【2日目】
■セルフボディコンディショニング
朝食はバイキングだったが、熟睡しすぎて食べ損ねてしまった。部屋で少しだけ仕事をして、10:30から畳の大広間に集まって行われたプログラム「セルフボディコンディショニング」に参加。講師を務めるのは、大分県No.1の経験を持つボディメイクのプロ集団「GYM SHRPA」(ジム・シェルパ)のパーソナルトレーナー、今川健造さん。
まったく運動をしていない筆者はウォーミングアップの時点で青息吐息。普段何気なく動かしている体の機能的な使い方などをトレーナーさんに教わりながら、みんなで同じ運動をしたり、姿勢のチェックをしてもらうとことで、「なんて姿勢の良い人なんだ⁉ 自分もああなりたい」なんて思ったりして、体のことをちゃんと考える良いきっかけになった。
運動をした後の昼食は、「ONSEN WORK」と東京の結婚式場・レストランとして知られている八芳園のコラボで、料理人が地域の食材を活用して作った腸活に良いフードプログラムランチが用意されていた。食べる前には、八芳園が推進している、「食を通したSDGsへの取り組み」が映像で紹介された。
腸活に良いランチを食べながらSDGs を取り入れるきっかけやヒントを得て欲しいとの思いからこうした時間を設けているそうだ。3種類のランチボックスの中から、筆者が選んだのは「大豆ミートのハンバーグ 八丁味噌ソースセット」。
大豆ミートとおからのふんわり感に、蓮根のシャキシャキした歯応えが加わって食感がすごく良い。セットの中には「干豆腐と大根のジェノベーゼ」や「ビーツとリンゴのビネガーマリネ」といった趣向を凝らしたおかずが入っていて、普段の食生活とまったく違うランチとなった。
■ヘルステック体験
昼食後、別府市にある医療法人慈愛会 向井病院の向井由姫医師による健康的なワーケーションのためのプログラム「ヘルステック体験」として、2つの測定が行われた。1つは、体内に蓄積した「AGEs:最終糖化生成物」(こげ付き物質)を測定。担当者の方の説明によると、AGEsとは、体の中の様々なタンパク質が、食品や飲料から入ってくる「糖」と結合して変性し、体内に蓄積するとのこと。このAGEsの蓄積が増えると、老化を促進し、様々な病気を引き起こしてしまうという。
もう1つは、人間が生きていく上で必要不可欠な構成要素であるミネラルを測る「オリゴスキャン」。ミネラルは体の中で作ることができないため、食べ物などで摂取するしかないとのこと。普段何気なく食べている美味しいものでも、ミネラルが不足していることでバランスが損なわれ、体の中では色んな変動が起こってしまうという。
実際にその場で測定してもらうと、欠乏しているミネラルが多く「要注意」という結果に。AGEsの測定では、「糖化年齢」が実年齢よりも2歳下という結果が出た。とはいえ、甘いものや揚げ物類、ファストフード、アルコールなどの過剰摂取に気を付けた方が良さそうだ。こうした結果は、せっかくなので持ち帰ってかかりつけの病院の先生に見てもらうなど、日常生活に役立てようと思った。
■ハーブテントサウナデトックス体験
「FLORA HEALING」という、薬草を使った「ハーブテントサウナ」を館内の和室で体験。「薬草蒸し」というもので、タイのハーブ、大分県産のよもぎなど20種類のハーブを調合して煮立たせた鍋が置かれたテントの中に入りデトックスする。
始める前に体調のことをヒアリングしてもらい、必要なハーブを調合してもらってから浴衣に着替え、テント内の椅子に座る。椅子の下にハーブの鍋が置かれており、体の芯からじわじわ温まる感じ。「薬草蒸し」は自律神経を整えるために呼吸することを大切にしており、ほど良い蒸気の中でスーハー、スーハーと呼吸しながら20分。かなり好きな香りに包まれて、自分がハーブを使った料理に仕上がったような気分だった。
■観光名所「竹瓦温泉」に入浴
今回のプログラムには、特に温泉はフィーチャーされていないので、館内や周辺の温泉に自分で入りに行く。空き時間ができたため、ホテルの近くにある「竹瓦温泉」へ。明治12年(1879年)に創られたというだけあって、その佇まいは実に趣がある。
脱衣所から階段で下に降り、楕円形のお風呂に入っていると、地元の人らしきおじさまがやってきて「こんにちはー!」と声をかけてきた。さらに若いお兄ちゃんや古くからの知り合いらしき人にデカい声で次々と話しかけている。そんなシチュエーションも、なんとなく楽しく感じられている自分に驚く。春休みということもあり観光客も多く、名物の砂湯はかなりの待ち時間を要していたので断念。
■ご当地グルメと出会う
竹瓦温泉に入って体の芯までポッカポカ。小腹が空いたので、駅前にあるラーメン屋さんに入ってみた。入り口のショーケースで気になったのが「別府冷麺」と「温麺」。別府冷麺とは、韓国の冷麺が別府で独自に進化したもので、そば粉が入った麺と魚介ベースの和風スープが特徴なんだとか。
今回はなんとなく、さらに気になる「温麺」を食べた。麺は想像以上に蕎麦っぽい見た目だが、丸っこくてモチモチで蕎麦ともラーメンの麺とも違う、食べたことがない食感。スープは上品であっさりめながら旨味がしっかりあって美味しかった。強烈なパンチのある味ではないものの、後からまた食べたくなる、記憶に残るグルメだった。
周辺散策後、ホテルに戻って少しデスクワーク。19時から全員集合して近くの「火鍋にしだ」で夕食を食べた。大の火鍋好きだったというしらいさんご夫婦が、別府の土地にほれ込み、この街で「最高の火鍋」をコンセプトとして2020年に店を構えたという。
豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉のほか、高タンパク、低糖質なジビエも食べることができるのが売り。特に、初めて食べた穴熊肉はほとんど脂身だったのだが、クセがなくとろけるような美味しさだった。白身魚のつみれの中にスープと魚卵が入った「魚卵団子」や、キノコを中心とした野菜もたっぷり食べて、お腹は大満足だった。
■「動く瞑想/眠れるヨガ」~就寝
夕食後ホテルに戻ってから就寝前に和室に再び集まり、RYT認定ヨガ講師Tomoeさん(Inner peace yoga主宰)の指導のもと、「シンギングボウル」の音を鳴らしながら行う「動く瞑想/眠れるヨガ」を実践。
いわゆるヨガとは異なり、体を伸ばしながら瞑想することで、心によって支配されている体の動きを解放しようというもの。枕を抱きながら目を瞑っているとそのまま眠りに就きそうになった。
2日目のプログラムは以上で終了。睡眠改善に効果があるとされるCBDオイル「ENDOCA カプセルヘンプオイル」1粒、さらに食事の後に飲んでいたこともあってか、熟睡することができた。