俳優を始めて以降、壁を感じたことがあるか? と尋ねると「常に四方八方に壁はあります。越せたかなと思ったらまた違う壁が立ちはだかるというか、自分で壁をちゃんと越えられたのかどうかもわからないです」と告白。
叔父の窪塚俊介も俳優で、もう1人の叔父はレゲエミュージシャンのRUEEDということもあり「僕は幼い時から芸能界と近かったので、憧れていたんだと思います」とも。「母も芸能活動こそしてなかったのですが、元ダンサーで、人前でパフォーマンスをしていましたし、それらが僕が幼い頃から見てきた大人の世界でした。小さい頃はままごとでお花屋さんやお寿司屋さんを真似していたみたいで、やはり家族の背中を見て引っ張られました」
父の仕事に向き合う姿勢にも感化されたそうだ。「どこに憧れていたかと言うと、俳優やモデルということだけではなく、それ以前に父がお仕事をすごく楽しんでいた点です。父が仕事についてネガティブな発言をしているところを僕は1回も見たことがなくて。もしかしたら僕の前で言ってなかっただけかもしれないのですが、僕は小さい頃から、世の中にはこんなに楽しくて、こんなに素敵なお仕事があるのかと思っていました。仮に家族全員が農家だったら、絶対に農家になっていたと思います。僕はただ、親に憧れていたのかなと」
決して親に勧められたわけではなく、最終的に芸能界に入ろうと決めたのは彼自身だったが、高校時代の環境にも左右されたと言う。「僕が通っていた高校では、スポーツや芸能活動など、いろんな場所で活躍している人たちがたくさんいました。『明日は東京や』とか、『大阪でライブやねん』とか話しているのを聞いて、どこか自分だけが置いていかれている気持ちになってしまい、そこでスイッチが入りました。いい意味で、クラスのみんながライバルであり、負けたくないと思ったんです。そういう気持ちが積み重なり、爆発してこうなりました。きっかけをくれたのは父親ですが、道を切り開いたのは自分です。僕は今のお仕事がすごく好きです」
将来的に目指すべき理想像や夢については「まずは、いただくお仕事を1つずつ丁寧に、自分ができる最大限の力で向き合っていきたい。そして、僕に期待してくださった方々にちゃんと応えられるようになりたいです」と言う。
「まだ、自分がこうなりたいという明確なものは決まってないし、自分自身に一生満足しないとも思いますが、ユーモアに溢れつつ、誠実な大人になりたいです。また、英語も話せるようになりたい。モデルとしてはいろんな服を着こなして、コレクションにも出てみたいし、俳優としてもいろんな役ができるカメレオン俳優さんになりたいです」と熱く語る窪塚。真っ直ぐに未来を見据える眼差しが、なんともまぶしかった。
2003年10月3日生まれ、神奈川県出身。2018年に映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビュー。2020年よりモデルとしても活動し、2021年から本格的に俳優活動を開始。主な出演作はドラマ『ネメシス』(21)、『あのときキスしておけば』(21)、『この初恋はフィクションです』(21)、『ファイトソング』(22)、映画『麻希のいる世界』(22)など。現在、Huluオリジナル『神様のえこひいき』が配信中。