NHKの桑子真帆アナウンサーが25日、東京・渋谷の同局で行われた報道情報番組『クローズアップ現代』(毎週月~水曜19:30~)の取材会に出席した。
1993年にスタートした『クローズアップ現代』が、4月4日よりリニューアル。『クローズアップ現代+』から放送開始当時の番組タイトル『クローズアップ現代』に戻し、放送時間も22時から19時30分へ変更する。
新キャスターに就任する桑子アナは「まさか自分がこの番組の看板を背負うことになるとは、という思いがまだ拭えません。しばらくこの思いは消えないんだろうなと思っていますが、4月4日は来ますので、しっかり気を引き締めてやっていきたいなと、思いを新たにしているところです」と心境を語る。
桑子アナにとって、『クローズアップ現代』はアナウンサーを目指すきっかけになった番組だという。
「小学4・5年生くらいだったと思いますが、うちの家庭では毎日のように『クローズアップ現代』を見ていて、国谷さんにものすごく衝撃を受けたんです。自分もこんな素敵な女性になりたいなって。そこからずっと国谷さんという人間像が自分の頭の中に常にありました」と初代キャスターの国谷裕子さんへの憧れを明かし、その魅力について「毎回ゲストをお呼びして、その方としっかり真正面から向き合って、体だけではなく心から向き合っているのが見える。その姿勢ってすごく人として大切なことだなということに気づいて、自分も物や人と向き合うときはしっかり心の中から向き合える人間になろうと思わせてくれました」と語った。
憧れの国谷さんが担当していた番組を任され、「重みがありますね。自分が憧れていた方が担当していた番組を自分が担当する…まさかという思いです」と気を引き締める桑子アナ。「逆にチャンスでもあるかなと。同じポジションになることで少しでも近づけるというとおこがましいですが、自分も理想的な人間になる場を与えてもらったのかなという思いです。とても背筋が伸びる思いで、緊張しています」と話した。
憧れの女性ではあるが、「国谷さんになろうということは思っていないですし、それは違うと思います」ときっぱり。「私は桑子真帆という人間なので、自分なりの視点を持って自分なりのアプローチの仕方で番組を作っていきたいと思っています」と言い、自分らしさを聞かれると「ニュース番組をさまざま担当してきた中でずっと一貫していたのが、わからないものはわからないと言うこと。そんなものも知らないの? という反応をされますが、私がわからないということは、もう1人くらいはわからない人がいるはずだと。わからないことを大切にして、みんなにわかってもらえるような放送を作っていきたいという思いがあったので、そこは貫いていきたいです」と説明した。
また、19時30分からという時間帯について「ある家庭ではまだ夕食の支度をしている、ある家庭ではご飯を食べ終わって少し一段落している、さまざまな動と静が入り混じった時間帯だと思う。そんな時間に届ける番組として、あらゆるジャンルのテーマを取り上げたい」と捉え、「情報があふれる中で、自分の趣向に合った番組・情報しか入ってこないような時代にもなっていると思います。そんなときに『クローズアップ現代』という番組で、さまざまな多角的な視点をお届けして、いろんな気づきのある番組を作っていきたい」と力を込めた。
現在は朝の報道情報番組『おはよう日本』を担当しており、NHKの朝の顔からから夜の顔へ。生活リズムの変化への不安は「全くございません!」とのことで、「『おはよう日本』の勤務は、一般の方の生活リズムと全く違う生活だったので、そこに合わせるのが大変でした。これからは普通の生活に戻るという意識があるので、体は少し楽になるのでしょうか」とにっこり。「あと1週間あるのでまずは早起きを頑張ろうと思います」と話した。
(C)NHK