨年から8.6%の伸び、非製造業平均は68万8,500円で昨年から0.1%の減少となっています。

上昇幅が大きい業種のトップ3は、第1位が鉄鋼の20.2%、第2位が機械の16.5%、第3位が非鉄・金属の13.2%となっています。

金額が大きい業種トップ3は、第1位がガラス・土石の100万8,237円、第2位が自動車の93万3,142円、第3位が自動車を含む輸送用機器の879,513円です。

  • 出典:労務行政研究所ホームページ 東証プライム上場企業の 2022 年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査

事業所規模5人以上の民間企業のボーナス予想金額

三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社が発表した「2022 年夏のボーナス見通し 」によると、2022 年夏の民間企業 (調査産業計 ・事業所規模5人以上)のボーナスは、 2021年は減少だったものの2022年は増加しています。

平均支給額は38万3,949円で昨年から1.0%の伸び、製造業平均は50万1,356円で昨年から1.8%の伸び、非製造業平均36万910円で昨年から0.9%の伸びとなっています。

  • 出典:三菱 UFJ リサーチ&コンサルティングホームページ 2022 年夏のボーナス見通し

各調査結果のまとめ

以上の3社の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 3社の調査結果をまとめ

2022年のボーナス金額増加の要因

このように、いずれの調査からも昨年と比べて2022年夏のボーナスは概ね増額となっていることがわかります。

その要因は、コロナ禍の影響が一巡したこと、業績悪化で支給を取りやめていた事業所での支給再開が見込めることの2点が挙げられます。

一方で増加幅は限定的であるところも今夏の特徴です。その要因として、新型コロナ感染症の断続的な感染拡大、ウクライナ危機前から続く資源価格高による企業の負担コスト増が挙げられます。

コロナ禍の影響が一巡し企業業績がよくなったとはいえ、経済環境そのものが好転したとはいえない点も特徴の1つです。

2022年夏のボーナスの使い方のポイント

このように、ボーナス金額は増加しても今後の経済情勢の先行きは不透明です。ボーナスが増えたからといっていきなりお金を使うのではなく、計画的に使うことが大事です。

今後のマネープランとしては、ボーナス金額に依存しないプランを立てるとよいでしょう。また、様々な物価が上昇しており、今後の日々の生活費は増加することを見込んでおいた方が無難です。

短期的には、節約、長期的には、キャリアプランの見直しや資産運用を検討するなどして、収入と支出のバランスに気をつけながら、日々のお金の管理をしていってください。