昨年9月に46年の歴史に幕を下ろしたクイズ番組『パネルクイズ アタック25』(ABCテレビ)が、新たなBSテレビ局・BSJapanextで『パネルクイズ アタック25NEXT』(毎週日曜13:00~)として、3月27日の開局日から復活する。1月にこの発表があると、クイズファンを中心に歓喜の声があがり、いかに多くの人から愛されてきた番組であるかが証明された。

BSJapanextを運営するのは、テレビ通販でおなじみのジャパネットグループであるジャパネットブロードキャスティング。同社の田道祐樹社長に、この復活にかける熱い思いを聞いた――。

  • 『パネルクイズ アタック25NEXT』で引き続き司会を務める谷原章介 写真提供:ABCテレビ

    『パネルクイズ アタック25NEXT』で引き続き司会を務める谷原章介 写真提供:ABCテレビ

■「なくなってしまうのはもったいない」

地上波時代の『パネルクイズ アタック25』で、約20年にわたり最終回までスポンサーだったジャパネット。番組終了は局としての判断だったため、「終わってしまうということが本当に残念だったのです。大好きな番組ですし、あんなに面白いコンテンツがなくなってしまうのはもったいないし、私たちの社内にもクイズ好きがいっぱいいるので(笑)、『BSJapanextで継続するのはいかがですか?』と交渉させていただきました」(田道社長、以下同)と打診したという。

この思わぬ申し出にABC側が歓迎し、両社は意気投合。調整を経て話が一気に進み、復活が決まった。

復活にあたって意識するのは、「当時のあの雰囲気をそのまま生かしていく」ということ。パネルの数やルール、解答者数、音楽、効果音や画面演出を引き継ぎ、司会の谷原章介はもちろん、制作スタッフ、クイズ作家も再集結。スタジオセットは大阪・ABCから東京・BSJapanextのスタジオに運搬した。

ここまで徹底してオリジナルへこだわるのは、「復活するという発表をさせていただいたときに、『あの感じでそのままやってほしい』という声が、たくさん入ってきたんです。やっぱりその想いは受け継がなければいけないと改めて思い、よりそのまま生かせる方法を考えました」と話し、「あの反響で本当に多くのファンがいらっしゃるコンテンツなんだというのを再認識して、自信とともに、ファンの方を絶対に裏切ってはいけないと気が引き締まりました」と強い決意になった。

  • BSJapanextのスタジオに運ばれた当時のセット

■放送枠倍増で出場者の人となりに焦点

放送時間帯も日曜13時台と変わらないが、30分番組から1時間番組に拡大するというのが、今回の大きな変化だ。放送枠が倍になるが、どのような番組構成をイメージしてるのか。

ジャパネット側で制作スタッフとして参加するアシスタントプロデューサーの塚本知里氏は「ABCさんに話を聞くと、30分枠だと面白かったのに尺の問題でカットした部分が結構多くあったそうなので、その部分を生かしていきたいというのが1つ。それと、出場者の方々それぞれのバックグラウンドなどにもっとフィーチャーしていきたいと思います」と構想を語る。

この出場者の人となりに焦点を当てる紹介パートを冒頭に配置した上で、クイズが始まるという流れ。田道社長は「いち視聴者として見ていて、たまにクイズのテンポについていけない時があったので、見てくださる方にとって良いリズム感が生み出せればいいなと思います。そして、なぜ応募してくれたのか、普段クイズに対してどう向き合っているのかなど、出場者の方にはドラマ性があると思うので、そこも含めてトータル1時間を構成したいなと考えています」と狙いを明かした。