女装したスーパー家政夫の“ミタゾノさん”こと三田園薫が派遣された家庭の内情を覗き見し、そこに巣くう根深い汚れまでもスッキリと落としていくヒューマンドラマシリーズ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系 毎週金曜23:15~※一部地域除く)。松岡昌宏主演のドラマとして16年10月にスタートし、第5シリーズを迎える。

今作から新たに加わったのが、“もとやん”こと新人家政婦・本仮屋素子(もとかりやもとこ)。ヤンキー同士の抗争の場で出会った三田園に惚れ込み、「姐さん」と慕って家政婦紹介所にやってくる。仁義を重んじ、熱い正義感を持つ素子を演じるのが、女優の山本舞香だ。今回は山本に今作の見どころや、“アニキ”と慕う松岡とのエピソード、“姐さん”的存在である先輩女優の魅力、そしてとっておきの家事情報を聞いた。

  • 女優の山本舞香 撮影:宮田浩史

■伊野尾慧演じる村田光への安心感

――第5シリーズまで続く『家政夫のミタゾノ』ですが、改めて山本さんから見たこの作品の魅力を教えてください。

世の中で起きていることをオマージュして届けている点もそうですが、ミタゾノさんの「どうしてこんなところにいるの?」という神出鬼没なところ、「ここで気付いていたから、こんな行動を取ってたんだ」という、1度見るだけじゃ気付かない、2度、3度見ても楽しめるところが魅力だなと感じます。

伊野尾(慧)さんも、テレビでお見かけするフワッとしたイメージのまま(村田)光くんを演じているので、登場すると安心感がありますよね。キャラクター1人ひとりにクセがあって、ゲストの方々も含めて、皆さんが台本を読んだときのイメージを超えてくるお芝居をされるんです。お芝居中も笑っちゃうくらい面白いので、演じている側も、毎回完成が楽しみになる作品です。

――伊野尾さんにはフワッとしたイメージを持ってらっしゃったんですね。

そうですね、ストレートに言葉を発するイメージはなかったです。今作が始まるときに「光が素子に虐げられるかもしれないことが楽しみ」と言っていたと聞いて、「Mなのかな(笑)」と私も公式コメントを出していたのですが、現場でお話していると「俺、Mだから」って自ら宣言されていて、「あ、そうなんですね……」と(笑)。

――(笑)。ちなみに山本さんは。

私ですか? 両方です。

――もしかすると世間的にはSっぽいイメージもあるかもしれませんが、両方対応できるんですね。

結構甘える部分もあるんです。

■笑顔が絶えない現場作りをしている松岡を尊敬

――かわいいです! 主演の松岡さんとは『13歳のハローワーク』以来、ドラマでは10年ぶりの共演となりますが、どんなお話をされましたか。

忘れられていると思っていたのですが、バラエティ番組で共演したときにしっかり覚えてくださっていて、すごくうれしかったです。今回は第5シリーズまで続いている作品に入るということで緊張感が半端じゃなかったのですが、松岡さんから「好き勝手やっていいから」と声をかけて頂きました。本番撮影前の段取りの時点でキャストもスタッフも皆笑顔が絶えなくて、とても雰囲気のいい現場です。

――劇中の「むすび家政婦紹介所」のような、明るくてわちゃわちゃした雰囲気なんでしょうか。

そうですね。そしてその雰囲気を作っているのは座長の松岡さんだと思うので、尊敬しています。

――松岡さんとのエピソードがあれば教えてください。

「お前は俺に似てる」といつも言われています。ふいに私が発する言葉に対して「そういうところが俺に似てるんだよ」、「同性の男にもいなかった、お前みたいな人間に今まで会ったことない」と。多分はっきりとものを言うところでしょうね。物怖じせずに話せるのがいいと褒めてくださるんですけど、私も10年前と比べると気を使うようになってしまったから「さすがに25歳になるので」という話をしました。