動画広告は市場規模が年々増加しており、現在注目されているマーケティング手法でWeb広告の一つです。YouTubeやSNSをはじめ、さまざまなサイトで動画広告が流れています。 今回は動画広告の特徴や効果、利用するメリット・デメリット、具体的な種類などについて解説します。動画広告を上手に使い、自社商品・サービスの認知向上やコンバージョンにつなげていきましょう。

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動画広告の特徴や効果

動画広告とはその名のとおり、静止画ではなく動画を活用した広告です。スマホ・タブレットの普及により、動画広告の市場規模は年々拡大しており、注目度の高い広告・マーケティング手法の1つと言えます。

動画広告には、以下のような特徴や効果があります。

▼情報量が多い

画像・アニメ・音声といった要素が加わることにより、文字だけの広告に比べて一度に多くの情報を伝えることができます。短時間のコンテンツでも高い訴求効果が生まれるのは、動画広告ならではの強みです。

文字だけの場合はユーザーが自ら読む必要があり、途中で読まれなくなるケースもあります。動画はユーザーにとっても受動的でいられて楽なため、最後まで飽きさせず試聴してもらうことも可能です。

▼若年層のターゲティング・集客効果がある

YouTubeやSNSなどの動画に一番親しんでいるのは、Z世代を中心とした若年層です。SNSは動画広告との親和性も高く、気に入った動画を拡散する行動も見られます。

動画広告は若年層をターゲッティングするのに適しており、若年層の集客方法としても向いています。

動画広告を配信するサイト

動画広告を配信する場所として、代表的なプラットフォームは下記のとおりです。

・YouTube
・Twitter
・Instagram
・Facebook
・LINE
・TikTok
・Googleディスプレイ広告
・Yahoo!広告

上記のプラットフォームにはそれぞれ特徴があります。たとえばTwitterはリアルタイム性や拡散性の高さ、Facebookは実名制のため保有するユーザー情報の正確性の高さが特徴です。

動画広告を出稿する際は、配信する場所とマッチするかも考慮する必要があります。

動画広告を利用するメリット・デメリット

動画広告には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

▼メリット1. 画像と音声で理解しやすい

商品やサービスの内容を説明する際、文字だけだと分かりづらい場合があります。必要項目をすべてカバーしようとすると文章が長くなってしまい、途中離脱につながってしまうことも。

動画でイラストや音声などが加わることにより、ユーザーに効率的に理解してもらうことができます。コンテンツの単調さもなくなり、途中離脱の防止にも役立ちます。

▼メリット2. 拡散効果を狙うことも可能

SNSに掲載された動画広告は、ユーザーに好かれると次々と拡散されます。動画がバズると非常に大きな拡散効果が生まれることもあり、PV数・CV数の増加につながります。

▼デメリット コストがかかる

動画をリーズナブルに作成できるツールも増えてきていますが、広告として使えるレベルのものを作成するには、依然として高いコストがかかります。動画広告を利用する会社はどんどん増えていて競争も激化しており、求められるクオリティも高くなってきています。

動画広告の種類

動画広告を大きく分けると、インストリーム広告とアウトストリーム広告の2種類です。

▼インストリーム広告

動画サイトで、ユーザーが試聴する動画コンテンツと同じ画面で配信される広告のことです。YouTubeなどの動画を見ていて、合間に動画広告が流れたのを見た方も多いでしょう。

インストリーム広告は、流すタイミングによって以下3種類に分類されます。

・プレロール広告:映像本編の前に流れる動画広告
・ミッドロール広告:映像を再生している途中で流れる動画広告
・ポストロール広告:映像再生の終了後に流れる動画広告

プレロール広告は認知獲得、ミッドロール広告は広告の完全試聴、ポストロール広告はCV(コンバージョン)獲得といったように、異なる目的で使われます。

▼アウトストリーム広告

ユーザーが再生している動画とは違う、別の枠に表示される動画広告のことです。アウトストリーム広告は以下のような種類があります。

・インリード広告:コンテンツとコンテンツの間に表示される動画広告
・インバナー広告:バナー広告枠で流れる動画広告
・インターステイシャル広告:ページを遷移する間に流れる動画広告

アウトストリーム広告は配信できる場所の種類が多く、さまざまなユーザーにリーチできるのがメリットです。

動画広告を制作する方法

動画広告の作り方は、主に下記のステップのとおりです。

STEP 1.動画広告を制作する目的・達成すべき目標を設定する
STEP 2.ターゲット像・ペルソナを設定する
STEP 3.伝えたいメッセージを複数作成する
STEP 4.メッセージにマッチする素材を作成する
STEP 5.構成・脚本を用意して動画を作成する
STEP 6.媒体に合わせて動画サイズを複数作成する
STEP 7.配信結果を分析して改善する

動画広告も他の広告と最初は同じで、達成すべき目標、ペルソナ、伝えるメッセージを定めます。動画の構成・脚本を用意してから実際に録画をしていきます。

動画広告を配信した後はPV数、レスポンス数といった数値結果を分析します。動画の表現を修正する、ターゲットを変更するなど改善し、PDCAサイクルを回していきましょう。

また動画制作・運用のノウハウがあまりない企業向けに、サポートしてくれるサービスもあります。別途料金がかかりますので、予算も考慮しながら検討しましょう。

動画広告の成功事例

最後に、動画広告で良い成果を生み出した事例を2つ紹介します。

▼ダスキン ホームインステッド

ダスキンが展開する家族支援サービスで、認知症についての動画広告が話題となりました。それまでは主にB to Bのプロモーションがメインでしたが、一般利用者の認知度が低い状態でした。

そこで40代~60代の女性をターゲットとして、直接アプローチできるインターネット動画を制作。認知症の辛さ・家族の苦しみをアニメCMで分かりやすく伝えました。静止画では伝わらないが実写にするとリアル過ぎるため、アニメがちょうど良いという判断になったそうです。

前月比で問い合わせ件数が倍増し、問い合わせ内容の質も高いという結果につながりました。

▼リノベ不動産

リノベ不動産は、中古物件の購入からリノベーションまで一気通貫で手掛ける不動産会社です。マイホームを検討している顧客をターゲットとし、タイミング良くアプローチすることを目標に、動画広告の配信を決めました。

「中古住宅購入からリノベーションまで一括対応」「理想の住まいを実現」を訴求ポイントとし、購入後がイメージできるような映像を制作。配信後は月間の問い合わせ件数が85%増加し、問い合わせ獲得単価も50%削減の成果が出ました。


動画広告は、多くの情報量でも理解しやすく伝えられ、SNS拡散やコンバージョンを狙うことができます。

効果検証もしやすいため、目的や目標やターゲットを明確にしてより効果的な動画広告を目指すといいでしょう。