4月29日より全国劇場にて公開されるVシネクスト『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』の先行上映会が27日、東京・新宿バルト9にて行われ、主要キャストと山口恭平監督が舞台あいさつに登壇。個性豊かな2大戦隊のコラボと、先輩スーパー戦隊=センパイジャーの応援による賑やかな作品の見どころを語り合った。

  • 上段左から世古口凌、森日菜美、水石亜飛夢、工藤美桜、新條由芽、木原瑠生、山口恭平監督、下段左から増子敦貴、小澤亮太、駒木根葵汰、小宮璃央、伊藤あさひ、庄司浩平

本作は、スーパー戦隊シリーズ第45作『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)と第44作『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)のヒーローが勢ぞろいして、巨大な悪を相手に大暴れする「スーパー戦隊VSシリーズ」の最新作である。今回、新たな趣向として、かつて地球を守って戦ったゼンカイジャーやキラメイジャーの先輩「スーパー戦隊」レッドヒーローたち、すなわち「センパイジャー」が両戦隊の前に現れるという。

『機界戦隊ゼンカイジャー』チームは、まずゼンカイザー/五色田介人を演じる駒木根葵汰からあいさつ。駒木根は『キラメイジャー』との共演の感想を問われて「自分たち(ゼンカイジャー)も仲良しだと思っていましたが、キラメイジャーの6人はそれ以上に仲がいい。僕の仲間・キカイノイドのスーツアクターさんたちは年上の方ばかりで、普段から年齢差のある人たちと会話するほうがしっくりくる感じなので、キラメイジャーの方々は若くキラキラしていて、うらやましいと思いました」と、キラメイジャーとゼンカイジャーのメンバー構成の違いを実感し、若手キャストで固められたキラメイジャーのまばゆさが印象的だったと話した。

世界を渡り歩く「界賊」ツーカイザー/ゾックス・ゴールドツイカー役の増子敦貴は「もともと人見知りだったんですけど、1年間『ゼンカイジャー』に出演し、きいちゃん(駒木根)、(世古口)凌くん、ひなみん(森)と仲良くなれたので、これでもう人見知りは克服かな~と思ったんですけど、キラメイジャーのみなさんとは結局、あいさつくらいしかできませんでした」と、両戦隊が顔を合わせた日が1日しかなかったこともあり、なかなか交流ができなかったのを残念そうに語った。増子はさらに「さっきも、キラメイジャーのみなさんが楽屋でわいわいと、ケンダマをやりながら楽しそうに盛り上がっていたのを見て、ああいいなあ……って思いました」と言葉を続けたところ、キラメイジャーキャストから「あとで一緒にやりましょう!」という誘いを受け、ニッコリほほ笑んだ。

ステイシーザー/ステイシーをクールに演じた世古口凌は「撮影では主にキラメイシルバーの(庄司)浩平くんとしか接点がなかったのですが、最終決戦のシーンでキラメイジャーが勢ぞろいしたのを見て、ああ、これがスーパー戦隊なんだなって改めて感じましたね。色がキレイに揃っていて(笑)。また、マブシーナと共演をしたおかげで、僕の心が救われました」と、キラキラ輝くキラメイジャーのメンバーを目の当たりにしたときのインパクトの強さをふりかえって感想を述べた。

ゾックスの妹フリント・ゴールドツイカーを演じる森日菜美は「『ゼンカイジャー』をやっていた1年間、女の子同士の会話をしてこなかったので、キラメイジャーの(工藤)美桜ちゃん、(新條)由芽ちゃんと“ガールズトーク”が出来て本当にうれしかったです。自分でもキャピキャピできるんだ、女の子なんだというのを改めて実感しました。今日も控室で、女の子3人ずっとおしゃべりしていたんです」と、心の底からうれしそうに語った。どんな話題で盛り上がったかについては「モーニングルーティンみたいな話です。3人とも、朝はぜったいに果物を食べるっていう共通点があるんです。そんな話はこの1年間ぜんぜんしてこなかった。やっと同姓のお友だちができました!」と話して、まぶしい笑顔を見せた。

続いて『魔進戦隊キラメイジャー』チームのあいさつ。キラメイレッド/熱田充瑠を演じる小宮璃央は、ゼンカイジャーとの共演の感想を聞かれて「みんなの『アドリブ力』が凄いと思いました。現場での芝居でも、アフレコでも、もうスキマというスキマに『台本にないこと』をたくさん入れ込んできて、ただひたすら驚いていました」と語り、駒木根たちの演技を絶賛した。

これを受けて駒木根は「キカイノイドの声優陣の方々に鍛えられていましたから(アドリブは)僕らの強みだと思っていました。僕自身が目立つようにがんばった結果なんですけど、いくつか璃央にアドリブのバトンパスを渡しています。ガオーンの梶裕貴さんの言葉ですけど、後から演技をする人にアドリブを届けるのは『愛のお手紙』というつもり。そんなアドリブを、璃央がしっかり返してきてくれるのもうれしかった」と、実力派声優の面々と1年間一緒に演技をしてきた経験を持つ駒木根ならではの「いい言葉」を披露し、キャスト陣を感心させていた。

