独立開業がしやすいと言われる「フランチャイズ」。しかし、フランチャイズだからといって必ず成功するとは限らず、失敗してしまうこともあります。

では、フランチャイズで成功して儲かるには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。フランチャイズのメリットやデメリット、おすすめの業種とともに、フランチャイズで失敗しないための対策について解説します。

■フランチャイズのメリット、デメリット

はじめに、フランチャイズの主なメリット、デメリットをご紹介しましょう。

<メリット>

フランチャイズのメリットの1つめは、「起業のしやすさ」が挙げられます。

加盟店(フランチャイジー)は、開業時やその後の店舗運営において、本部(フランチャイザー)から経営に関する指導が受けられます。そのため、事業の知識や経験に乏しい人でも、開業までスピーディーに進めることができるのです。

また、開業にあたり、物件取得などの費用を本部が負担してくれるケースもあります。個人で一から起業する場合と比べ、初期投資が抑えられる点もフランチャイズの魅力でしょう。

2つめは、「本部の持つブランド力を活用できる」という点です。フランチャイズ本部にブランド力や知名度があることで、はじめから集客に困ることがないのは大きなメリットとなります。

3つめのメリットは、「運営に専念できる」ことでしょう。商品開発、仕入れの確保などの業務は本部に任せられるため、加盟店オーナーは、店舗の運営を成功させることに集中できるのです。

<デメリット>

一方のデメリットは、まず、毎月売上の一部からロイヤリティの支払いがあることです。想定した売上が出ない時にもロイヤリティが発生してしまう点は、デメリットでしょう。

2つめは、自分の店舗には落ち度がなくても、外部要因で売上に影響が出るケースもある点です。たとえば、店舗の近くにライバル店が出店した、また、本部や他の加盟店において不祥事があり、フランチャイズのブランドが傷ついた、などが考えられます。

3つめは、マニュアル通りの運営が求められる点です。フランチャイズビジネスは、契約で決められた一定のルールに基づいて運営しなければなりません。「自分の思い通りに経営したい」という人には向かないビジネス形態でしょう。

4つめは、契約終了後の一定期間、同業種や類似の業種で出店できないケースがあることです。これには、本部のノウハウが流出することを防ぐ目的があります。

フランチャイズへの加盟を考えるなら、メリットだけでなく、こうしたデメリットもあることを必ず頭に入れておきましょう。

■フランチャイズで失敗しないための3つの対策

次に、フランチャイズで失敗しないため、特に重要となる3つのポイントを解説します。

1.経営者として責任感を持つ

1つめは、たとえフランチャイズに加盟して加盟店になったとしても、「経営者としての責任感を持つ」ということです。

フランチャイズは、本部の持つ経営ノウハウやブランド力を活用して運営できる点が、何よりの強みでしょう。ただし、店舗が成功して儲かるかどうかは、最終的には経営者の努力次第です。

本部と加盟店は、フランチャイズ契約で結ばれた対等な関係、ビジネスパートナーです。加盟店は本部に雇用されているわけではなく、本部と加盟店は別々の事業者となります。

本部に何もかも頼るのではなく、「本部のサポートを最大限活かしつつ、自分の力で経営を成功させよう」という気持ちがなければ、フランチャイズで儲けることは難しいでしょう。

2.フランチャイズの業種についてよく調べる

フランチャイズは、起業しやすいという特徴がありますが、フランチャイズだからといってどんなものでも簡単に飛びつくことは危険です。

フランチャイズで儲けるには、「どのような業種を選ぶか」も重要なポイントだからです。業種によっては競合他社が多く、価格競争が生じていることも。その場合、参入したとしても売上が伸びず、廃業のリスクもあります。

一方、今の時代に合っていてニーズの多い業種や、利益率の高い業種は要チェックです。その他、市場規模や将来性などもあわせて、フランチャイズ展開しているさまざまな業種を調べましょう。

3.フランチャイザーの情報も集めておく

加盟する業種のみならず、フランチャイザーの情報もしっかり収集しておきましょう。特に、提示されている収益の見込みが、現実的なものであるかどうかは必ず確認したいポイントです。

また、ロイヤリティを支払うことで、本部からどのようなサポートが受けられるのかも把握しておく必要があります。「ロイヤリティは安いほどいい」と考えがちですが、ロイヤリティが安い場合、充分なサポートが受けられないケースもあるからです。

こうしたフランチャイザーの情報を集めるには、公式サイトを参考にするほか、事業説明会に足を運んでみましょう。フランチャイザーの詳細な情報が得られますし、先輩オーナーの話を聞き、直接質問することもできます。

■フランチャイズでおすすめの業種

先述の通り、フランチャイズで失敗しないためには、時代に合った「儲かる業種」を選択することも重要です。最後に、フランチャイズでおすすめの4つの業種をご紹介しましょう。

<ハウスクリーニング>

昨今、特に注目されているのがハウスクリーニングです。共働き世帯の増加にともない、掃除にかける時間や労力を節約するため、ハウスクリーニングを利用する家庭が増えているためです。

「掃除をプロに頼む」という認識が広まったこと、また、掃除のニーズはなくならないことから、今後も安定的に需要の見込める業種と言えるでしょう。

<コインランドリー>

業務負担が少ないことから、副業として始める人も多いのがコインランドリーです。初期投資は多くなりますが、開業後のランニングコストは低く抑えられるメリットがあります。

ハウスクリーニング同様、ライフスタイルの変化から、コインランドリーの需要は増えています。景気にも左右されにくいため、手堅く収入が得られる業種の1つと言えるでしょう。

<携帯電話ビジネス>

今や1人1台を持つ時代になっている携帯電話。その携帯電話に関するビジネスも、おすすめの業種です。

携帯電話に関するサービス内容は日々増え続け変化するため、常に覚えるべきことはありますが、マニュアルがあるため正解に困ることはありません。

また、携帯電話にはモデルチェンジがあるため、今後も安定した買い替え需要を見込むことができるでしょう。

<買取・リサイクルショップ>

リサイクルやリユースに対する意識が高まっている昨今、買取・リサイクルショップは今後も需要の増加が見込めるでしょう。また、小さなスペースで1人からでもビジネスを開始できるので初期費用も抑えられます。

■参入するフランチャイズはよく見極めよう

フランチャイズで儲けるためには、経営者としての自覚を持つことはもちろん、フランチャイズをよく調べ見極めることが肝心です。特に、今の時代にマッチし、今後も需要の見込める業種を選ぶといいでしょう。