累計1000 万本の出荷本数を記録した「豆腐バー」で知られる株式会社アサヒコの事業戦略発表会を開催。

6月発売の新作「豆腐バー」と9月発売予定の新商品を公開。6月14日から「やよい軒」で提供が開始されているアサヒコの大豆ミートを使用した新メニューについて紹介された。

豆腐バーから新たな味わいが登場

1972年に埼玉県行田市で創業した豆腐メーカー「アサヒコ」。豆腐業界でパイオニア企業として、最近では進化系豆腐として話題になっている豆腐バーや、大豆のお肉・豆腐のお肉などさまざまな商品を開発・販売している。

「日本の豆腐市場は毎年縮小している一方で、たんぱく質の市場はこの10年で3倍に伸長しています」とは、同社プラントフォワード事業部部長の池田未央氏。

2050年には地球人口が100億人を超え、新興国の肉食化が進むことで食肉の供給が不足するといった将来予想も踏まえ、同社はプラントフォワード事業部を設立。豆腐や大豆の加工技術を活かし、安心して美味しく食べられる大豆たんぱく質を手頃な価格で供給するための商品開発を進めている。

「豆腐バーはコンビニのサラダチキンの隣に置くことで、植物性のたんぱく源という選択肢を提案し、大ヒットしました。通常の絹ごし豆腐に比べて約2.7倍のたんぱく質を含み、スティック形状なので食べるシーンも選ばないことも人気の要因となっています。 新たな設備投資を行い、今年1月から当社のメインの工場である行田工場で、豆腐バーの製造ラインを導入しました。今回こちらの生産ラインでの生産がある程度安定してきたことで、6月1日より新しい豆腐バー『旨み昆布』『バジルソルト風味』の発売に至りました」

「旨み昆布」は豆腐によく合う昆布の出汁で味付け。「バジルソルト風味」は野菜のエキスで味付けした後、バジルで風味付けをしたという。

「どちらも味付けに動物性原料を一切使わないビーガンの仕様で、すでに全国のスーパーマーケットなどで採用が決まっています。モチモチした食感の豆腐バーは、お料理に利用する時も水抜き不要で、そのまま使えるといった調理適正もあり、レンジレシピも多く準備しています」

コレステロールや糖質をオフしつつ、植物性たんぱく質を摂ることができる自社ブランド「TOFFU PROTEIN」(トーフプロテイン)シリーズからは、今年9月発売予定の新商品「豆腐のお肉 餃子」「豆腐のお肉 焼売」も紹介された。

「アサヒコでは豆腐ミートと大豆ミートという2つの植物性ミートを使い分け、それぞれ特徴の違いを生かした商品を開発しています。豆腐ミートは食感が非常に柔らかく、大豆の中に含まれている不飽和脂肪酸という体に良い脂を豆腐から取り込めて、とてもジューシーなことが特徴です。一方、脂がなくてカロリーも低い大豆ミートは、お肉の噛み応えを出すのに向いています。今回の餃子と焼売では柔らかくジューシーな特徴を持つ豆腐ミートを使用しました」

やよい軒初の大豆ミートシリーズを展開

また、全国の「やよい軒」ではアサヒコの大豆ミートを使用した定食メニューシリーズを6月14日より提供開始している。

「やよい軒」初となる大豆ミートを使用した定食のラインナップは「大豆ミート しょうが焼定食」「大豆ミート 野菜炒め定食」「大豆ミート なす味噌と焼き魚の定食」の3種類。豚肉などを使用する人気のレギュラー商品で大豆ミートを使い、価格は通常メニューと同価格に設定した。

日本で購入できる他社の大豆ミートと比較すると、アサヒコの大豆ミートは厚みがあり、噛み心地も実際のお肉に近いといった特徴を持つという。

「アサヒコはグローバル企業『プルムウォン』のグループ会社で、日本以外に韓国・アメリカ・中国にも法人があります。植物性ミートの商品開発が先行していたのがアメリカで、アメリカチームが開発した大豆ミートは赤身の塊肉を好むアメリカ人の食ニーズを満たすため、非常に厚みがあって噛み応えがあります。しかし、日本人には少し固くパサパサした印象を受けやすいので、私たちはアメリカチームの大豆ミートの厚みを残しつつ、ジューシーで食感も柔らかな大豆ミートの開発を進めてきました」

大豆ミートの市場にはひき肉タイプの商品が多いなか、同社の大豆ミートは一枚肉で再現しており、今回の「やよい軒」でのメニュー化にあたっては、アサヒコ初の業務用大豆ミートとしてさらなる改良を加えた。

「全国300店以上の『やよい軒』で実際に調理され、お店で食べるときに一番いい状態に仕上がるよう、事前の下処理などの調整を繰り返してきました。また、すでにある人気メニューを大豆ミートに置き換えたメニューとのことで、お肉の食べ応えを大事にしています」

「やよい軒」で実施したテストマーケティングの反応も上々のようで、特に50〜60代の女性を中心に大豆ミートを使った商品について高い評価が確認できたという。

「やよい軒」商品開発担当者の大谷信晃氏は、「納得できる3商品が完成しました。自信を持ってご提供させていただきますので、ぜひ多くのお客様に、お店でお召し上がりいただければと考えております」と、メッセージを送っていた。