世界遺産・日光東照宮をはじめとする寺社仏閣に、見事に施された彫刻の数々。彫刻刀だけで、よくこんなにも複雑な模様を彫り出すことができるなぁ、と見惚れてしまいますが……そんな日本人ならではの繊細な彫刻技術は今の時代にも健在。

実は今、木彫りで動物のオブジェを制作されているあるアーティストが、ツイッター上で脚光を浴びています。

キリンを作ります。
(@CopperAndHammerより引用)

制作者は、「みりん」というお名前で木彫りの動物を販売されている鑄さん(@CopperAndHammer)です。1本の四角柱のヒノキに、正面から見たキリンと、側面から見たキリンをデッサン。これをもとに彫っていくと……

どう彫り進めば角材からこんなに可愛らしいフォルムのキリンが現れるのか、全くもって分かりません……!

彫ったキリンに磨きをかけ、色を付けて完成したのがこちらです。

温かみのあるフォルムにこの表情、ステキですね。

このキリンの姿に、「ええー!!!かわいすぎ!!」「毎度お顔がかわいい」「キリンに鳩がっ! 新作の度に最高のセンスにやられる」「断然可愛いですネ」と国内からはもちろんのこと、「eu te amo muito」「I need him」「What a gentle face」「Amazing. I admire the way this is done!」「This is so cute」など、海外からも称賛の声が殺到。

また、鑄さんの木彫りの技術に興味津々の人も多く、「What kind of wood do you use?(何の木を使っているのでしょうか?)」「i wanna learn how to carve wood(木彫りを学びたいです)」「I recently aquired a woodcarving knife and now learn to carve things as you do.(最近、彫刻刀を買って、今、あなたのような彫り方を学んでいます)」といったコメントも。リプライ欄は、さまざまな外国語で埋め尽くされていました。

世界中から称賛の声が寄せられている今回の投稿。制作者の鑄さんにお話を伺いました。

―― 愛知県で木彫りの動物を作られているということですが、いつ頃から活動されているのでしょうか? また、動物を木彫りで作るようになったきっかけを教えていただけますでしょうか。

木彫りを作り始めたのは一昨年前の夏です。元々は金属で作品を作っていたのですが、手休めに近くにあった木切れを彫ったのがきっかけで、木彫りを作るようになりました。

―― 作品を作る際に、こだわっている点について教えてください。

ピンクのワンピースを着てオフホワイトの靴を履いた動物のシリーズを彫っています。同じ種類の同じ柄の動物はなるべく作らないようにしています。

―― 今回ツイートに多くの反響がありましたが、率直な感想を教えていただけますでしょうか。

私のツイートがきっかけで、木彫りを学びたいと言ってくれる人や、作った作品を見せてくれる人がいるのがとても嬉しいです。最初から魔法のようにできるようになるわけではなくて、理想通りに作れずに辛い思いをする時期もあると思うのでおすすめできないところもあるのですが、焦らずに楽しんでもらえたらいいなと思います。


木彫りの動物の制作過程については、YouTube「みりん mirin」でも公開されています。長引くおうち時間の中で挑戦してみるのもいいですし、鑄さんの「みりん工房」というサイトで購入することも可能です。興味のある方は、ぜひ、チェックしてみてくださいね。