テレワークの普及に伴い、働き方の1つとして耳にするようになった「ワーケーション」。なんとなく、都会を離れて休暇を兼ねて気ままに仕事をするような漠然としたイメージもあり、どのように導入したらよいかわからないビジネスパーソン・企業も多いはず。

そんな中、BIGLOBEが "温泉ワーケーション"のマッチングサイト「ONSEN WORK」をオープン。果たして温泉ワーケーションとは? 仕事をする上でどんなメリットが期待できるのか? 大分県別府温泉で行われたメディア体験ツアーに参加してきた。

  • 温泉ワーケーションのために飛行機とバスに乗ってやってきたのは大分県別府市

『ONSEN WORK』とは、ワーケーションしたい企業とワーケーションを受け入れたい温泉地を結ぶ目的で立ち上げられたマッチングサイト。オープンにあたり、ワーケーションに関する様々なデータを集めるため、企業向けのワーケーション実証実験を行う宿泊費無料参加プログラムを提供している。筆者は今回、別府市北浜にある「ホテルニューツルタ」に2泊3日滞在して、「ウェルビーイングステイ北浜」と題されたプログラムが組み込まれた「北浜ONSEN WORK」に参加した。

【1日目】

■ヘルスチェックでストレスを知る

初日の13時より、ホテルニューツルタにて、経営企画室長の鶴田宏和さんによる参加者へのオリエンテーションが行われた。今回のプログラムは、会社のチーム全員参加で実施することを想定したもの。出社せずに行えるテレワークでは、メリットもある反面、人とのコミュニケーション不足により、心身の健康を損なう場合もあるという。

  • 温泉ワーケーションは別府市北浜にある「ホテルニューツルタ」で2泊3日の滞在で行われた

温泉ワーケーションでは、そうした状態を改善すべく、温泉入浴、食事、運動などを通して、人と交流を深める場を多く設けており、滞在中に自然とチームとの絆を深めることができるように構成されている。さらに、自分の中に「気付き」を得ることで、肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態「ウェルビーイング(Well-Being)」を目指すというもの。つまり、パーソナルとソーシャルを上手く組み合わせたプログラムとなっている。なるほど、単に「温泉宿でマイペースで仕事をしつつ、たまに温泉に入ってリフレッシュする」というだけではなさそうだ。

まずは、温泉ワーケーション体験を経て初日と最終日でどのような変化が体にもたらされるかを数値で比較するために、事前ヘルスチェックを行った。歩幅を測ったり前屈したりという、体を動かす測定はまるでダメだったが、機器を使った末梢血液循環分析結果では、健康度97点(健康の目安は70点)、老化速度0.1(毎年0.1の速度で老化)、推定血管年齢41歳(実年齢50歳)と、自慢したくなるほどの数値の良さを記録。

「そうか、俺ってこう見えて健康だったのか!」と妙な自信を持った。しかしながら、唾液をとって測るアミラーゼ活性の測定では、ストレス値が144というとてつもない高値。「そうか、俺ってこんなにストレスを抱えてたのか……」とへこみつつ測定を終えた。2泊3日の温泉ワーケーション滞在でストレスは軽減できるだろうか?

■コワーキングスペース見学&原稿を書く

ホテルから徒歩10分ほど、大分合同新聞社の別府総局2階にあるコワーキングスペース「Link」へ移動。洗練されたデザインのオフィスで、長時間でも居心地よく利用できそうだ(ドロップイン利用で1,500円/日、月次会員15,000円/月、法人登録会員16,000円/月)。

せっかくなので、実際にデスクをお借りして1時間ほどPCに向かい締め切り間近の原稿仕事をしてみた。ホテルの部屋での仕事も良いが、テレワーク時代にはこうしたコワーキングスペースで仕事することも、個人と社会が交わる場としてとても重要だと感じた。

■別府ならではの人との触れ合いとグルメ

いったんホテルに戻り、ロビーに集合してディナープログラムとして別府市内の飲食店で食事をとることに。ホテル裏手には、昭和の懐かしい風情を感じさせる商店街があり、100以上の飲食店が軒をつらねている。食事処のほか、スナックや成人映画館をはじめ夜のお店まで、ごく普通に共存している環境が、なんだかとても健全に思えた。

そんな人間味溢れる別府温泉街の路地裏にある「別府 酒スタンド 巡」で乾杯。店名の通り、まずこの店で一杯飲みながら、温泉街を"巡る"のが、通の楽しみ方なんだとか。酒屋さんがオーナーで、地酒、全国の銘酒、クラフトビール、ワインなど、どれも個性的なものが取り揃えられていて、その一つひとつの味わい方をお店の方が丁寧に教えてくれる。

  • 1日目はまずスタンディングバー「別府 酒スタンド 巡」でおつかれさまの乾杯!

爽やかな飲み心地の山椒と柚子のクラフトビール「Daydream」や「どぶろく×金柑のカクテル」、世界最古のハチミツ酒「イドロメル」を飲みながら、「牡蠣のキムチ」をはじめとする自家製キムチや、自家製マヨネーズをかけた半熟卵「ウフたま」などを美味しくいただいた。

  • 「牡蠣のキムチ」をはじめとする自家製キムチでお酒が進む

  • 自家製マヨネーズをかけた半熟卵「ウフたま」は毎日食べたい濃厚な美味しさ!

続いて、お店の方が連絡をとってくださった料理店「宮本」へ移動して改めて食事した。カウンターに腰掛けて、お店を1人で切り盛りしている女将さんが出してくれる生湯葉、サバ、アジなどのお刺身、知覧どり料理などはどれも美味しくて感激。特に、鴨鍋は絶品! 鴨肉の旨味がスープにしみだしていて、シメの日本蕎麦もいくらでも食べられそうだった。

グルメサイトで知るお店も良いが、ネット情報だけでは知ることができない、地元の人だからこそ知っている名店もあるのだ。企業で温泉ワーケーションを利用する際には、食事を通しての交流もチームワークを作る上で欠かせないだろう。

その後、ホテルに戻り、源泉かけ流しの大浴場にのんびり浸かって一日の疲れを癒す。

  • 別府湾を一望できる「ホテルニューツルタ」の大浴場でのんびり

ベッドは、脳の休息や睡眠の質をあげ人生の豊かさを追求する寝具メーカー「ブレインスリープ」の枕、マットレスが使われていた。メッシュ構造で通気性が良い枕と、しっとりフィットするマットレスで、いつもより早い0時ぐらいに眠りに就いた。

  • 寝具メーカー「ブレインスリープ社」の枕、マットレスで快適な睡眠が得られた