あー、暑い。6月でこれはキツイ。最近では暑さに耐えかねて目覚める朝も増えた。これから1日が始まるというのに、こんな起き方ではギアを入れるのも一苦労である。

しかし、そんなやる気の出ない日でも人間は腹が減るようにできていて、「ああ〜、とりあえず何か食べなきゃ」と思いつつも、結局は「ご飯を用意するのも面倒だなぁ」とダラダラ……

今回は、そんな日やる気の出ない状態、すなわち“虚無”の状態でも簡単に、短時間で、しかも超割安で作ることができ、そのうえ美味くて食欲も進みまくる魔法のレシピを紹介したい。その名も「虚無ペペロンチーノ」。発案者はあの日本トップの料理研究家・リュウジさんである。

1皿48円で出来る最強のズボラ飯「虚無ペペロンチーノ」とは

とある蒸し暑い雨の日、「何もやる気は出ないけど何か食べたい」と考えていた矢先、リュウジさんのYouTubeでやけに気になるレシピを発見した。それが「1皿48円で出来るガチでウマい最強のズボラ飯【虚無ペペロンチーノ】」と題した動画で紹介されていた「虚無ペペロンチーノ」である。

えっ、1皿48円?マジで?そんな破格の安価で“ガチでウマい最強のズボラ飯”が作れるの?リュウジさんのレシピなので、まったく疑いの余地はない。気になるのは、どれだけ美味いのかという点である。

まったくやる気の出ない日ではあったが、さすがにこれは惹かれるでしょ。ということで、さっそく材料を準備しよう。

【材料】
1.4mmのパスタ…1人前100g
にんにく…2片
水…270cc
コンソメ…小さじ1

オリーブオイル
輪切り唐辛子

以上。ほとんどがどの家庭にも常備されていてもおかしくない材料である。確かに、これ原価は相当安いな……。パスタ(マ・マー)も130円程度だったはず。虚無ペペロンチーノは1人前で使うパスタの量が100gなので、この一袋で3人分は作れる。そう考えると、本当に1皿48円くらいで作れる計算になる。これ、めちゃくちゃお得だぞ……。でも、こんなにシンプルな材料で本当に美味しいパスタが作れるのかな?

何はともあれ、順を追って作っていこう。

まずは100gのパスタを手で半分にへし折って、耐熱容器に入れる。動画内でリュウジさんが使っていたのが、マ・マーの1.4mm。加熱時間の都合上、この太さであることはマストだと思われるので、ちゃんと1.4mmのパスタを、そしてできればマ・マーを用意したほうがいいだろう。

そして、容器に270ccの水を注ぐ。

続いて、すり下ろしたにんにく2片分を容器の中に投入。なければチューブにんにくでもいいそうだが、やはり生にんにくのほうが美味しいらしい。ただ、本当に虚無状態の人は、無理せずチューブにんにくを使うとよさそうだ。

また、ペペロンチーノのにんにくはみじん切りのイメージがあるが、すり下ろすことでパスタの麺とにんにくがよく絡み、とても美味しくなるらしい。

さらに、輪切り唐辛子をパラパラと入れる。これは好みに応じて適量でいいだろう。

そしてここで、コンソメを小さじ1を加える。コンソメを入れることで、パスタに味わいがつくらしい。ペペロンチーノにコンソメか。どんな仕上がりになるのか、ちょっとこの時点では想像がつかない。

今度は塩をひとつまみ。目安としては1g程度とのことだが、もし塩味が薄くても後で調整できるそうなので、ここではさらりとでいいのだろう。

最後にオリーブオイルを大さじ1加える。実は、オリーブオイルを最後に入れるのも大事なポイント。というのも、オリーブオイルがパスタに絡んでしまうと、麺同士がくっつきやすくなってしまうらしいのだ。

これで下ごしらえはおしまい。めちゃくちゃ簡単!耐熱容器に蓋はせず、このまま電子レンジ(600w)で9分間加熱する。

そして9分後、レンジから容器を取り出してみると……こんな感じ!

まず、にんにくの香りがめちゃくちゃいい!! 綺麗に水もなくなっている。すっげぇ。

ここに仕上げとしてオリーブオイルを小さじ1杯垂らして……

お好みに合わせて、追加で塩を加えるといいようだ。ちょっと塩味がどんな感じなのか、一本味見してみよう……

んっ!ちょうどいいぞ。塩は追加しなくてもよさそうだ。ということで、まぜまぜして完成!!

っていうか、ペペロンチーノってこんな感じで作れたんだ……。フライパンもまな板もいらないじゃん。どんだけお手軽なんだよ……。

では、さっそく一口いただきましょう。いただきます。

うまっっっっっっ!!!!!!! えっ、なんで?なんでこんなに美味しいの!?

味付けらしい味付けといえばにんにくとコンソメくらいで、特に肉も野菜も入っていない。それでなぜ、ここまで美味しくなるのだろう。特ににんにくはよく効いていて香り高い。すり下ろしたことで、パスタ全体にしっかりとにんにくの味が吸着したイメージである。旨みもすごい。コンソメ由来の旨みなのだろうけど、実際に食べるとコンソメ感はなく、ただ「本格的なペペロンチーノの味わい」としか言いようがない。

パスタは見事なまでにアルデンテ。驚くことに、ちゃんと乳化までしている。水分量や加熱時間、パスタの太さなど、何度も何度も研究を重ねて辿り着いた作り方なのだろう。こうして作るのはすごく簡単だけど、このレシピを編み出すのは本当に大変だったはずだ。 あまりにシンプルなので、もしかしたらピンとこないかもしれないが、これは騙されたと思って一度試してみてほしい。もちろん、虚無状態じゃなくてもいい。いつ食べても確実に美味しく感じるはずだ。

ちなみに、ベーコンや野菜、シーフードミックスを入れてレンチンしてもいいようなので、好きな方法で食べてみるといいだろう。これで48円って……革命やで。