日本コカ・コーラは、4月4日より「綾鷹カフェ」シリーズ第2弾として「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」を発売する。また発売の発表にあわせ、同社のお茶カテゴリーと「綾鷹」ブランドに関する戦略を発表した。

日本コカ・コーラ、お茶カテゴリーの戦略は?

日本コカ・コーラ マーケティング本部 コーヒー・ティー・スポーツ&ウォーターカテゴリー 事業本部長 小林香予氏から、2021年の振り返りと、20222年に同社が手掛けるお茶カテゴリーの戦略について発表された。

「2021年は引き続きコロナの影響を受ける年になりましたが、日本コカ・コーラのお茶のビジネスとしてはしっかりと手ごたえを感じられる一年となりました」と小林氏。

清涼飲料市場のなかでも大きなボリュームを占めるお茶市場は、長引くコロナ禍の影響や夏場の長雨の影響を受け、2020年に続き2021年もお茶カテゴリーのトータルでは一定の冷え込みがあったという。特に在宅勤務による家庭内消費は増えるものの、外出やレジャーの機会が減ったことで家庭外および即時消費は減少傾向に。しかし同社はチャネルごとに適切なアクションを摂ることで、ほぼすべての主要チャネルでプラスの成長を達成することができたと振り返る。

  • 日本コカ・コーラ マーケティング本部 コーヒー・ティー・スポーツ&ウォーターカテゴリー 事業本部長 小林香予氏

その理由として「新製品のヒット」と「既存製品の回復」を要因に挙げる。新製品のヒットは大きくふたつ。ひとつは2021年3月から発売した「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」で、若い世代を中心に支持されシリーズ発売から1年で累計出荷本数1.4億本を突破している。もうひとつは2021年4月に導入した「やかんの麦茶」だ。こちらは2022年月時点で累計出荷本本数3億本、過去10年間に発売された同社商品では最速だという。既存製品では、「綾鷹」はライトユーザーへの訴求に力を入れて拡大、「からだすこやか茶」「紅茶花伝」も認知の再拡大とともに売り上げは回復基調にあると報告した。

ウィズコロナの生活様式は今後も継続するが、お茶カテゴリー全体の需要はまだまだニーズがあると見込む。同社ではユーザーのニーズを把握し、それに応える製品を提案する事で、市場拡大への貢献、また昨年に引き続き多彩なポートフォリオによりお茶市場でもリーディングカンパニーを狙っていくという。緑茶の「綾鷹」ブランドは緑茶内での確固たる地位向上を、止渇ニーズはロングセラー「爽健美茶」に加え「やかんの麦茶」を育てて選択肢の幅を広げること、「紅茶花伝」は質の高い紅茶ブランドとして、「からだすこやか茶W」「からだおだやか茶W」の機能性茶は幅広い方の健康ニーズを包括的に捉えるプラットフォームとして確立していく。

「移り変わる人のニーズにバリエーション豊かな選択肢を提案することで、お茶カテゴリーの圧倒的なリーディングカンパニーを目指します」と小林氏は締めくくった。

2年目の「綾鷹カフェ」新商品を発表

続いて、同社緑茶事業部 部長 助川公太氏より2022年の「綾鷹」ブランド戦略について解説が行われた。

2022年に15周年を迎える「綾鷹」は、昨年同様"前進"と"革新"をテーマに掲げる。"前進"では15周年を機にさらに愛されるブランドへアップグレードすること、また"革新"では1周年を迎える「綾鷹カフェ」で、カフェラテ、紅茶ラテに次ぐ第三極を確立するために新たな価値を提案していくという。

  • 日本コカ・コーラ 緑茶事業部 部長 助川公太氏

「綾鷹」は今回のアップグレードで「急須でいれたお茶の価値の再定義」を行い、新コンセプトとして「急須でいれるように、ゆっくり、ていねいに、茶葉をひらくことで、緑茶本来の香り立つ旨みが楽しめる緑茶」を掲げる。同社の調査で「急須でいれたお茶は"香りが良く、旨みがあるもの"」と認識されていることがわかっているが、一方でこのイメージは一般的な要素であり、他のブランドでも注力している。「綾鷹」独自の表現を模索するなかで、同ブランドの監修者である15代 上林春松氏の「急須の中で茶葉をひらかせることで、緑茶本来の旨味を引き出す」という言葉をヒントに新たなコンセプトを立てたという。

新たなコンセプトに合わせてパッケージデザインも刷新。これまでライトユーザーから敷居が高い、手に取りにくいという意見もあったため、王道感や本格感そのままに新コンセプトを体現した軽やかなデザインとした。茶葉のグラフィックは、香り、旨み、甘み、渋みがバランスよく引き出される様を表現しているという。このデザインは「綾鷹」の各ラインナップにも踏襲して展開を行う。

  • 「綾鷹」はパッケージも刷新する

また、発売から1周年を迎える「綾鷹カフェ」は、販売直後に出荷停止になるほどの人気ぶりを見せたのちも、順調に出荷本数を伸ばしている。その成功の要因を助川氏は3つ挙げる。「ひとつめは『綾鷹』の定番性と期待感で手を伸ばしてくれたことと、また『綾鷹』なのに砂糖やミルクが入っているという『意外性』の相乗効果で爆発的なトライアルがうまれたことです。ふたつめは、トライして飲んだものが期待以上に美味しいと感じてもらえたこと、そして完成された飲料として飲むだけでなく、スイーツの素材として活用するなど直飲み以外での楽しみ方を提案できたことです」。

  • 「綾鷹カフェ」はスイーツのアレンジ素材としても活用されるなど、利用の幅が広がっているという

昨年ヒットした「綾鷹カフェ」だが、カフェでの和素材メニューの定番化、コロナ禍でのカフェ控えとプチ贅沢といったこのトレンドは今後も継続すると同社は予測する。この背景を受け、今回新商品として「綾鷹カフェ ほうじ茶ラテ」の展開を4月4日より始める。カフェでも人気のほうじ茶ラテを「綾鷹カフェ」のクオリティで提供する同商品、他社からもほうじ茶ラテが出るなか「いよいよ本命のほうじ茶ラテが来たとご期待ください」と自信を見せる。

同商品は前作「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」の開発で培った技術や知見を活かしているという。厳選国産ほうじ茶100%を使い、コカ・コーラ独自の製法でほうじ茶量を贅沢に増やしたこだわりの味わいに仕上げていること、また上林春松本店と猿田彦珈琲お茶としての美味しさとカフェメニューの美味しさも両立している。

  • 新商品「綾鷹カフェ ほうじ茶ラテ」

マーケティングについても、テレビCMのほか、店頭では「綾鷹カフェ」シリーズとして「抹茶ラテ」と合わせた展開も行う。またSNSを中心に、スイーツの素材とするアレンジレシピの訴求を行い、話題性を獲得していくという。