■「柔軟性を持っていたい」

数々の苦難に直面しながら、今もなお変わらぬ王氏の野球愛。そうした王氏にとっての野球のように、不変的な愛を注ぐものがあるかを聞くと、上戸は「王さんみたいに『信念を持って』ということですよね……」としばし考え込んだのち、「ないです(笑)」とおどけるように答え、そう思う理由を説明した。

「この映像を見てしまうと、ここまでブレずに一生をかけて貫き通すものって、親としての責任感くらいしか浮かばないですね。子どもに対する愛情には責任が伴いますし、親という立場は1日も投げ出すことができないので」

「でも、自分のことに関しては、柔軟性を持っていたいタイプなんです。あまりにも何かに執着してしまうと、それを失った時の喪失感の大きさを考えてしまうので、その時々に気持ちを傾けるものに変化がないと、自分の気持ちがもたない気がしていて」

芸能界とプロ野球界。どちらにも共通して言えるのが、移ろい行く需要と調和が取れて初めて、その世界に身を置けるということ。上戸は王氏や現役選手と自身を重ね合わせながら、こう続けた。

「王さんは学生時代に好きで始めた野球が職業になって、変わらず信念を持ち続けているわけですが、私が自分の仕事に置き換えて考えた時、正直そこまで胸を張って言えるものはないかもしれません。年齢とともにオファーをいただくお仕事も変わって、そのオファーを受ける自分の気持ちも変わってくるので、柔軟性を持ちながら一つ一つのお仕事に対して真摯に向き合いながら取り組んでいきたいと思っています」

■王氏の人柄に触れて「温かい気持ちに」

最後に、上戸が思う番組の見どころを教えてもらった。

「コロナの影響もあり、人との関わりというものから遠のいてしまっている昨今ではありますが、今回ナレーションを担当させていただき、王さんのお人柄に触れられた気がして、すごく温かい気持ちになりました」

「王さんの野球人生がテーマの番組ではあるのですが、ここまで真っ直ぐに向き合える何かに出会いたいなと思ったり、昔持っていたピュアな気持ちを思い出させてもらえたり、野球以外のことにも通ずる内容なのかなと。もちろん野球をされている方はずっとワクワクが止まらない時間になると思います」

(C)TVQ九州放送

■プロフィール
上戸彩
1985年生まれ、東京都出身。1997年「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、2001年にドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で注目を集める。『絶対零度~未解決事件特命捜査~』『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(ともにフジテレビ系)、『半沢直樹』(TBS系)をはじめとするドラマ、『あずみ』(03)、『テルマエ・ロマエ』(12)、『武士の献立』(13)などの映画や多くのCMに出演し、幅広く活躍している。