日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』(24日スタート、毎週日曜22:30~ ※初回22:00~)の原作者・樹林伸氏が、17日に放送された同局のトーク番組『イントロ』に出演した。

  • 樹林伸氏=日本テレビ提供

名探偵・金田一耕助を祖父に持つ高校生・金田一一が祖父譲りの推理力で難事件を次々と解決していく人気漫画『金田一少年の事件簿』(講談社)は、今年で30周年。そんな大ヒット漫画誕生の裏には、国民的アニメの影響があったという。

「『ルパン三世』が好きで、“3代目っていいね”と思っていて。お父さんだと影響が濃く、ぶつかりもするだろうし。おじいちゃんだとぶつからないし、キャラクターにどこか近いところがある現代っ子でもいいのかなと思って」(樹林氏)

主人公には金田一以外にも候補があったそうで、「実は迷ったんです、明智小五郎と。明智少年にするか、金田一少年にするか。でも本格ミステリーっぽいのをやりたかったので、明智だと冒険モノっぽくなる。二十面相が出てきて戦う、みたいな。それよりも一つ一つ本格的なトリックが入るものとなると金田一の方が合っているし、ホラー仕立てにしたかったので」と明かした。

第1シリーズの放送開始から27年、前作からは8年ぶりのテレビドラマシリーズとなる今回のドラマは、なにわ男子・道枝駿佑が5代目の金田一一を演じる。樹林氏は「初代の金田一(1995年放送)堂本剛くんを見ていた世代が今はお母さんやお父さんになって、その子どもがちょうど昔自分が見ていたくらいの世代になっている。そういうのって良くないですか?」と、親子で楽しんでほしいと言う。

新シリーズの第1話は、初代金田一の人気エピソード「学園七不思議殺人事件」のリメイク版ということで、「アツいですよね。30年近くたって忘れていると思うんですけど、見ているうちに思い出してくるかもしれないし、子どもと一緒に見ていて『実はここは…』と言いたいけれど我慢する、みたいな。“お茶の間”という言葉を最近はあまり聞かないけど、これをきっかけに“お茶の間復活”みたいになってくれるといいなと思っています」と願った。

そんな樹林氏が考えたドラマ『金田一少年の事件簿』の注目ポイントは“犯人はなぜ事件を起こしたのか!? トリックも動機もあなたはすべて解けますか!?”。物語を考える上で事件のトリックだけでなく犯人の動機も大切にしているといい、「動機ってすごく重要。ここだけはちゃんと描こう、と最初に思ったんです。人が人をあやめることに対して、いい加減ではない方がいい、という強い思いがある。初代の金田一もそうだったけど、犯人が分かってから視聴率が上がっていくドラマになったんです。それがうれしかった」と語る。

犯人の動機を大切に描くからこそ、視聴者は物語に引き込まれ、時に切ない動機に心を打たれることもあるが、「泣けましたって言われるのが一番うれしいです」と話している。