朝のオーダーでその日のうちに新鮮野菜のミールキットが受け取れる野菜がおいしいミールキット「楽彩」の発売が4月22日より開始した。メディア向けにミールキット「楽彩」新商品発表会・試食会が行われたので、参加してきた。

  • ミールキット「楽彩」新商品発表会・試食会

    【左】JR東日本クロスステーションの小俣康則氏、【中央】「楽彩」の大﨑善保社長【右】R.project丹埜倫氏(たんのろん)

■コロナ禍がきっかけになったミールキット事業

「楽彩」ブランドを展開する楽彩は、全国3万店以上の飲食店やホテルなどにホール野菜やカット野菜などを届ける業務用青果物流通の最大手「デリカフーズホールディングス」が、昨年8月に設立した新会社。

厳選された契約農家から調達した野菜を、北海道から長崎まで全国17の拠点で新鮮なまま、その日のうちに加工して全国3万店の外食店に届ける同グループの取引先企業は、約800社に上るという。

「楽彩」の大﨑善保社長は「デリカフーズグループでは契約農家さんから調達した野菜の中でもお店でも使いやすい特に形のいいホール野菜だけでなく、カット野菜や加熱野菜、冷凍野菜などが商品ラインナップとなっています」と説明。

  • 「楽彩」の大﨑善保社長

    「楽彩」の大﨑善保社長

「創業当時から野菜など青果物の価値向上を図るため、野菜のおいしさや栄養価などに関する科学的な研究にも力を入れてきました。そうして得られた研究データのもと、食材の組み合わせや調理法、栄養評価などを踏まえたメニュー開発を行い、外食産業の世界でメニュー提案も行ってきたことも我々の大きな特徴です」と語った。

「楽彩」ブランドは、そんなデリカフーズホールディングスが提携する全国1,000件以上にわたる農家が、コロナ禍による外食需要の冷え込みで深刻な状況に直面したことで誕生した。ミールキットとして新鮮でおいしい野菜を家庭の食卓に届ける同グループの新たな取り組みだ。

「スーパーで並ぶ野菜が持ち帰りしやすく小型化するなど見た目を重視したものに対して、我々が取り扱う野菜は見た目よりも味わいなど中身を重視した野菜という違いがあります。コロナ禍で行き場を失ってしまった契約農家さんの野菜をマルシェで販売したところ、お客様から高く評価いただいたことが、今回のミールキット事業の立ち上げの背景となりました」

  • コロナ禍がきっかけになったミールキット事業

■毎朝注文を受けた分だけ製造、食品ロスを低減

昨年約1,600億円規模、2024年には1,900億円と見込まれているミールキットの市場。その中で「楽彩」は「ピックアップショッピング」という販売方式をとっている。公式アプリやサイトで午前9時までに注文すると、夕方5時以降に希望するピックアップ店舗で受け取れる仕組みだ。

「ミールキット事業はスーパーなど小売店での販売や、自宅への定期配送といった宅配便事業が代表的ですが、我々は『在庫ロス』『注文からのリードタイム』『配送費』の課題に着目しました。まず店頭販売のミールキットでは、最も命が短い野菜がダメになると肉や魚など他の食材も一緒に廃棄しなければならず、食品ロスのリスクが大きくなります。結果的に冷凍化が進んでいますが、冷凍食品で使われている野菜は、ブロッコリーやニンジンなど本当にごく僅かな種類に限られています。また、“無料”が謳われる配送費についても、ラストワンマイルのコストはお客様が実質的に負担しているのが現状です」

全国の契約農家から野菜を受け入れてから加工し、納品するまで、低温度で野菜の鮮度を維持・管理する自社物流コールドチェーンを全国に展開するデリカフーズホールディングス。

その外食産業で培ってきたシステムと野菜のおいしさを引き出すノウハウを最大限活用することで、「楽彩」は冷凍野菜では表現できない新鮮な野菜を使ったミールキットを実現している。

「公式サイトやアプリで午前9時までに注文していただくと、その日のうちに生産し、夕方5時までにお客様が受け取りたいピックアップ店舗にお届けします。消費期限は4日間で、デリカグループの『楽彩』だからこそ実現できる当日製造・当日お渡しの仕組みとなっています。デリカフーズグループは創業当初から外食産業さんの厨房の代行業として黒子に徹し、外食店様がサービスに専念できるよう、野菜の仕込みを担ってきました。『楽彩』では家庭の台所での負担を少しでも減らすことで、お役に立ちたいと思っています」

■エキナカコンビニ「NewDays」も参画

本発表会では「はちみつマスタードで食べるたっぷりケールと根菜サラダ」「海老と彩り野菜のアヒージョ風」の調理実演も実施された。

各ミールキットの調理時間は2分~20分。皮むきなど面倒な調理の下ごしらえを省きつつ“ちょうどいい手間”で料理を演出できるのもミールキット「楽彩」の特徴で、油の跳ねる音や香りといった料理の楽しみは残した設計となっているようだ。

  • 楽彩の高木裕太シェフ

    楽彩 高木裕太シェフ

ミールキットのレシピは10年ほど名だたる有名企業にメニューを提案してきたシェフによって考案された本格的な味わいで、毎月新商品を展開し、常時20種類のメニューを販売する。

「モニター販売では『スーパーで同じ食材を買って再現しようとすると量が多くなってしまうので便利』といった声が多くありました。アボカドやチーズなどさまざまな食材が入っていて、キットの見た目以上に量も多く、サラダの場合は2人~3人前になるため、ミールキットのほうがおトク感も感じていただきやすいようです」とは、同社マネージャーの浅香笑子氏。

  • 楽彩 マネージャーの浅香笑子氏

    楽彩 マネージャーの浅香笑子氏

「楽彩」のミールキットを受け取れるピックアップスポットを、通勤や子供の送り迎えなどあらゆる生活動線で展開。ミールキットを利用しやすいインフラを構築していくとした。

「現在、ピックアップ店舗としては『NewDays』様との取り組みがあります。4月22日から西東京エリアを中心に10店舗からスタートし、5月からは30店舗へ拡大。9月頃には『NewDays』様で100店舗を目指しています。また、5月下旬頃には「RECANP」様との取り組みも開始します。『RECANP』様でキャンプ場の宿泊予約をする際に一緒にミールキットを予約でき、キャンプ場で受け取れる仕組みです」

7月には「楽彩」公式アプリを本格始動させる予定で、さまざまな業態のパートナー企業と受け取り店の拡大を図りながら、登録会員数10万名、受取店1,000店、事業規模50億を目指す。また、今後は外食企業やフィットネスジムなどの提携企業とともにコラボ企画も行い、ミールキットの開発なども進めるという。

最後に浅香氏はミールキット「楽彩」の魅力について、次のように語った。

「仕事帰りに買い物に行かなくていいことに加え、自分で取りに行くからコスパも良く、野菜がたくさん入っているので健康的で、食後の片付けもラクに済みます。その日食べたい食事を、その日に決められることも大きなポイントです。デリカフーズグループ・楽彩で関係を築いてきた生産者さんが、丹精込めて収穫された野菜の魅力を味わっていただきたいと思います」