ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンデッカー』(7月9日放送開始)のオンライン発表会が16日に行われ、主人公アスミ カナタを演じる松本大輝ほかメインキャストと第1~3話を手がけた武居正能監督が登場し、本作にかける意気込みを語った。
『ウルトラマンデッカー』は、2021年に放送された『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』の数年後、人類の未知なる世界への探求心「ネオフロンティアスピリッツ」が宇宙へと拡大した世界が舞台となるシリーズである。平成ウルトラマンシリーズの人気作『ウルトラマンティガ』(1996年)の系譜を受け継いだ『ウルトラマントリガー』と同じく、本作では『ウルトラマンダイナ』(1997年)のエッセンスを盛り込みつつ、新時代のウルトラマンシリーズにふさわしいさまざまな新機軸が打ち出されているという。
オンライン製作発表会は、劇中で用いられる「ナースデッセイ号」コクピットで行われ、怪獣と戦うエキスパートチーム「GUTS-SELECT」メンバーによる自身のキャラクター紹介と、役にかける思いが語られた。
本作の主人公で、ウルトラマンデッカーに変身するアスミ カナタ隊員を演じる松本大輝は「カナタは、目の前で困っている人に手を差し伸べずにはいられない、まっすぐな性格です」と自身の役柄を説明。そして「僕が子どものころヒーローに憧れたように、こんどは僕の演じるカナタが子どもたちにカッコいいと思ってもらえるように活躍をしたい」と、ヒーローになった自身の喜びを示しつつ、次世代の子どもたちに「夢」を受け継いでもらいたいと語って目を輝かせた。
本作のヒロイン・機敏で小回りのきくスポーツウーマンのキリノ イチカを演じる村山優香は「イチカは明るくて優しくて、どんな困難にも立ち向かう熱い女の子。ずっと特撮作品でヒロインを演じるのが夢でしたから、やっとスタートラインに立てたという思いがあります。ウルトラマンには昔からのファンの方たちがたくさんいるので、みなさんの期待に応えられるよう頑張りたいです」と、常に明るく元気で魅力的なイチカを演じる意欲をのぞかせた。
カナタ、イチカと共に入隊した若手トリオのひとりで、クールキャラのリュウモン ソウマを演じる大地伸永は「リュウモンは何事にもひとりで解決しようとする完璧主義者。特撮作品への参加は初めてで、夢が叶った思いです。怪獣との戦いを想像すると怖い気持ちになりますが、GUTS-SELECTのみんなといっしょに戦っていると、人々を守るため怪獣に立ち向かうぞという勇気がわいてきます」と、よき仲間とのチームワークがあってこそ怪獣と戦う役柄をこなせると胸を張った。
TPU所属の科学者・アサカゲ ユウイチロウ博士を演じる小柳友は「時に厳しく、時に優しく、若い隊員たちに接している人物。ひとつ筋の通った役です」と自身の役柄を説明。そして「僕は12年前、映画『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)にラン役で出演しました。今回の撮影で当時のスタッフさんにお会いしましたが、まるで僕が帰ってくる場所をずっと守り続けてくれていたような思いになりました。これは絶対、芝居でお返しするしかないと、心を込めて役を演じています。ふだんがあまりちゃんとしていないので、科学者役は難しいのですが(笑)、すばらしい役をいただきましたし、GUTS-SELECTのみんなと接していると楽しいです」と、かつてウルトラマンゼロと一体化した主人公ランを演じた映画作品に出演したときの思いを忘れず、久々に「ウルトラマンの世界」に入ることができた喜びをかみしめるコメントを残した。
しっかり者の副隊長カイザキ サワを演じる宮澤佐江は「前にいる3人の“お姉さん”的存在です。ナースデッセイ号のオペレーター兼操舵士も務めています。私はAKB48時代『ウルトラマンサーガ』(2011年)に怪獣と戦う役で出演していたのですが、10年後には副隊長か……と感慨深い気持ちがあります。これまで後輩(アイドル)たちをたくさん見てきましたから、お姉さんポジションもしっくり来ています。いつもはヘラヘラしているので、役に入るまで時間はかかりますが(笑)、わきあいあいと楽しく撮影をしています」と、人気アイドルグループAKB48での活動や『ウルトラマンサーガ』で活躍した思い出をふりかえりつつ、新たなキャラクターに強い意欲を見せた。
