JR東日本と日立製作所、トヨタ自動車の3社は、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した試験車両を連携して開発する。このほど試験車両FV-E991系が完成。機関車に牽引され、武蔵中原駅まで輸送された後、同駅から自走で車両基地へ向かった。

  • 新造の試験車両FV-E991系。EF65形2139号機に牽引され、武蔵中原駅まで輸送された

FV-E991系は総合車両製作所横浜事業所で製造され、2月5日に出場し、ディーゼル機関車の牽引で輸送されたと報じられている。1号車は「FV-E991-1」、2号車は「FV-E990-1」の2両編成で、車両デザインは「燃料電池の化学反応から生まれる水を、碧いしぶきと大地を潤すイメージでとらえ、スピード感と未来感を持たせた」とのこと。車体にFV-E991系の愛称名「HYBARI」(ひばり / HYdrogen-HYBrid Adavanced Rail vehicle for Innovation)のロゴも掲出されている。

2月6日、FV-E991系は電気機関車EF65形2139号機に牽引され、川崎市内の南武線を走り、武蔵中原駅まで輸送された。武蔵中原駅の4番線ホームに入線した後、EF65形が切り離される。EF65形は11時48分頃、武蔵新城方面へ去って行った。その数分後、FV-E991系が自走で武蔵新城寄りのホーム端へ移動。南武線(立川方面)の各駅停車2本、快速1本が発車した後、12時8分頃、FV-E991系がホームを離れ、自走で南武線の車両基地である鎌倉車両センター中原支所へ向かった。

試験車両FV-E991系を使った実証試験は2022年3月頃から開始する予定。試験区間は鶴見線と南武線支線の浜川崎~尻手間、南武線の尻手~武蔵中原間とされている。