グラビアアイドルとして人気を博し、現在は女優として活躍している中村静香。今年2月に配信されたNetflixシリーズ『金魚妻』では、禁断の不倫愛に足を踏み入れる人妻を演じ、新境地を切り開いた。4月16日・17日には出演映画『てぃだ』(今秋公開)を引っ提げ「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」に参加。女優として存在感が増している中村にインタビューし、女優業への思いや33歳の今の心境、今後について話を聞いた。

  • 中村静香

『てぃだ』は、都会で愛する人に裏切られ、生きていく事に疲れきってしまった主人公・高橋まどか(馬場ふみか)が、沖縄の石垣島の景色や離島ならではの人の温かさに触れ合い、一人の人として成長していくヒューマンサスペンス映画。中村は、サバサバした性格でまどかが前を向けるよう支える、石垣島で働く吉岡里美を演じた。

中村は、里美役について「石垣島に住んで働いている役どころなので、島の感じも意識しましたし、落ち込んでいるまどかを引っ張っていくということで、沈んでいるまどかの“静”に対して“動”でいようと思って、ぐいぐい引っ張っていくことを意識しました」と語る。

本作は人生のリスタートが一つのテーマとなっているが、中村は「そばで支えてくれる人がいるって大切なことなんだな」と改めて感じたという。「登場人物たちは、傷ついた人やいろんな事情を抱えた人たちがいますが、人との出会いや支えてくれる人の大切さが伝わる映画になっていると思います」。

また、自然の大切さも改めて実感。「自然がたくさん詰まった映画になっていて、沖縄や石垣島の良さが伝わりますし、私自身、撮影期間中とても自然に癒やされましたし、支えてもらいました」と振り返る。

物語にちなみ、中村の“リスタート”エピソードを尋ねると、「薄い話なんですけど(笑)、前はショートヘアが好きでショートにしていましたが、最近は伸ばしています。私ももう大人の女性なので色気が欲しくて」と答え、「まだ色気が足りてないので、もう少し伸ばします」と笑った。

女優として経験を重ねている中で、女優業に対する思いも年々強くなってきているという。「何かきっかけがあって劇的に強くなったというのではなく、徐々に増している気がします。私もドラマや映画を見て楽しい気持ちになって今日一日乗り越えられたり、自分の悩みと作品で描かれる悩みが似ていたら『つらいのは自分だけじゃないんだから頑張ろう』って勇気をもらえるので、自分もそれを届けられる人になりたいなと思うようになりました」。

また、今年2月に配信開始となったNetflixシリーズ『金魚妻』への出演は喜びが大きかったという。「すごく私は運がいいなと。昔、『昼顔』が大好きで、大人の恋愛作品に出演したいという憧れがあったので、『金魚妻』のお話をいただいたときはうれしかったです。禁断の不倫愛ですが、並木道子監督がすごくきれいに撮ってくださって、安心して身を預けて撮ることができました」。

そして、「もっと若い頃だったら露出が多いことに抵抗があったかもしれませんが、作品と私の今の年齢がちょうど合ったのだと思います。だからこそ運がいいなと感じました」と述べ、「『金魚妻』で演じた役と同じように悩んでいる主婦の方が多かったり、このセリフ刺さるわっていう反響をいただいてすごくうれしかったです」と反響も喜んだ。