インターネット掲示板やSNSを利用している際に、「ROM専」という表現をときおり見かけます。ネット上ではユーザー同士でスムーズにやり取りするために独特な表現が使われていることがあります。この記事では、ROM専など、ネット上で登場する独特なスラングの意味や使い方について解説します。

  • ROM専の意味や由来は?

    ROM専とは何のことか詳しくご紹介します

ROM専(ロム専)の意味や由来は?

ネット上で使われるネットスラングには、知らない人には意味が想像しづらい言葉も多くみられます。ここではそんなネットスラングのひとつである「ROM専」の意味や由来をご紹介します。

ROM専の意味と由来

「ROM専」は「Read Only Member」の略である「ROM」に「専門、専用」などを意味する「専」をつけた言葉です。意味は「読むだけで書き込みをしない人、書き込みをしないこと」になります。

インターネット上にあるさまざまな投稿に対し、その投稿に返信することで見知らぬ人同士で会話が続けられる場合があります。ROM専の人は返信可能な仕組みがあってもコメントなどの書き込みをせず、読むだけで利用しているのです。

また、SNSでもこの言葉が使われることもあります。この場合は、TwitterなどのSNSでアカウントを持っているものの、自分では投稿せずに他人の投稿を読んでいるだけの人をさします。

ROM専はネット用語

ROM専は、ネット上で用いられるスラングとして生まれた言葉です。

DVDなどの光ディスクには「Read Only Memory(読み出し専用のディスク)」という種類があり、「CD-ROM」のようにコンピューター用語として使われていました。ROM専はこのROMの響きから想起されて、同じ「読み専用」の意味として使われるようになったと考えられています。

このようなネットスラングにはさまざまなものがあります。「ググる(Googleで言葉や画像を検索すること)」「コピペ(文章などを複写してそのまま貼り付けすること)」「リア充(リアルの生活が充実していること)」なども、もともとはインターネット上で生まれた表現です。

  • ROM専の意味や由来は?

    ROM専はインターネットユーザーのあいだで生まれた言葉です

ROM専は死語?

「ROMる(見る)だけの人」を意味するROM専という表現は、2000年ごろに多く使われていた表現。最新のネット用語ではなく、ネットスラングのなかでは古い表現だといえます。

インターネットではどのような人が利用しているかわかりにくいため、コミュニティによってはROM専の意味が伝わらないことがあるかもしれません。完全に死語だとは言い切れませんが、いつでも必ず意味が通じる表現ではないと頭において使うようにしましょう。

  • ROM専の意味が通じない場面で使うと恥ずかしい思いをするかもしれません

    ROM専は死語?

ROM専の使い方・例文

ここでは、ROM専の使い方がわかるように例文をピックアップしてご紹介します。

自分がROM専の場合には、以下のような使い方ができます。

・いつもはROM専ですが、コメントさせていただきます
・ROM専のアカウントにつき、DM(ダイレクトメッセージ)は開放していません
・アンチが多くてリプ欄に入れず、ROM専になっている
・せっかくなので、ROM専をやめて発言してみたい
・スレッドの流れがはやくなっているので、いったんROM専で様子をみよう

ROM専の人に対するコメントとしては、以下のような使い方があります。

・閲覧ユーザーは増えていてもROM専が多くてコメント数は伸びない
・基本ROM専でも構わないので、一緒に楽しみましょう
・普段ROM専の人から発言があったので驚いた
・ROM専の方もぜひ「いいね」「リツイート」をしてください
・荒らし投稿が増えるくらいならROM専だけでもいい

  • ROM専の使い方

    ROM専の使われ方を例文で確かめてみましょう

ROM専の類語・言い換え表現

ROM専と一緒に使われるその他の用語について、意味と例文をご紹介します。

ROM勢

「ROM勢」は、「ROM専」の人たちをグループにまとめて呼ぶ言い方です。

ネット上ではあるグループをひとまとめにして「~勢」と表現することがあります。例えば、ゲームなどに真剣に取りくんでいる人を「ガチ勢」、ライトユーザーを「エンジョイ勢」などと呼ぶことがあります。

・ROM勢は目立たないけれども、人数は投稿する人よりも多い
・ROM勢も一緒に盛り上がっていこう

見る専

「~専」は「~をする専門」。つまり「見る専」は見る専門の略であり、あるコンテンツを見るだけの人です。

ROM専が掲示板などで使われることが多いのに対して、見る専は動画投稿サイトやSNSなどで比較的多く使われる傾向があります。同様にネット小説などの読み物を読むだけという場合には「読み専」という表現が使われることもあります。

