近年はタイムシフト視聴や、ネット配信の発達で時間や場所を問わないコンテンツ視聴が進んでいるが、その流れの中で新たにテレビ局を開局するというのは、どのような狙いがあるのか。

田道社長は「確かに録画視聴やインターネット動画に流れている側面もあると思うのですが、逆にリアルタイムじゃないと楽しめない仕組みとか、アプリを使った双方性の楽しみ方を私たちなりに研ぎ澄ませていけば、まだまだテレビは元気になるんじゃないかと思います」と強調。アプリでは、放送の同時配信・見逃し配信の機能も搭載させる(※一部番組は非対応)。

そして、「ジャパネットグループでは通販事業に並ぶ2つ目の柱としてスポーツ・地域創生事業を掲げています。事業を通して、スポーツが持つ力や地域の素晴らしさに気づきました。そんなときに、総務省がBS放送新規チャンネルを公募しているという話を聞きました。自社で放送局を持ち、スポーツや地域の魅力を伝えていくことで、より多くの方を幸せにできるのではないかと考え、24時間のテレビ局に手を挙げさせていただきました」と経緯を説明。

3月下旬には、ジャパネットホールディングスが運営するJ2リーグ、V・ファーレン長崎に密着したドキュメンタリー番組『全力で光れ V・ファーレン長崎 2021年の真実』を放送予定だ。

テレビが大好きで、新卒でジャパネットたかたに入社すると、テレビ制作を希望して配属され、ショッピング番組のカメラマンを2年間担当したという田道社長。それだけに、BSJapanextの開局時に社長として携わるのは「本当に楽しみです」と声を弾ませながら、「まだまだテレビの可能性を感じているので、自分たちの強みを生かし、視聴者の皆様にワクワクしてもらえるような世界を作っていきたいと思っています」と意欲を示した。

●田道祐樹
1987年生まれ、長崎県出身。09年ジャパネットたかたに新卒で入社し、テレビ制作企画部に配属。その後、バイヤーや販売戦略の担当を経て、18年に同社執行役員、22年2月1日付でBSJapanextを運営するジャパネットブロードキャスティング社長に就任した。