日本漢字能力検定協会は3月2日、「企業における上司・部下間の文章のやり取りに関する意識調査」の結果を発表した。調査は1月11日~13日、30歳以上の主任・係長クラス以上の社員(上司)420名、および20代の一般社員(部下)415名を対象にインターネットで行われた。

  • 部下の作成した文章にストレスを感じたことがありますか?

    部下の作成した文章にストレスを感じたことがありますか?

日常的に部下に文章のアドバイスをしている上司に対し、「部下の作成した文章にストレスを感じたことがありますか?」と尋ねたところ、84.5%の上司が「ある」「ややある」と回答。

ストレスに感じる点としては、「読み手が必要とする情報が不足している」が最も多く65.1%。具体的には、「知っている人以外は何を言いたいか分からない説明文」「専門用語を多用し読み手への配慮が無い」「限られた時間で大事な部分にフォーカスを当てて会話しなければいけないのに、報告内容に優先度なく事実をダラダラと書いてあったときは怒りを禁じ得ませんでした」といった声が。

次いで、「適切な語彙・表現を選んでいない」(46.5%)、「文に無駄が多く長い」(38.9%)と続いた。

  • 自身が作成した文章に対する上司からのアドバイスにストレスを感じたことはありますか?

    自身が作成した文章に対する上司からのアドバイスにストレスを感じたことはありますか?

一方、日常的に上司から文章のアドバイスを受ける部下に対して、「自身が作成した文章に対する上司からのアドバイスにストレスを感じたことはありますか?」と尋ねたところ、53.0%の部下が「ある」「ややある」と回答。過半数ではあるものの上司(84.5%)に比べると約30%低い結果に。具体的には、「人によって指摘のポイントが異なる」(48.2%)、「何度も修正を指示される」(30.9%)、「良い文章の手本がない」(28.6%)が上位に。

部下の不満としては、「次長の指示で直した文章に、部長から内容変更の指示をされる。2度もやり直しさせないでほしい」「修正内容について納得ができない」「何度読み直しても日本語がおかしいけど、上司なので言い返せない」「先に言えよってことが多い」「事情をよく知らない上司からアドバイスを受けても、『書類を作った私たちの気持ちや意向も知らずに...』と腹立たしくなる」といった声が寄せられた。

  • ご自身の文章力に自信がありますか?

    ご自身の文章力に自信がありますか?

次に、上司に対して「ご自身の文章力に自信がありますか?」と尋ねたところ、61.9%の上司が「いいえ」と回答した。

そこで、「部下の文章力育成のために行っていることがありますか?」と聞いたところ、59.5%が「ある」と回答。具体的には、「OJT」(72.8%)が最も多く、次いで「階層別研修」(52.0%)となった。