俳優の神木隆之介が、2023年度前期に放送されるNHK連続テレビ小説第108作『らんまん』で主演を務めることが2日、発表された。

神木隆之介

本作は、春らんまんの明治の世を天真らんまんに駆け抜けた、日本の植物学の父・牧野富太郎がモデル。その喜びと発見に満ちた生命力あふれる人生を、美しい草花やみずみずしい里山の情景とともに描き、日本の朝に癒やしと感動のひとときを届ける。

なお、実在の人物である牧野富太郎をモデルとするが、激動の時代の渦中で、ただひたすらに愛する草花と向き合い続けた、ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。原作はない。主人公は、富太郎をモデルに描く槙野万太郎で、神木隆之介が演じる。

神木は「人生でこんなにうれしい事が起きるのかと驚きました。それと同時に長く深く誰かの人生を生きるという責任、とにかくひたすら一生懸命生きます。牧野富太郎さんの笑顔を見た時に、なんて素敵な優しい笑顔なんだ、こんなに純粋に屈託ない笑顔ができる牧野さんがすごく羨ましいな、と思うと同時に、優しさに包まれる気持ちになりました。僕も牧野さんみたいな素敵な笑顔が似合う人になれるように、また、観てくださる方が優しい気持ちに、そして、“笑顔”になっていただけるように精一杯頑張ります。よろしくお願いします」と意気込んでいる。

脚本を手掛ける長田育恵氏は、「題材を問われ、真っ先に浮かんだのが牧野富太郎の大きな笑顔でした。世界規模での感染症流行の渦中、この先に広がる世界を思い描いたとき、もう少し風通しがよく、もう少し優しい、ひとりひとりの多様性が尊重される価値観が求められていくのではないかと想像したからです。富太郎は、ただひとつ特別な才能に恵まれていました。それは『ひたすら植物を愛すること』。子どもの頃に抱いた『好き』という感情が生涯を決定付けた、それこそ植物が太陽に向かって成長していくような生命力溢れる男です。彼が愛を注ぐ植物の世界は、どんな逆境でも絶滅を免れるため千差万別の多様性があります。彼は、多様性の価値を認め、それぞれの特性を等しく尊び、一生愛し続ける才能に恵まれていたのです」とコメント。

「ですが時代のうねりの中、彼の生き方は簡単に理解を得られるものではありませんでした。そんな彼を支え、磨き抜いていったのが、鮮やかな出逢いの数々です。生涯で約1500種類以上の新種を発表し、約40万点以上の植物標本を残した富太郎。けれど、その足跡を見渡せば、富太郎という広場に集った人々こそが、花のように咲き誇っていることでしょう」と続け、「富太郎をモデルに描く主人公、槙野万太郎。ありのままの生を見つめる明るい眼差しと、植物が光に向かうような生命力、そしてひたむきに何かを愛する心が、観てくださる方の『今日』を彩ることを願っています」と語った。