・もともとは見る専だったのに、趣味をきっかけに1年で多くの人とつながれた
・いいねをすると自分のフォロワーに投稿通知されるので、特定のコンテンツは見る専で楽しんでいる

RAM

「RAM」は、「読むだけでなく投稿もする人」の意味です。RAMはROMと同様にパソコン用語の「Random Access Memory」が語源。パソコン用語のROMは読み取りだけの機能になりますが、RAMは読み取りと書き込みの両方に対応しているという違いがあります。

RAMはROM専などが普及したのちにROMの対義語として使われるようになった表現です。

・ROMは英語で表現できる意味があるのにRAMには対応する表現がない
・「ROMる」はよく使われていても「RAMる」とはあまり言われていない

コメ主

主(ぬし)とはある領域の所有者や代表者のことです。コメントの投稿者のことを「コメ主」と言います。あるホームページや掲示板の持ち主が投稿しているコメントは「主コメ」と呼ばれることもあります。

・コメ主が擁護されてるけれど、何度読んでも納得できない
・人気投稿者のコメ主からリプがあって、飛び上がって喜んだ

うp主

動画を投稿することをアップロードと言い、動画を「アップする」など動詞のように使われることもあります。

しかし、日本語入力のキーボードでup(load)と書こうとすると「うp」と変換されてしまう場合があります。このことから普及したのが「うp(何かをアップロードすること)」という表現。そして動画などの投稿主が「うp主」と言われるようになりました。

・この動画はうp主の思い過ごしではなく、本当にバズっているようだ
・うp主多忙につき更新が滞っていますが、ぜひ次回投稿を楽しみにしていてください

FF

FFは主にTwitterなどで使われる表現です。「Follow(フォロー)」と「Follower(フォロワー)」の頭文字をとって表現されています。

そして、お互いにフォローしていない関係の場合に「FF外(えふえふがい)」と言い、自分がフォローしていない人の投稿がたまたま目に入りコメントを返したい場合などに「FF外から失礼します」などと添えて発言することがあります。

・FF外の反応も歓迎します!気軽に絡んでくださいね
・FFさん以外に投稿を見られるのが嫌だから、アカウントに鍵をつけようかと悩んでいる

ROM専の対義語

ここでは「ROM専」の対義語を2つご紹介します。

WOM

WOMとは「Write Only Member」のそれぞれの単語の頭文字をとったもので、「投稿だけをする人」という意味になります。

「読むだけの人」を意味する「ROM専」の対義語だと考えられます。

投稿者

読むだけ・見るだけでなく投稿をする「投稿者」も、「ROM専」の対義語の一つとして挙げられるでしょう。

  • ネットやSNSで使われるROM専の類語

    ROM専やネットスラングの類語がわかるとより軽快にネットが楽しめます

ROM専にマナーはある?

ROM専は「いつも黙って見られるだけだから怖い」「一緒に場を盛り上げてくれずノリが悪い」「何も情報を発信していないのに、他人の情報はしっかり閲覧していて不公平」などと歓迎されていないことがあります。

一方、反対に投稿者と頻繁に交流しすぎることが問題になるケースもあります。例えば調べればすぐにわかる基本的な情報を質問したり、空気を読まない投稿やコメントを好き勝手に行ったりすると、ときには投稿者の意図や場の雰囲気を壊してしまう要因になります。

インターネット上の交流も日常生活と同じであり、場をわきまえる意味では「ROMる」ことも重要です。ぶしつけなユーザーは「半年ROMれ」と注意されてしまうかもしれません。

  • ROM専にマナーはある?

    その場を一緒に楽しむ気持ちを大切に上手くROMるようにしましょう

ROM専の意味は「見るだけの人」! その場の雰囲気で宣言してもOK

ROM専はインターネットの掲示板やSNSの投稿を見るだけの人のことです。古い部類のネットスラングではありますが、現在でも自ら「ROM専です」と名乗ったり、投稿を控えますという意味で「今からROMります」などの表現を活用したりすることがあります。

自分がROM専の場合、絶対に宣言が必要というわけではありません。しかし周囲とどのように関わってインターネットやSNSを楽しみたいかという自分のスタンスを伝えておくと、スムーズにやり取りができるケースもあります。