コロナ禍で日々の運動や健康維持を行える“スポーツ自転車”に大きな注目が集まっているなか、日本最大のスポーツ自転車フェスティバル「CYCLEMODE TOKYO 2022」が、4月2・3日の2日間、東京ビッグサイトで開催された。

世界で人気を集めるブランドの完成車から、ヘルメットやウェアなどの自転車関連グッズの最新モデルが勢ぞろいした本イベント。今回は各社のスポーツタイプの電動アシスト自転車を紹介する。

「SPORTS e-BIKE EXPO」ゾーンの注目ブース

今回から幕張メッセから東京ビッグサイトへ開催地を移転し、3年ぶりの開催となった今回の「サイクルモード東京」。「ソトアソビ&ライド」を開催テーマとし、午前中から多くの来場者で賑わった。

なかでも注目度が高かったのが、サイクルスポーツタイプの電動アシスト自転車にフォーカスした「SPORTS e-BIKE EXPO」。e-BIKEを体感できる試乗コースなどでその性能に触れながら、各社が力を入れるスポーツe-BIKEの楽しさを発見できるゾーンだ。

まず訪れたのはYPJシリーズから未舗装の悪路などでも走りやすい「WABASH RT」と、街中での使用シーンを主に意識した「CROSSCORE RC」を3月10日に発売したヤマハのブース。同社の「PAS」シリーズが生活の中での便利さにテーマを置くのに対し、「YPJ」ラインナップは走る楽しみにブランドの基本コンセプトを置く。

発売後の反応もかなり好調という2モデルだが、「サイクルモード大阪」「名古屋サイクルスポーツデイズ」に続き、今回は関東圏の一般ユーザーが試乗できる初めての大きな機会となった。

同じフレーム使った両モデルだが、今回のサイクルモード出展にあたって、異なる世界観を演出するグラフィックで大々的に展示。グラベルの流行などを踏まえた「WABASF RT」は、キャンプシーンなどでの使用も想定しており、実際にキャリアを取り付けた参考車両も展示した。

  • 「WABASF RT」キャリアを取り付けた参考車両

同社のオフロードバイク「YZ」の設計思想を用いたマウンテンバイク「YPJ-MT Pro」は、フレームでバッテリーを挟み込む構造で、前後にサスペンションを搭載したモデル。コンポーネント、ギアなども最高グレードのものを使っており、60万円台と同社の製品では最も高い価格帯の機種となっている。

電動自転車は基本的に関東圏など人口が多い都市圏で多く売れるそうだが、アシストのパワーもかなり強く設定されており、泥々の坂道などもガンガン登っていく走行性能を誇る。そのため「YPJ-MT Pro」は地方在住者の購入も多く、林道などの本格的なオフロードコースを楽しみたい本格派に人気の1台のようだ。

  • 「YPJ-MT Pro」北海道などでは夏のゲレンデをリフトで登って自転車で走り下るレジャーもあり、リフトなしでラクに登れるということで地方でも高い人気があるそう

  • 「CROSSCORE RC」のFREAK’S STOREとのコラボモデル。架空のフードデリバリー会社「ピンポンダッシュ」をイメージしたデザインとなっている

体験型イベントにも注力するパナソニック

パナソニックのブースでの目玉になっていたのはスポーツバイク「ゼオルトM5」。“体験”をキーワードにした新機種で、同社では全国のツアーに関する情報発信を行う「RIDE IS DISCOVERY」というサイトを開設。日本各地のフィールドを「ゼオルトM5」で楽しめるイベントを開催していく予定で、積極的にイベント情報の発信を行なっていく。

  • パナソニック「ゼオルトM5」

「ゼオルトM5」は"日本人の体型に合った電動自転車"がひとつの開発コンセプトとなっており、小柄な日本人の体格に合ったサイズ展開だ。直接エンドユーザーが実際の乗り味を体感できる機会はまだまだ貴重らしく、試乗コーナーも盛況ぶりを見せていた。ゼオルトの販売を機に同社では今後、製品の開発テーマでもある“体験”の場として単独イベントの開催などにも力を入れてきたいという。

また同社のスポーツバイクのもうひとつの顔である「パナソニックオーダーシステム」を紹介するエリアでは、代表機種としてディスクブレーキを搭載したチタンフレームのロードバイクモデルや、クロモリフレームの新製品を展示した。

フレームのサイズが細かく設定されており、他社の3倍近い16サイズで展開している点が「パナソニックオーダーシステム」の特徴となる。「ゼオルト」でも共通した考え方のようだ。

また、カリフォルニア発の総合サイクリングブランド・スペシャライズドのブースでは「TURBO CREO SL COMP CARBON」「TURBO CREO SL EVO COMP CARBON」「S-Works Aethos eTAP」「ALLEZ SPRINT COMP」の4機種の試乗を実施。長い列が本格的なe-BIKEタイプのロードバイクの注目度の高さを物語っていた。