平成仮面ライダーシリーズで『クウガ』『響鬼』以外のすべての主役ライダーを演じ、「ミスター平成ライダー」と呼ばれるレジェンド、高岩成二がスーツなしで初主演を務める『グッドモーニング、眠れる獅子』が、ひかりTVで配信スタートしている。
高岩が演じるのは、50歳を過ぎて入社してきた、新人の芸能マネージャー・九條和真。担当するアイドル・綿貫玲実をめぐり、謎の集団「グリムリーパーズ」とのヤバすぎる戦いが繰り広げられる。ヒロインの玲実を演じるのは、自身も人気アイドルグループ日向坂46のメンバーとして活動する渡邉美穂。「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「ウルトラマン」など数々の特撮作品を手がける坂本浩一監督がメガホンを取り、さらに歴代仮面ライダー作品で主演を務めてきた椿隆之、井上正大、佐野岳、西銘駿らが参戦し、大きな話題を呼んでいる。
――今回の作品はどのようにして始動したのでしょうか?
昨年の8・9月ごろでしょうか、取材を受けていたある現場で、東映の塚田英明プロデューサーからお話があったんです。こういう作品を僕主演で撮りたいと思っているということだったのですが、その時は冗談くらいに受け取っていたんです。それがまさか実現していった……という感じです。
――高岩さんが"スーツなしで初主演"される作品ということも話題になっています。
これまでは主演といわれていても、変身後の姿でしたからね。それがマスク一つないだけで、裸でカメラ前に立っている感覚なんです。今までにも特撮作品でマスクなしの姿でちょくちょく出させていただくことはあったのですが、今回は主演でカメラ前にずっといますから、もう四六時中裸体を見せつけている感じで恥ずかしかったですね。
――高岩さんと坂本監督とのコンビということで、否が応でもアクションに期待が高まってしまいます。
坂本監督には「とにかくアクションだらけです」と言われ、もう50過ぎなので程々にしてください、という会話はしましたね(笑)。しばらくアクションから離れていたので、初日からクランクアップまでずっと筋肉痛を引きずっていました。
今作で挑戦したのは、今までまったくやったことのない格闘スタイル。なかなか手こずったというか、入りづらかったですね。初めて組むアクション監督の和田三四郎さんが手がけたアクションは、おもしろいけど難しかった。私自身は長年やっているといっても、JAE式のスタイルなんです。対して今回はリアルファイトのスタイルで、コンバットや護身術の要素を取り入れています。素手のアクションでも詠春拳や合気道、さらに関節技や寝技など私にとって経験があまりないものもありました。こうしたリアルファイトのスタイルは近年のドラマや映画で中心になっていて、JAEのアクション監督たちも取り入れるべく研究しているところだと思います。
事前にアクション練習できていればよかったのですが、撮影までにスケジュールがあまりなく、当日手写しして撮影に臨むしかなったので、それも難しかったですね。
――高岩さんご自身のベースの格闘技はあるのでしょうか。
長年マスクを被ってアクションをやっていたので、それに合わせる形で中国武術をベースにしています。ヒーローものだとポーズを求められることが多いのですが、中国武術は合わせやすいんです。アクション自体も入りやすいんじゃないかと思っています。