郵便局が実施している配達サービスのひとつ「簡易書留」。仕事に必要な書類や履歴書など重要書類を送付するときに便利ですが、封筒の書き方は普通郵便と何か違いがあるのでしょうか?

本記事では簡易書留について、封筒の宛名と差出人の書き方を縦書き・横書きの両方から解説。あわせて簡易書留を送付する前に確認しておきたい注意点もまとめました。

封筒の書き方がわからず困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 「簡易書留」とは

    簡易書留で送る封筒の書き方をくわしく解説します

「簡易書留」とは

「簡易書留」とは「書留」の一種で、郵便物に補償制度を設けた郵便サービスのこと。郵便物を引き受けたときと配達されたタイミングを記録し、破損や未配達が生じた際に一定額を賠償してもらえます。賠償額は原則5万円まで。大事な書類などを郵送したいときに利用されることが多いです。

書留のメリット

書留には郵便追跡システムがあり、配達状況をオンラインで確認できます。配達は平日のみならず、土日祝日にも対応。急いで配達してもらいたい郵便物があるときに便利です。 昼間に配達できなかった郵便物は、17時までに連絡すれば当日21時までの再配達が可能。希望日と時間帯を伝えて後日再配達してもらうこともできます。

追加料金が必要

簡易書留の利用には追加料金が発生します。料金は手紙やはがきなどの郵便物・ゆうメールともに基本料金プラス320円です。利用者が法人であれば割引料金で簡易書留を利用できるケースがあります。

一般書留や現金書留との違い

書留は簡易書留のほか、一般書留と現金書留があります。簡易書留と一般書留・現金書留の違いは、主に記録内容と価格の2点です。

簡易書留で記録されるのは郵便物の引き受けと配達のタイミングだけ。一方で一般書留は引き受けから配達まで一連の流れが記録されます。

利用料金として基本料金に追加される額は簡易書留が320円で、一般書留と現金書留はともに435円。補償額は一般書留が10万円まで、現金書留が1万円までです。さらに一般書留では500万円を上限とし、5万円ごとに21円追加。現金書留では上限が50万円で、5,000円ごとに10円追加されます。

速達にも対応

簡易書留を含む書留サービスは速達と併用できます。提出期限まで時間がないときに便利です。

  • 「簡易書留」とは

    目的に合った書留を選択しましょう

簡易書留の封筒、サイズは?

簡易書留で郵送する際、気になるのが封筒のサイズ。対応不可となる封筒の大きさはあるのでしょうか。

サイズに決まりはない

簡易書留で郵送できる封筒のサイズですが、特に決まりはありません。定形郵便も定形外郵便でも簡易書留で郵送できます。

  • 簡易書留の封筒、サイズは?

    書類のサイズに合わせた封筒を選ぶことが大切です

簡易書留の封筒、表裏の書き方

封筒の書き方は通常の郵送でも簡易書留を利用した郵送でも違いはありません。封筒の表面に宛名を、裏面に差出人の氏名などを書きます。

表面の書き方

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方1

表面は大きな文字で書くのが基本です。封筒の右上に郵便番号を書いたら、その下に住所を書き入れます。一行で書ききれないときはビル名などで改行してバランスよく書いてください。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方2

会社名や氏名は封筒の中心付近に、正式名称で書き入れます。はじめに会社名や氏名を書くと、住所や部署名が長い場合も全体的にバランスのとれた書き方ができますよ。会社宛てなら会社名の下に「御中」、個人宛ての封筒は氏名の下に「様」と書いてください。ひとつの封筒に「御中」と「様」を併用してはいけません。

裏面の書き方

裏面に記入する差出人の住所などは、封筒の左側もしくは中央が一般的。A4サイズなど封筒が大きいときは左側、封筒が小さければ中央に書き入れるとバランスのとれた裏書きになります。文字の大きさは表側よりも小さくするのが適切です。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方3

封筒の左側に書き入れる際は、郵便番号が中心から右側にはみ出ないように書きます。下に差出人の住所と氏名または会社名を書き入れてください。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方4

封筒の中央に書き入れる場合は、封筒の中心から右側に郵便番号と住所を書きます。左側には氏名または会社名を書き入れましょう。

切手の貼り方

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方5

切手を貼る位置は表面の左上、郵便番号の左側に貼ります。普通郵便で封筒を送るときと同じです。切手代に不安を感じるようなら郵便局の窓口で貼ってもらいましょう。

速達は赤い線を忘れずに

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方6

簡易書留の封筒を速達で送りたいのであれば、封筒の表面に赤いペンで線を引く必要があります。赤い線を引く場所は封筒の右上、郵便番号の真上あたりが適切です。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方7

