野村総合研究所は「生活者年末ネット調査」の結果を2月2日に発表した。調査は2021年12月11日〜12日、全国の15歳〜69歳の男女3,097人を対象にインターネットにて実施したもの。

  • 情報収集や調べ物をするときに、使用する情報源の変化

はじめに、情報収集や調べ物をする際に、使用する情報源について調査。「検索エンジン」は60代以外ではやや減少傾向が見られたが、「SNS」の使用は全年代で増加していることがわかった。

情報収集でSNSを利用している人たちのツールは、2016年時点でTwitterが68%と最も多く、2021年でも66%の使用率は維持されている。また、この5年でLINEやFacebookによる情報収集の割合は減少傾向にある一方で、Instagramの使用率は大きく伸びていた。

  • 情報収集や調べ物をするときに、使用するSNSツールの変化

Z世代(15歳〜25歳)に限定してみてみると、Twitter利用率は78%(Z世代以外:63%)。また、InstagramのZ世代の女性利用率は78%(Z世代以外:53%)と、特に高い数字となっている。

また、LINEはいずれの層も30%前後で世代や性別による差があまり見られなかった。一方、Z世代以外のFacebook利用率は24%であるのに対し、Z世代はわずか3%だった。

  • 情報収集や調べ物をするときに、使用するSNSツール(Z世代とZ世代以外比較)

続いて、情報収集にSNSを使いたい理由について尋ねてみた。最多回答の「最新の情報をいち早く入手したいから」(57%)に加え、「実際の利用者の生の声を直接知りたいから」(39%)は、2016年の調査でも回答率が高い傾向にあった。

2021年調査ではSNSを使いたい理由として、「話題のネタなど、面白い情報を見つけることができるから」(44%)、「災害、事件、電車遅延などの状況をリアルタイムで知りたいから」(40%)、「撮影された写真や動画が多く、感覚的に理解しやすいから」(34%)などの回答があがった。

  • 対応分析手法による、SNSツールと情報検索理由の相互関係を示すマッピング

次にSNS疲れの実態を調査してみると、全体で5割以上がSNS疲れの状態となっていることが判明。特にZ世代の女性においては、その割合が61%にものぼった。

Z世代女性におけるSNS疲れの理由として、最多は「友達やフォロワーの投稿を見て自分と見比べてしまう」(41%)、次いで「自分が投稿した内容に『いいね』や共感コメントが得られるか不安になる」(39%)、「自分がどのような投稿すれば良いかわからない」(37%)と続いた。

  • SNS疲れの理由

また、買い物や外食、レジャーなどのプライベートにおいて進んで一人で行動するかどうかを調査。すると、「SNS疲れがない」とした人は「進んで一人で行動することがある」との回答が69%。一方、「SNS疲れがある」とした人は84%となった。SNS疲れがある人ほど、一人で行動したい傾向にあったという。

その理由を調査すると、Z世代女性の最多回答は「スマートフォン利用によって一人でいつでもどこでも時間つぶしができるから」(44%)だった。スマートフォン活用が一人行動を促進しているようだとのこと。

次いで「他人とつながることにわずらわしさを感じるようになったから」(42%)となり、常に他者とつながることへの疲れも一人行動の理由としては大きいようだとのこと。

  • 進んで一人行動する理由

続いて、一人行動に抵抗感のない活動の中でも、世代差が少ないのは「蕎麦・牛丼などのチェーン店」「ファミリーレストラン」の利用や、「国内旅行」との回答だった。

Z世代男性では、「登山、キャンプなどのアウトドア系レジャー」「焼肉、食べ放題などのグループ利用が多い店」「居酒屋」「海外旅行」「ディズニーランドなどのテーマパーク」などが、他の層と比べて回答率が高い傾向にあった。

  • 一人行動に抵抗感が無い活動