ヤマハ発動機が手掛けるe-Bike「YPJ」シリーズのファンイベント「YPJ Fan Meeting 〜Natural Holiday〜」が2022年4月16日、静岡県富士宮市のあさぎりフードパークで開催された。
富士山を望む清々しいロケーションのもと、思う存分最新e-Bikeが楽しめる同イベントの様子をレポートする。
緑いっぱいのコースでヤマハ最新e-Bikeを思う存分楽しむ
「YPJ Fan Meeting」の会場は、静岡県富士宮市の朝霧高原にある「あさぎりフードパーク」。「朝霧高原」の名前の通り、朝の時点では霧がかかっていたが、昼ころには富士山が顔を出し、晴天の下多くの方がe-Bikeを楽しんだ。
なかでも常に多くの人が集まっていたのが「YPJ展示&大試乗会」。ロード、クロス、MTBとヤマハ発動機が手掛ける各カテゴリのスポーツタイプ電動アシスト自転車「YPJ」を実際に試乗できる。
試乗車は、今年発表されたクロスバイクタイプの「CROSSCORE RC」、ロードバイクタイプのグラベル「WABASH RT」、MTBタイプの「YPJ-MT Pro」「YPJ-XC」の4種類。合計90台近くの試乗車が用意されており、YPJでは史上最大規模だそう。ずらりと並んだe-Bikeは圧巻! キャップや手袋など感染対策もしっかりしているので、安心して楽しめた。
試乗コースが作られたあさぎりフードパーク ドローン飛行場は、シクロクロス富士山のレース会場にもなった場所。約1.5~2km、10分程度のロングコースは、YPJの開発ライダーが自ら草刈り機に乗って作ったそう。
筆者も今年発売されたばかりのYPJシリーズ「CROSSCORE RC」と「WABASH RT」に試乗。
クロスバイクタイプの「CROSSCORE RC」は、インチューブバッテリーでスッキリとしたデザインが印象的。リアにサスペンションがついているため、街中のちょっとした段差や凸凹も快適に超えられる。
電動アシストのモードは、力強い「ハイモード」、「スタンダードモード」、充電を節約しながら長距離を走れる「エコモード」「プラスエコモード」に加えて、オートで制御する「オートアシストモード」を含めた5種類。試乗前のレクチャーで「オートアシストモードなら走りに集中できますよ」とアドバイスをもらったので、オートアシストモードを選択。
高原の澄んだ空気の中、富士山を見ながら走るコースは爽快感抜群! オートアシストモードなので、上り坂になるとアシストがぐっと力強く引き上げてくれるので軽快に上ることができ、逆に平地や下り坂はアシストが軽くなり、自分の足でペダルを回して進んでいる感じが楽しめた。
グラベルの「WABASH RT」は、地面をしっかりグリップするワイドタイヤや、サスペンション付きのドロッパーシートポスト、コントロール性を高めるフレアハンドルなどを備えたオンロード・オフロードの両方が楽しめるモデルだ。
「CROSSCORE RC」と同じヤマハ発動機の次世代デザインフレームを採用しており、スタイリッシュな見た目の「WABASH RT」だが、カーブや上り坂はブロックタイヤがしっかりグリップするので滑りにくく、上り坂や下り坂になるたびにシートの高さを手元で調整できるのも快適。荒れた路面もグイグイと進むことができ、「CROSSCORE RC」とはまた違った楽しさが感じられた。
10分近くたっぷり走れる上に、開発者が考案したYPJの楽しさを存分に味わえるコースだからこそ、思う存分性能やその車種ならではの楽しさが味わえる。
MTBタイプの「YPJ-MT Pro」「YPJ-XC」も大人気。試乗したあと、また列に並んで別の車種に乗ったりと、乗り比べを楽しむ方も多い様子だった。
試乗会の隣にはYPJのフルラインナップが揃う展示も。説明を受けたり、特徴を見比べたりとこちらもひっきりなしに人が訪れていた。
MTBライディングレッスンやオリジナルツアーも
「YPJ Fan Meeting」はコンテンツも盛りだくさん。開会式セレモニーでは富士宮市長 須藤秀忠氏、富士宮市観光協会会長 小川登志子氏、富士宮市議会議長 小松快造氏、そしてヤマハ発動機販売 代表取締役社長 石井謙司氏が登壇。富士宮市では市内でYPJのレンタサイクルも多数実施しており、市長は「日本一のe-Bikeの街として、観光誘客にも取り組んでいきたい」と期待を寄せた。
YPJ開発ライダーの鈴木健二さん、元ダウンヒル全日本チャンピオンの増田まみさん、YPJ開発者の黒沢大介さんによる「ライダートークショー」も開催。ユーザーから事前に寄せられた質問に回答したり、「富士宮市は市町村単位でのニジマス生産量が日本一」といった富士宮市クイズで盛り上がった。
YPJの魅力については「YPJは楽しく坂を上れますが、上りが疲れないから下りも楽しめます。だから、一日に2本、3本とたくさん走れるんです。今後e-Bikeの時代になると思います。価格は高いですが、それだけの価値があると考えています」と鈴木さん。増田さんは「頑張らなくてもいい自転車ですね。下りも楽しいですが、上りは自転車の次元を超えています」と楽しそうに語った。
またYPJオーナー限定の企画も開催。「YPJオリジナルツアー」では、あさぎりフードパークを起点に朝霧高原エリアの観光スポットを回る3コースを用意。溶岩洞穴の「人穴」と富士信仰の一派・富士講の行員が建立した碑塔群からなる「人穴富士講遺跡」や源頼朝ゆかりの「陣馬の滝」といった見どころを巡りつつ、富士宮のグルメを楽しんだ。
トークショーにも登壇した鈴木さん、増田さん、黒沢さんによる「ビギナー向けMTBライディングレッスン」では、MTBの基本的な乗り方や、スキルアップのポイントをレクチャー。
普段はロードタイプのYPJに乗っているというユーザーは、初めて乗るMTBに「サスペンションが全然違いますね」と驚いた様子。電動アシストの使い方や、坂道やカーブでのコツについてレクチャーを受けながら、思い思いに楽しんでいだ。
他にも子どもも一緒に楽しめるオリジナルサコッシュづくりや、ヤマハのグッズや富士宮市の特産品が当たるYPJオーナー限定の大抽選会といったコンテンツも。
また、会場のあさぎりフードパークは富士宮市や朝霧高原のグルメが多数揃う人気のスポット。試乗やライディングレッスンで思い切り走ったら、富士宮やきそばや地酒、あさぎり牛乳のソフトクリームなどご当地グルメに舌鼓を打つのもここならではの楽しみ方だ。
雄大な富士山を眺めつつ、ヤマハ発動機のe-Bike「YPJ」を思う存分楽しめる「YPJ Fan Meeting」は盛況のうちに終了した。なお今回のイベント以外にも、富士宮市内をはじめ北は北海道から南は沖縄まで、全国でYPJシリーズに乗れるレンタルショップも多数ある。お出かけ先や旅行先で、ぜひYPJの楽しさを体感してみては?