一過性のブームに終わらずランニング人気は衰えず、むしろコロナ禍での運動不足解消のため、より注目されたような印象も。実際、笹川スポーツ財団による2020年の調査※では、20歳以上のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は過去最高となっているのです。

※2021年10月8日発表調査結果より

当然? ランニング製品を出すスポーツメーカーからは新製品が続々と登場。そんな中、スイス生まれのシューズブランド「オン」が世界で2番目となる直営店を4月8日、原宿にオープンします。オープン前の店内を見学できたので紹介しましょう。

  • 「On Tokyo(オン トーキョー)」が4月8日オープン

On Tokyoの店内

原宿のキャットストリートに立地する「On Tokyo(オン トーキョー)」は1階がアパレル、2階はシューズを取り扱うフロア構成。ちなみに地下1階は倉庫、3階はオフィスになっているそうです。

ランニングシューズが主体のオンですが、機能性とファッション性を両立しているデザインの良さもあり、普段使いのユーザーも多い気がします。そんな事情もあり、同ブランドに対して「シンプル&クリーン」のイメージを持つ筆者、店内もその期待を裏切らない内装で仕上げられていました。

  • 発売した新モデルのインスタレーション

  • 1階はアパレル商品で構成

  • 2階でシューズを扱う

  • 2階には「クラウドテック」の機能を紹介したインスタレーションが展示

とは言え、それだけでは物足りないですよね。本店舗には、二つの目玉となる仕掛けが用意されているのです。

二つの目玉コンテンツ

まずは、「来店者が数歩走るだけで」天井と足元の専用カメラが自分に合ったランニングスタイルを分析、お勧めシューズモデルを提案する「ランスキャン」という仕組みから。

  • 「ランスキャン」で使われる専用カメラが天井に設置

説明通り、スタッフの方に機材のセッティングをお願いし、後は普通にフロアを走るだけという簡単なもの。目の前で実演してもらいましたが、数分もかからず、すぐにお勧めのシューズを解析、提案してくれるのです。

  • 床の照明にそって走ると計測される

自分のランニングスタイルに適したシューズを把握できている人はどれくらいいるのでしょうね? 間違いなく筆者は分かっていません。

でも、モデルは本当にたくさん種類がある。もちろん、予算で決めたり、デザインで決めたりするのもいいですが、せっかくなら「よりフィットする」モデルを履きたいのが人情。そうした時、最初のきっかけとしてはいい試みではないでしょうか。

誰でも気軽に計測できる

そしてもう一つの目玉が、誤差1.25ミリメートルの深度カメラで利用者の足のサイズを計測する「フットスキャン」です。足の大きさって、大体のサイズは分かっていても、正確な数値までは把握していませんよね。

  • 「フットスキャン」を行うスペース

  • 床の目印の位置に立つことで計測できる

特にランニングのような、足とシューズの相性が大きく影響する運動だとなおさらサイズにフィットしたものを選ぶのは大切でしょう。それが瞬時に分かるのはありがたいのでは?

  • ほんの数分立つだけで計測完了

  • スタッフの方のデバイスに結果が表示される

昨今はネットで買い物を済ます人が多いし、筆者もそうです。となると、せっかく店舗に足を運ぶなら、何か「それなりの特別な理由」が必要ですよね。

この店舗では、それが最新技術を活用した体験として提供されるので、背中を押す要因となりえるのでは?

「シューズのモデルが増えたこと、そもそも自身の足のサイズを知らない、という方に計測結果を参考にして最適なモデルを選んでもらえれば」と同社の広報担当の方は説明されます。

もちろん、二つとも誰でもふらっとお店に来て参加できるそうです。

原宿界隈を全力疾走

最後に製品の情報も少しお伝えします。3月31日より、新しいモデル「Cloudmonster(クラウドモンスター)」(1万8,480円)が発売されました。

このシューズ、歴代モデル中で「最大」のCloudパーツを使用した「CloudTecソール」を搭載しています。つまりアウトソールの「凸凹」がスゲーある、ラーメン二郎でいえば「マシマシ」ということ(違。

  • 「Cloudmonster(クラウドモンスター)」(1万8,480円)

  • Cloudパーツの「凸凹」がマシマシ

試し履きしたところ、「凸凹具合」「つま先のロッカー形状」が従来モデルと比較すると新鮮でした。と、ここで予想外の展開が。同社が限られたユーザー向けに提供する「Monster chase(モンスターチェイス)」というプログラムに参加することに。なぜだ(笑)。

これは世界中のオンで実施しているコンテンツで、一言でいうと「鬼ごっこ」です。スマホのGPS機能を使い、街中にいる鬼をつかまえて写真を撮るという内容だそう。先ほどのクラウドモンスターの性能を体感するには絶好の機会ですが……。

  • 付与されたスマホで鬼を探す

  • 他の参加メンバーはガチで走れるラン上級者ばかり

どうせ形だけの遊びだろう、と高をくくっていたら本気の鬼ごっこで、大して走力のない筆者は息も絶え絶えの状態に。まさか平日の昼間、しかも繫華街を真面目に全力疾走するなんて、思ってもみなかったー。

それでも、なんとか鬼をキャッチして面目は保ちましたけどね!

  • 鬼役の方を見事にキャッチ!

原宿~渋谷~代々木公園と走り回りましたが、特につらかったのは代々木公園への緩い傾斜道。ただクラウドモンスターにサポートされてか、足が止まる時間はあまりなく、思ったより足の疲労も感じませんでした。

分厚いソールも、最初こそ「違和感」を持っていましたが、すぐに慣れて普段と変わらない感覚で走れましたね。


ということで、まったり店舗見学のはずがガチランニングという怒涛の展開でしたが、お店の雰囲気、製品の使用感などの紹介でした。

なお、この原稿を書いている今まさに筋肉痛が足を襲っています……。

●information
店舗:On Tokyo(オン トーキョー)
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目17番27号