昨年後半から一気に注目が集まっている食品「オートミール」。トレンドとしてテレビや雑誌にもよく登場するので「食べたことはないけど、聞いたことはある」という人も多いのでは?
オートミールとは、オーツ麦のミール(食事)の意味。オーツ麦は、日本語ではえん麦と呼ばれる穀物の一種で、これを脱穀・加工したものだ。カロリーや糖質が控えめながら、食物繊維やたんぱく質が豊富なヘルシー食材。海外では以前から、ミルクでふやかす「ポリッジ」(ミルク粥)などで食べられてきたが、日本では米の代替品としても人気だ。
オートミールは加工の仕方でいくつかタイプがあるが、すぐに食べられるインスタントオーツがポピュラー。味付けタイプや即席カップタイプも登場し、選ぶ楽しさが広がっている。食生活が乱れがちな新年度にぴったりなオートミールを食べ比べてみた。
■ケロッグ「ケロッグ プロテイン オートミール」
シリアル食品世界シェアトップブランドのケロッグが2022年3月下旬に発売した「ケロッグ プロテイン オートミール」。オートミールはもともとたんぱく質が豊富だが、大豆由来のたんぱく質フレークを加えることで、たんぱく質量を白米ごはんの1.5倍まで引き上げたという。
まずはそのまま食べてみると、香ばしく適度な歯ごたえがある。今回はパッケージの裏面にベーシックな食べ方として紹介されている「ごはん」化を試してみた。具体的にはオートミール30g(大さじ5杯)と水50mlを混ぜて、電子レンジで約1分加熱する。
すると確かに「ごはん」になった!適度な粒感が、まるでごはん粒のような食感。白米より玄米に近く、香ばしい麦の風味がどこか焼きおにぎり風。そのまま食べても味わい深いが、ふりかけをかけたり、鶏ガラスープで加熱したり、“ごはん”の代替としていろいろな楽しみ方ができそう。アレンジレシピの特設サイトもある。
「オートミールが、たんぱく質を摂れる食材であることのイメージはまだ希薄です。たんぱく質を訴求することで、栄養意識やダイエットニーズにも応えられると考えています」(日本ケロッグ PRマネージャー 山路真由さん)
SNSには「プロテインのオートミールは気になる」「ダイエットには欠かせない」など早くもポジティブな反応が多数。1食分(30g)のカロリーは116kcal、糖質は15.0g。
<「ケロッグ プロテイン オートミール」のポイント>
・たんぱく質50%プラス ・ごはん代わりとして毎日の主食に ・栄養意識やダイエットニーズにぴったり!
■イオン「トップバリュ グリーンアイオーガニック オートミール」
イオンでは、2022年3月に「トップバリュ グリーンアイオーガニック オートミール」を発売。有機栽培のオーツ麦を輸入し、国内で加熱加工をしている。
まずはそのまま食べてみると、サクサクやわらかく、麦のやさしい甘さを感じる。パッケージに「加熱や調理をしなくてもヨーグルトやスープなどと合わせるだけでおいしく食べられます」と記載されているので、牛乳をかけて食べてみた。すると牛乳で麦の甘みや香ばしさが引き出され、なんともやさしい味わいに!
「乳児用規格適用食品」(※放射性物質が一般食品より低い基準値を満たした食品)でもあり、離乳食にも使用OK。オーガニックながらコスパも抜群。発売直後から好評というのもうなずける。1食分(30g)あたり109kcal、糖質は17.9g。
<「トップバリュ グリーンアイオーガニック オートミール」のポイント>
・有機栽培のオーツ麦を使用 ・やさしい味わいで離乳食にも使える ・オーガニックとしてはコスパも優秀
■日清シスコ「おいしいオートミール トマトクリームリゾット風」
手軽に食べたい人には、味付きタイプもおすすめ。日清シスコが2021年9月に発売した「おいしいオートミール トマトクリームリゾット風」は、牛乳を注いでレンジで温めるだけで、トマトクリームリゾット風のオートミールが楽しめる。
ごろごろとかたまりになったオートミールは、よく見ると角切りトマトやオニオンチップ入り。好みの量の牛乳を入れて電子レンジで温めると、かたまりになっているオートミールがほどよくほぐれ、アルデンテ感のある本格リゾット風に。トマトの旨みも力強く、「料理を食べた!」という満足感を得られた。
シリアルメーカーらしく栄養バランスにもこだわり、1食(40g)で1日に必要な9種のビタミンの1/3も摂れる。1食分(40g)あたり163kcal、糖質は21.0g。1袋160gの4食分で、試しやすい手頃なサイズだ。
「オートミールに興味があるものの、『食べ方が分からない』『おいしくなさそう』『試そうにも量が多い』といった理由でまだ試したことがない方に、ぜひ一度お試しいただきたい商品です」(日清シスコ マーケティング部 中根綾子さん)
「日清シスコのホットシリアル」シリーズには、味付きタイプとしてほかに「おいしいオートミール チーズクリームリゾット風」もある。
<「おいしいオートミール トマトクリームリゾット風」のポイント>
・味付きなのでアレンジ不要! ・本格的なリゾット風味 ・簡単で試しやすい1袋4食分(160g)
■旭松食品「オートミール めんたいこ風味」
最後は即席カップタイプの旭松食品「オートミール」。2022年3月に発売された4種の新味から「めんたいこ風味」を試食!
カップ麺感覚で、個包装の袋からオートミールと液体スープを出してカップに入れ、お湯を注いで1分ほど待てば完成。
めんたいこはほどよい辛さで、昆布の出汁と好相性。和風テイストのほっとする味だ。ちなみにお湯を注いだ後1分待てば食べられるが、さらに2分ほど待つと、とろみがアップ。もっと時間が経つと水分をより多く含み、雑炊風になる。そんな変化も楽しみたい。
「美味しさとフードロス削減を実現するために、そのままであれば廃棄されてしまうような食材に工夫を加えて新しい食品に生まれ変わらせる“アップサイクルフード”でもあります」(旭松食品 営業本部 山口信典さん)
たとえば、めんたいこ風味は昆布加工品製造時のボイル工程で残る煮汁を活用した昆布エキスを使用。昆布の旨みが強い一番だしであるため、明太子の辛さによく合い、より旨みを引き立てているのだそう。1食あたり82kcal、糖質は12.8g。
味は全9種で、3月発売の新フレーバーとしてはほかに「だし醤油たまご風味」「鶏白湯風味」「ほたてバター風味」がある。ラインナップの豊富さも魅力だ。
<「オートミール めんたいこ風味」のポイント>
・お湯を注ぐだけのカップタイプ ・雑炊感覚の和風テイスト ・フードロス削減に貢献する「アップサイクルフード」
栄養豊富で味わいも多彩なオートミール。朝食はもちろん、帰りがおそくなった日の夕食などにもよさそうだ。食生活が乱れがちな新年度のお供に、ぜひ常備してみては。