キラメイイエロー/射水為朝を演じる木原瑠生は、冒頭のあいさつで「いまTTFC(東映特撮ファンクラブ)で為朝のキャラソン『弾丸Shooting Star』ダンスミュージックビデオが配信中です。ぜひ、みなさま宣伝をお願いします」と為朝の最新映像を熱烈アピール。そしてゼンカイジャーキャストとの共演については「キラメイジャーは子どもっぽくはしゃいでいる感じですが、現場で見ていると、みなクールで大人っぽい印象がありました。自分としては仲良くしていこうと思って、積極的に話しかけていきました」と、両戦隊の交流に力を入れていたことを明かした。

キラメイグリーン速見瀬奈を演じる新條由芽は「キラメイジャーは騒がしいと思っていましたが、ゼンカイジャーのみんなもすごかった(笑)。ひとりひとり『個』を持っているというか、さっき璃央くんが言っていたアドリブ力で、『ここでは自分がしゃべるんだ!』と主張する部分がある。同じスーパー戦隊でも、こんなに雰囲気が違うのかと思いました」と、ゼンカイジャーチームの濃密な個性に驚いたと話した。

この言葉を聞いていた増子は「ゼンカイジャーでは『誰がいちばん爪痕を残せるか』競い合っている感じがありました。目立ちたがり屋が多く、こんなこと言う必要ないかなってセリフまでアドリブで言って、後で監督にカットされるという(笑)」と、ゼンカイジャーチームのいい意味での「目立ちたがり」精神について説明した。 

キラメイブルー/押切時雨を演じる水石亜飛夢は、本作においてもクールな二枚目のルックスを積極的に崩していく「顔芸」で目立っているという。MC(スーパー戦隊親善大使・松本寛也)の言葉を受けた水石は「ヒーローのクールキャラをぶち壊すために走っていましたからね!」と笑顔を見せつつ「僕が目立っていたとすれば、すてきな脚本と演出のおかげです。今回の作品にもマンリキが出てきました。時雨を演じた最初から最後まで、約2年にわたってマンリキに苦しめられてきたようです」と、マンリキに頭を締め付けられる時雨の受難ネタがエピソード3「マンリキ野郎!御意見無用」以来、節目の作品に出てくるくらい評判を取ったことをうれしそうにふりかえった。

水石はゼンカイジャーチームとの共演については「押切時雨も『全力全開』をモットーに、走らせてもらいました。焼肉屋のシーンでは、葵汰くんは(肉を)爆喰い、増子くんはカッコいい、ステイシー(世古口)はアンニュイでセクシー、フリント(森)は元気で明るい。まさにゼンカイジャーの名のとおりだなと、ご一緒して感じました」と超リスペクトして、「めちゃくちゃいいコメントですね!」と駒木根を感動させた。

キラメイピンク/大治小夜を演じる工藤美桜は「ショートカットになりました!」とヘアスタイルの変化を強調し、輝く笑顔を見せた。ゼンカイジャーと共演したときの感想を聞かれると「私も人見知りがすごくて、『キラメイジャー』の撮影中もメンバーのみんなとしか話すことができませんでした。今回はゼンカイジャーのみなさん、特に日菜美ちゃんと話せたらいいなと思っていたので、話せてうれしかったです。自分なりに成長したかなって思いました」と、人見知りを克服し、誰にでも自然に話せるようになった自身の成長を実感するコメントを残した。

キラメイシルバー/クリスタリア宝路を演じる庄司浩平は、冒頭のあいさつで「ロバート・ダウニー・Jr.と申します」とボケてみせ、すぐさま小宮が「いやそれヒーロー違い!」とツッコむスピーディでナイスなかけあいを披露した。本作の撮影エピソードについては「ずっとステイシーの世古口くんと一緒でした。あまりにもキレイな顔をされているんで、待ち時間のときはずっと世古口くんを見つめて『キレイだなあ』と思っていました」と、世古口の容姿の美しさを絶賛。すると世古口から「ありがとう!」と感謝の言葉が返ってきた。

ゼンカイジャーチーム全体の印象として庄司は「現行のスーパー戦隊だけが持っているパワーを感じました。終わってみると、ああしたらよかった、もっとこうしたらよかったと思うことがたくさんあるんですけど、まだそんな気持ちになっていない、俺たちがスーパー戦隊をひっぱっているんだという眩しさが、みんなにはあるんです。22歳の若輩者ですが、そんなことをのんびり思っていました」と、先輩ヒーローならではの視点で駒木根たちのみずみずしさ、輝きを称えた。

