JR西日本は、ホームからの転落が発生した際に列車との接触を未然に防止するシステム「ホーム安全スクリーン」(正式名称「転落時列車抑止システム」)の開発を進めており、実用化に向けた現地検証を実施していると発表した。
「ホーム安全スクリーン」は、ホーム上の屋根にセンサーを設置して「物体」を検知し、JR西日本が独自に開発したアルゴリズムによって利用者の転落を判定した際、自動的に非常報知灯で運転士に緊急事態を知らせるシステム。JR西日本によれば、人の転落を検知・判定する精度が高く、転落を判定した場合に人間の確認を待たずに自動的に非常報知灯を作動させる点がポイントだという。ホーム柵(ホームドア)は整備に多大の費用と時間を要することから、これを補う有効な対策になりうるとして、開発が進められている。
現地検証は大阪環状線福島駅で2021年1月から現在に至るまで継続して実施しており、転落の確実な検知や誤判定の発生有無、非常報知灯との連動、駅係員・乗務員などのオペレーションについて検証しているとのこと。検証期間は6月までの予定。今年度中に複数駅への設置を計画しており、来年度以降はさらに整備対象駅を拡大する方針としている。