「にほんものストア」では3月15日より、新サービス「農家さんのサブスク 米」をスタートさせた。米マスターが厳選した日本各地で穫れたお米が毎月1回、自宅まで届くサブスクリプションサービスになっている。同日、メディア向けに説明会が開催された。

  • にほんものストアで『農家さんのサブスク 米』がスタートする

    にほんものストアで「農家さんのサブスク 米」がスタートする

サービスの狙い

にほんものストアは、「にほん」の「ほんもの」が見つかるオンラインストア。中田英寿さんがクリエイティブディレクターを務めている。「農家さんのサブスク 米」では、五つ星お米マイスター、米・食味鑑定士であり、東京都調布市にある山田屋本店の6代目である秋沢毬衣さんが毎月お米を厳選し、テーマに沿った2種類のお米を家庭に届ける。価格は各1kg×2種類が毎月2,640円(税込・送料込)から。

  • にほんものストアで『農家さんのサブスク 米』がスタートする

    にほんものストアの公式サイトより。各1kg×2種類、各2kg×2種類、各3kg×2種類から選べる

お米のサブスクを始めたきっかけについて、秋沢さんは「消費者のお米の買い方が変わってきたのを感じたんです」と切り出し、次のように続けた。

「巣ごもりのなかで、家庭内でちょっと美味しい高級ブランド米を2合だけ、あるいは1kgだけ購入する、なんて人が増えました。今日の夕飯のおかずに合わせて少量だけ買う、そんなイメージです。また別の機会に中田英寿さんとお話をさせていただいたとき、『お客さんはいま、お米を選び切れていないんじゃないか』という話題になりました。昨今、色んな品種が出ています。いま日本国内で作られている主食用のお米の品種は、およそ300種類。私も店頭で『このお米はどういう味なのか』と、お客様にご提案する時間が増えていました。そこで毎月、様々な品種のお米を食べ比べられるサービスを企画したんです」

  • 米マスターを務める山田屋本店の6代目である秋沢毬衣さん

    (左)米マスターを務める山田屋本店の6代目である秋沢毬衣さん(右)司会の山田玲奈さん

「農家さんのサブスク 米」では、「朝ごはんにぴったりなお米」「炊き込みご飯にぴったりなお米」など、毎月、テーマを変えていく。「中田英寿さんと悩みながらテーマとお米を選定していきました。例えば、夏はガッツリ食べられるように、うな丼など、丼モノに合うお米の品種を選んでいます」と秋沢さん。

精米方法も、白米、7分搗き、5分搗き、玄米から選べるようにした。お米が余っている、なんてときはスキップも可能。もちろん途中解約にも対応する。利用者は2種類のお米×12か月分、つまり1年間で24種類のお米を食べ比べることができるサービスになった。

  • 精米方法も選択できる

    精米方法も選択できる

利用者には専用のリーフレットが配布される。オモテ面にはお米の特徴、品種の産地紹介が載っており、ウラ面には食べたときの感想を自由に記入できる趣向。秋沢さんは「自分好みのお米はどれだったか、食べた記憶を残してもらえたら」と説明する。

  • 専用リーフレット

    専用リーフレット

4月に届けるのは、カレーにぴったりなお米。ビーフカレーにあったもの、キーマカレーにあったものの2種類を予定している。

どのように炊けば良い?

このあと、秋沢さんがお米を炊くコツを披露した。用意したのは100gの白米。ポイントは研ぎすぎないこと、だという。まずは冷たい水を入れ、そして手早く捨てた。「最初のお水は、周りのホコリをとるくらい」と秋沢さん。そして水のない状態で20回くらい、優しくかき混ぜるように研いだ。

  • 水のない状態で20回ほど、優しく手早く研ぐ

    水のない状態で20回ほど、優しく手早く研ぐ

白く濁る研ぎ汁を捨てるため、水を入れて、手早く捨てる。再び水がない状態で2回目を研ぎ...、これを3回繰り返した。「実は白い研ぎ汁にうまみ成分が詰まっているので、濁りは残した状態で大丈夫です」と秋沢さん。なお夏場や、精米が古いものは酸化が進むため、ややしっかりめに研いだほうが良いとのことだった。

精米に対して、1.45倍の水量がベストな加減。例えばお米100gであれば、145gの水で炊くと良いという。そして夏は30分以上、冬は1時間以上、水に浸漬してから炊くのもポイント。さらに炊き終えたら、すぐに炊飯器の蓋を開けてほぐすこと。「現在の炊飯器には蒸らしの機能がついているので、炊き終えを知らせる電子音がピーっと鳴ったら、すぐに撹拌します。まず十字にしゃもじを入れたら、外側から内側に向けてほぐしていく。上下の水分を均一にして、余分な蒸気を逃がすのが目的です」

  • 十字にしゃもじを入れたのち、外側から内側にほぐしていく。しっかり計量、研ぎすぎず、水にしっかり漬けて、炊き上がったらすぐにほぐす、ポイントはこの4つ

    十字にしゃもじを入れたのち、外側から内側にほぐしていく。しっかり計量、研ぎすぎず、水にしっかり漬けて、炊き上がったらすぐにほぐす、ポイントはこの4つ

4月のお米2種類の特徴は?

最後に「農家さんのサブスク 米」が4月に提供する2種類のお米について紹介があった。「特別栽培米 高知県本山町産 土佐天空の郷 にこまる」は粒が大きく、弾けるような弾力があり、それでいてベチャつかない。具材のしっかりしたカレーにもマッチするという。一方、「岩手県産 銀河のしずく」は2018年より販売が始まった新しい品種。粒感がふんわり柔らかく、粘りはあっさり。噛めば噛むほどに甘さを感じ、キーマカレーのひき肉などとも相性が良いと説明する。

  • 「特別栽培米 高知県本山町産 土佐天空の郷 にこまる」

    「特別栽培米 高知県本山町産 土佐天空の郷 にこまる」

  • 「特別栽培米 高知県本山町産 土佐天空の郷 にこまる」
  • 「岩手県産 銀河のしずく」

    「岩手県産 銀河のしずく」

  • 「岩手県産 銀河のしずく」

このあと、にほんものストアで「黒毛和牛 牛すじカレー」などを販売しているオーナーシェフ 木下威征さんがゲスト登壇。2種類のお米を食べ比べた感想を聞かれると「にこまるは、お米の存在感、弾ける食感がある。芯がしっかりしているので、シャバシャバしているカレールーと絡ませるとちょうど良い。銀河のしずくは、お米がとてもふっくらしている。おかずを乗せて食べる和食にも合うと思う。カレーのタイプによって、2種類のお米を使い分けると面白いと思います」とコメントしていた。

  • 銀河のしずく+グリーンカレーで試食してみた

    筆者は、銀河のしずく+グリーンカレーで試食してみた。白米の優しい甘さがカレーを引き立てる。なるほど、丼モノや和食でも味わってみたくなった