京都市交通局は、「令和4年度 交通事業予算概要」の中で、地下鉄の経営健全化に向けた取組みと安全対策等を推進する公表した。安全対策等の推進において、烏丸線の新型車両を2021年度に1編成、2022~2025年度に各年度2編成を導入するとしている。

  • 京都市営地下鉄烏丸線の新型車両20系。2025年度までに計9編成を導入する予定

経営健全化の取組みを推進するための経費削減策として、利用が減少している昼間時間帯や夜間時間帯のダイヤ見直しとそれ伴う乗務員数の適正化、駅有人改札業務の見直し(有人改札口のリモート化)、時間外勤務の縮減、職員の給与減額措置の継続実施などを挙げている。

収入増加・利用促進策としては、割引乗車券等の抜本的な見直し(ポイントサービスの導入)をはじめ、従来のICカード乗継割引や「PiTaPa」利用額割引制度などの廃止、小規模スペースを有効活用した駅ナカビジネス増収策の実施、新規媒体の導入等による広告料増収策の実施、観光客誘致に向けた取組みの推進、定期券購入者向けサブスクリプションの試行などを含めた定期券等の利用促進につながる取組みを実施するとのこと。

烏丸線の新型車両は2021年度に1編成を導入し、今春にも営業運転を開始する予定。その後、2022~2025年度は各年度2編成を導入する。新型車両に車内防犯カメラも設置する予定としており、2022年度は3編成、2023~2025年度は各年度2編成を対象に実施するとのこと。他にも安全対策として、北大路駅に可動式ホーム柵を設置し、2022年度の供用開始をめざすほか、駅出入口への止水板設置による浸水対策の強化、省エネ対策の実施、駅舎等照明のLED化推進も行うとしている。

  • 新型車両20系の車内。2021年度に導入する編成では、両先頭車に「おもいやりエリア」を設置している

新型コロナウイルス感染症対策にも取り組み、烏丸線の新型車両や地下鉄駅トイレへの抗ウイルス・抗菌加工の実施、地下鉄券売機・精算機への抗菌シートの設置、地下鉄駅構内の定期消毒の実施、地下鉄の駅と市バス・地下鉄案内所、定期券発売所へのアルコール消毒液の設置、職員感染防止対策用の抗原検査キットの購入、駅有人改札業務の見直し(有人改札口のリモート化)を行うとしている。