広島電鉄は、被爆70年プロジェクトの一環で2015年にスタートし、今年で8年目を迎える「被爆電車特別運行プロジェクト」に関して、感染防止対策を講じた上で、3年ぶりに一般参加による乗車体験を再開すると発表した。8月6~9日の4日間で7便を運行する。

  • 「被爆電車特別運行プロジェクト 2022」

2020~2021年はコロナ禍による感染拡大防止のため、一般を対象とした乗車体験を見送ったが、被爆電車653号が広島市内を走行する様子や、車窓から広がる現在の広島の平和な光景をライブ配信するという新たな取組みを実施した。

今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止にかかるさまざまな制限が緩和され、感染防止対策と両立した社会経済活動も通常に戻りつつある状況を鑑み、感染防止対策を講じた上で、3年ぶりに一般参加による乗車体験を再開する。インターネットによるライブ配信は継続し、復興のシンボルである被爆電車が被爆地・広島を走行する様子を国内外に届けることで、「平和の尊さ」を発信するとしている。

運行する被爆電車650形653号は、1942(昭和17)年に製造された広電生え抜き車両。1945年8月6日に江波付近で被爆し、大破したものの、4カ月後に復旧して以来、広島の街を長きにわたり走り続け、2006(平成18)年に一度引退した。2015年から始まった「被爆電車特別運行プロジェクト」で、被爆当時の塗装に復刻して復帰。特別運行を行っている。

今年の運行日は8月6~9日の4日間。広島駅電停から比治山下・皆実町六丁目・広電本社前経由で原爆ドーム前電停を通り、広電西広島駅で折り返して原爆ドーム前電停へ戻るルートで運行される。午前の部は広島駅10時30分発・原爆ドーム前11時55分頃着、午後の部は広島駅14時0分発・原爆ドーム前15時26分頃着(8月6日は午後の部のみ)となる。乗車体験の応募期間は6月20日から7月15日まで。「被爆電車特別運行プロジェクト」公式サイトにて、ハガキまたは応募フォームによる申込み方法が案内される。