新生GUTS-SELECTの隊長ムラホシ タイジを演じる黄川田雅哉は「いつもにこやか、隊員たちにも敬語を使うような隊長で、僕自身こんな上司がいてほしいと思うくらい良い人」と、温和なムラホシのキャラクターを説明したのち「世界に誇れるウルトラマンシリーズの住人になれたのは嬉しい。隊長ということでプレッシャーはあるが、シナリオに書かれている言葉のひとつひとつが自分自身に響いて、とても勉強になります」と、本作の丁寧なストーリー作りに感銘を受けたことを明かした。
『ウルトラマンR/B』(2018年)に続く二度目の「メイン監督」作品として、本作の方向性を定める第1話をはじめ、重要エピソードを手がける武居監督は「今回で初めて『防衛チーム』を中心にしたお話を作ることができると、張り切りました。地球を襲う脅威と戦うエキスパート集団のカッコよさを、みんなに観てもらいたいと力を入れています」と、GUTS-SELECTのメンバーをいかに魅力的に描くかに注力していることを明かし、その出来栄えに自信をうかがわせた。
本作のオープニング主題歌「Wake up Decker!」は、2人組音楽ユニット「SCREEN mode (勇-YOU-/雅友)」が担当した。武居監督は主題歌製作にあたり「ウルトラマンデッカーのモチーフである『宇宙』および『flash』を大事にして、疾走感のある元気で華やかな曲を作ってほしい」と依頼したそうだ。またエンディングテーマ「カナタトオク」はかつて25年前に『ウルトラマンダイナ』のエンディング「ULTRA HIGH」を手がけた影山ヒロノブが担当。こちらについての武居監督のリクエストは「カナタたちが失敗から立ち直ったり、いろいろな経験を経て成長していく様子を応援する曲に」というもの。オープニング、エンディングともにキャスト陣からも評判がよく、土曜日の朝にふさわしくさわやかで元気の出る音楽だという感想が飛び出した。
続いて、『ウルトラマンデッカー』のダイジェスト映像が上映され、「スフィアザウルス」「スフィアゴモラ」「ノイズラー」「ミクラス」といった怪獣たちや、GUTS-SELECTが誇る戦闘機「GUTSファルコン」や「GUTSホーク」の勇姿が映し出された。
本作に新登場するGUTSホークは、AIユニット「HANE2(エイチ・エー・エヌ・イー・ツー)」が操縦を務める無人機という設定。可愛いマスコットのようなスタイルに似合わぬクールボイスが特徴のHANE2の声は、ベテラン声優の土田大が務めている。
ここで小柳がGUTSホークの玩具商品を手にして、「フライトモード」から「飛竜モード」への変形ギミック、そしてGUTSファルコンと合体した形態「GUTSグリフォン」を紹介した。小柳は「僕はこういうの、壊すタイプですから……」と手元を心配しながらも、見事に2機の合体を再現。GUTSグリフォンのプレイバリューの高さをアピールした。
そして、松本が変身アイテム「ウルトラディーフラッシャー」を手にして変身ポーズとかけ声を披露すると、さっそうとウルトラマンデッカー(フラッシュタイプ)が登場。キャスト陣から「頭と胸にあしらわれた『宇宙』がキラキラしていてカッコいい」(黄川田)「大胸筋の盛り上がりがすばらしい」(小柳)「キャストひとりひとりの横に来てくれて優しい」(宮澤)と、デッカーを称える声が続出した。
7月9日の放送に先がけ、この場で第1話「襲来の日」をキャストたちと一緒に観た松本は「これから毎回、こんなにすごい特撮アクションが観られると思うと、僕自身とても楽しみです! 第1話では、ひとりひとりのセリフが心に刺さりましたし、良い言葉が何度も何度も出てきます。劇中のカナタだけでなく、僕もこれらの言葉を受け止めて、今後の人生に活かしていけたらいいなと思わせてくれます」と興奮気味に感想を語り、これから始まる『ウルトラマンデッカー』の物語を楽しみにしてほしいと、視聴者に向けて熱いメッセージを贈った。
(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京