この4月から、バイクの高速道路料金が期間限定で値下げします。値下げ料金で利用するにはいくつか条件があるものの、バイクで長距離移動する人にとっては、お得となるのです。ここでは、バイクの高速料金が値下げする期間や値下げ率、利用方法などについて解説します。

  • バイクの高速道路料金が期間限定で値下げへ、条件を解説

    バイクの高速道路料金が期間限定で値下げへ、条件を解説

二輪車を対象とした「定率割引プラン」とは

現在、バイクの高速料金は「軽自動車等」の料金区分です。これは、普通自動車の料金の8割にあたる金額となります。

しかし、バイクは軽自動車と比べても車体が小さく、占有スペースもさほど大きくありません。高速道路へ与える影響も少ないことから、「軽自動車と同じ料金では割高だ」として、多くのライダーから値下げが要望されていました。

こうした動きを受け、NEXCO3社(東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)と宮城県道路公社は、二輪車の高速道路料金を普通自動車の半額にする、「定率割引プラン」の実施を発表しました。

お得な料金で高速道路を利用できるチャンスですが、これには条件もあります。割引料金となる期間や利用方法など、詳細について以下にまとめましたので、確認してみましょう。

<二輪車の高速道路料金 定率割引プラン>

対象期間

割引プランが適用されるのは、、「2022年4月2日(土)~11月27日(日)」の8カ月間(北海道内は4月2日~10月30日の期間で実施)。この期間のうち、「土曜・日曜・祝日」のみ割引となります。なお、北海道は2022年4月2日(土)~10月30日(日)の期間に実施されます。

割引が土日・祝日に限定されたのは、以前実施されていた定額割引の「ツーリングプラン」において、平日の利用が少なかったことが影響しているようです。

平日は割引料金ではありませんが、土日祝を含み、利用日をまたぐ走行を行う場合は、割引適用となることがあります。たとえば、「高速道路に乗り入れた時点では日曜日で、日付の変わった月曜日に降りた」などのケースです。

なお、新型コロナウイルスの感染状況等によっては、申込受付が一時停止することもあります。利用前には、実施状況を確認しておきましょう。

対象となる車両

割引料金が適用される車両は、「ETCおよびETC2.0車載器を搭載した二輪車」が対象です。

ETCを搭載していないと割引料金となりませんので、注意してください。

割引料金が適用される路線

割引料金となるのは、NEXCO東日本、中日本、西日本と宮城県道路公社の各社が管轄する高速道路です。なお、以下の道路は、割引対象外となります。

第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、第二阪奈道路、第二神明道路、関門トンネル、沖縄道、東京湾アクアライン
※東京湾アクアラインは、二輪車定率割引は適用されないが、走行距離の判定には含まれる

  • 「対象道路」(中日本高速道路ドライバーズサイトより引用)

    「対象道路」(中日本高速道路ドライバーズサイトより引用)

適用条件

割引は、対象道路内の走行のうち、「各インターチェンジ相互間の1回の走行距離が100kmを超える走行」が対象となります。

1回の走行とは、原則として、入口から出口まで高速道路を流出せずに走行することです(本線料金所等を通過する場合を含む)。

ただし、特定のインターチェンジまたは料金所および新直轄区間等を経由して対象道路を乗り継ぐ場合は、1回の走行とみなし各対象道路の走行距離を合算します。

値下げ率

割引が適用されると、二輪車の高速料金は、現行料金(軽自動車区分)から37.5%引きとなります。普通自動車の料金と比べると、約半額となる計算です。

なお、利用するインターチェンジ間に複数の経路がある場合は、最も安価となる料金が適用されます。そのため、走行距離は、実走行距離ではなく、最短経路の距離で割引の判定が行われます。

また、休日割引、深夜割引、平日朝夕割引など、他のETC時間帯割引の適用要件を満たす場合は、割引後料金が最も安価となる割引が適用されます。

利用方法

割引料金で高速道路を利用するには、割引料金で高速道路を利用するには、まず、NEXCO中日本の「速旅(はやたび)」に会員登録します。利用日を指定し、事前申し込みを行いましょう。申込開始は、2022年3月28日(月)10時です。

一方で、首都高は料金値上げへ

バイクに対する割引料金が開始する一方、首都高の料金は、実質的な値上げとなります。

2021年3月12日、国土交通省は「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」を発表しました。この中では、2022年4月からの首都高料金について、実質的に値上げすることが言及されています。

たとえば、ETC搭載の普通車の場合、これまでは走行距離35.7㎞超の利用については上限料金が1,320円でしたが、2022年4月1日からは、走行距離55km超で上限料金は1,950円となります。距離の条件は引き上げられたものの、実質630円の値上げです。

同じくETC搭載で普通車以外の車種区分を見てみると、二輪車では走行距離35.7km超で上限金額1,090円だったものが、4月からは走行距離55km超で上限金額1,590円。実質500円の値上げとなります。

同じ条件で、中型車は1,410円から2,310円で900円、大型車は2,080円から3,110円で1,030円、特大車は2,650円から5,080円で2,430円の実質的な値上げです。

こうした首都高の料金値上げについて、「首都高ドライバーズサイト」には「都心部通過に際し周辺の路線よりも首都高速道路が割安な場合などがあり、依然として都市部に渋滞が発生している状況」とあり、値上げは、都市部を通過する交通を抑制するためと説明されています。

一方、新料金では、交通量の分散を目的に、「深夜割引」の導入が行われます。これにより、ETC搭載車に限り、深夜0~4時の時間帯で料金が20%の割引となります。

高速道路料金のさまざまな変更が行われる春。少しでもお得になる方法を見つけ、上手に高速道路を利用したいものです。

バイクの長距離移動はお得になるが、首都高は実質値上げに

この4月から、ETCを搭載するバイクの長距離移動がお得になります。一方で、首都高の料金は、実質的な値上げに。特に、現金払いはETCに比べて割高となります。まだETCを搭載していない場合は、これを機に購入を検討するとよいでしょう。

【参考】
NEXCO 中日本「ドライバーズサイト」