横長封筒は右下、郵便番号の右あたりに半分ほど線を引きましょう。より丁寧に速達郵便だとわかるように書くなら、赤い線の近くに同じく赤いペンで「速達」と記入してください。定規で綺麗に四角く囲めば完了です。速達の文字と囲みを簡単に押印できるスタンプで代用してもいいでしょう。

横書きの場合

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方8

封筒に横書きで宛名を記入する際の書き方について、縦書きと大きな違いはありません。ただし切手を貼る位置は間違いやすいので要注意。横長の封筒を使った場合は切手を右上に貼るのが適切です。「封筒を縦長に置いたとき、左上にくる位置」と覚えるといいですが、心配なら切手を貼らずに郵便局へ持参しましょう。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    簡易書留の封筒、表裏の書き方9

封筒に横書きで差出人を書くケースでは、郵便番号と住所、氏名を封筒の中央あたりに書いてください。横幅1/3程度の長さにするのがコツです。

  • 簡易書留の封筒、表裏の書き方

    文字の大きさや配置に気をつけましょう

簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

簡易書留で郵送する封筒といえば、大学や専門学校の受検前に送る入学願書もそのひとつ。大事な書類が大学に届いたことを把握できることから、受験生にとっては一般的な送り方とされています。

通常は学校指定の封筒を使用しますが、大学や専門学校によっては自分で封筒を用意することも。本記事では学校指定の封筒がないケースの書き方をまとめました。

学校宛ての表面の書き方

  • 簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

    簡易書留の封筒、大学宛ての書き方1

学校宛ての封筒の表面は、基本的に一般的な封筒の書き方と同じです。郵便番号の下に住所を、封筒の中心に大学名などを正式名称で記入します。宛先が大学名で終わるときは大学名の下に、入試課などと記入するなら最後に「御中」と書きましょう。

大学指定の封筒で宛先の最後に「入試課行」などと印刷されていたら、「行」の上から二重線を書き、横に「御中」と書き入れます。速達を希望する際は封筒に赤い線を引いてください。

学校宛ての裏面の書き方

  • 簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

    簡易書留の封筒、大学宛ての書き方2

学校宛ての封筒の裏面も、通常の簡易書留で送る封筒と同じ書き方でOKです。送り主の郵便番号と住所、氏名を書いてください。書き入れる場所は封筒の左側または中央が適切です。

横書きの場合

  • 簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

    簡易書留の封筒、大学宛ての書き方3

学校宛ての横書き封筒も、表面と裏面の書き方は一般的な横書き封筒と変わりません。

  • 簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

    簡易書留の封筒、大学宛ての書き方4

表面はやや大きな文字で、裏面は小さめの文字で書きましょう。

  • 簡易書留の封筒、大学宛ての書き方

    大学指定の封筒の有無と郵送方法は必ず確認しましょう

簡易書留の注意点

簡易書留は所定の手続きをすることで利用できます。

封筒は郵便局の窓口へ

簡易書留を利用して封筒を送るには、郵便局の窓口へ持参する必要があります。封筒をポストへ投函しても簡易書留は利用できません。

簡易書留であることを伝える

郵便局の窓口では封筒を差し出すとともに、簡易書留で送りたい旨を伝えましょう。封筒に簡易書留と押印してもらえます。

速達は追加料金が発生

簡易書留に速達を追加すると、基本料金とともに重量に応じた料金の支払いが必要になります。料金は250gまでの封筒なら+260円、1kgまでは+350円、4kgまでであれば+600円です。

  • 簡易書留の注意点

    通常の郵送手続きと異なることを覚えておいてください

簡易書留は封筒の書き方を覚えれば簡単

簡易書留は基本料金に一定額を追加することで利用できる郵便サービスのこと。配達過程を記録し、破損や紛失があれば最大5万円まで賠償してくれます。

封筒は書類が入る程度の大きさを満たしていれば、A4サイズなど特に決まりはありません。封筒の表面には宛名、裏面には差出人の住所と氏名を記載してください。「御中」や「様」などの敬称、速達を示す印も正しく書くよう意識しましょう。

簡易書留はポストへの投函ではなく、必ず郵便局の窓口に提出してください。簡易書留の封筒だと担当者に伝えれば対応してもらえます。