本作のメガホンを取った山口恭平監督は、キラメイジャーとゼンカイジャーを共演させるにあたって「キラメイジャーの明るく楽しい雰囲気と、ゼンカイジャーのハチャメチャ感をうまくミックスできたらいいなと思いながら、取り組んでいました。それぞれの戦隊のいいところが並び立って、観ていて楽しくなってもらえたらうれしいです」と、陽性のヒーロー作品が完成したことに強い手ごたえを感じつつ、作品の面白さをアピールした。

今回「センパイジャー」として登場する『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)ゴーカイレッド/キャプテン・マーベラスを演じる小澤亮太は「新しいチームに参加できてうれしい。後輩ヒーローと共演することで、いろんな個性を見せられれば」と強い意欲をのぞかせながら「キラメイジャーもゼンカイジャーも、すごく個性が強いですから、これが混ざったらとんでもねえなと思いました。『焼肉』って何だよ(笑)」と、濃密な個性の持ち主であるキラメイジャー、ゼンカイジャーのコラボの面白さを強調した。

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)のルパンレッド/夜野魁利を演じる伊藤あさひは、小澤からの「俺たちダンスを頑張ったよね」の言葉を受けて「僕たちは現役時代、オープニングやエンディングでダンスを踊る機会がなかったんです。今回はダンスがあるんだと聞いていたのに、練習に参加できなかった。それで2種類の振り付けを覚えてきてと言われ、自宅の窓を“全開”にして自主練習していました」と、センパイジャーの見どころと思しきダンスシーンでの苦労を打ち明けた。ひさびさに魁利を演じたことについて伊藤は「スーパー戦隊の現場に戻ってくることができたのが感慨深かった。自分にとって“母校”みたいな感じ。スタッフさんの顔ぶれも変わっておらず、改めて『戦隊っていいな』と思いました」と、しみじみ語った。

伊藤と小宮は、2年前の映画『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』(2020年)の舞台あいさつで初めて顔を合わせたという。伊藤は久しぶりに再会した小宮の姿を見て「すごく成長したなと思いました。なんか親心みたいな気持ちがあります。22歳なのに(笑)」と、心身ともにたくましくなった小宮を頼もしく感じることを明かした。

伊藤は17~18歳のとき『ルパパト』に出演し、小澤は22歳のころ『ゴーカイジャー』に出演したという。これを受け、駒木根は「僕が『ゼンカイジャー』の現場に入ったときは20歳でした。現在放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の現場では22歳の誕生日を祝っていただきましたし、23歳も祝ってもらえるのかなって思います。その次の『戦隊』にも出るとしたら、24歳、25歳……30歳くらいまで、毎年祝ってくれたらいいなあ(笑)」と、異例の2作品連続出演中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に続いて、次回作以降もレギュラーで出演してみたいという「欲」をのぞかせた。

ここで、本日(4月27日)が24歳の誕生日だという新條を舞台下手に呼び寄せ、登壇者全員が祝福するサプライズが行われた。新條は明るい笑顔をたたえながら「最近、髪を切りまして、今までとは違った大人っぽい雰囲気の新條由芽を見せられたらなと思っています。また、Twitterを本日から始めましたので、みなさんフォローしてくださったらうれしいです!」と、ますますの飛躍を目指してこれからの抱負を述べた。

山口監督から誕生祝の花束をもらって、新條は「ありがとうございます! うれしい!」と感激のコメントを残した。

最後にマイクを手にした小宮は「『キラメイジャー』の放送中は、あいにくのコロナ禍の影響でなかなかイベントができませんでしたが、時間をかけて少しずつ、みなさまの前にこうして立つ機会が持てて、うれしく思います。今回の映画は、ゼンカイジャーとキラメイジャーの良さをすべて詰め込んだ作品。僕たちも、この2~3年の気持ちを作品に強く込めています。ぜひ1回に限らず、何回もご覧いただきたいです!」と、厳しいコロナ禍という状況の中でも応援を続けてくれたキラメイジャーファンに期待に応える充実内容だと強くアピールし、さらなる応援を呼びかけた。

駒木根は「『ゼンカイジャー』テレビシリーズを1年間走り終えた僕たちが、先輩の胸を借りて取り組んだのがこの作品です。僕たちは他のスーパー戦隊と本格共演するのが初めてですし、また新しいゼンカイジャーの一面が見られると思います。あいかわらず、真面目にバカなことをやっていますので、引き続き『ゼンカイジャー』を楽しんでもらえたらうれしいです。この映画をたくさんの方々に観てもらえるよう、SNSも頑張っていきます。みなさんよかったらご感想など、いっぱいお寄せください!」と、ゼンカイジャーならびにスーパー戦隊のファンの方々への感謝の気持ちを表しつつ、映画を楽しんでほしいと全力全開でアピールを行った。

Vシネクスト『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』は、4月29日より全国劇場にて期間限定上映開始。9月28日にはブルーレイ&DVDが発売される。

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