女優の波瑠が主演を務めるテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『愛しい嘘~優しい闇~』(毎週金曜23:15~※一部地域除く)が現在放送中だ。“登場人物が全員嘘つき!?”という今作は「Palcy(パルシィ)」で連載されている愛本みずほ氏の漫画『愛しい噓 優しい闇』を実写化したもので、中学卒業から14年ぶりに開催された同窓会をきっかけに起こる同級生連続不審死事件を描いた本格ラブサスペンス。

今回は、波瑠演じる主人公の今井望緒を一途に思い続ける幼馴染み・深沢稜を演じる溝端淳平にドラマの見どころや、応援したくなるキャラクター・稜の役作り、そして14年ぶりの共演となる林遣都とのエピソードを聞いた。

  • 溝端淳平 撮影:泉山美代子

    溝端淳平 撮影:泉山美代子

――今回の脚本を初めて読んだときの感想を教えてください。

同窓会での再会から物語が始まるというところは身近に感じられるし、実年齢に近い役どころだったので、没入して台本を読みました。全員が怪しく見えて見逃せない展開が続いていく中で、1つの真実を追い求めるだけではなく、それぞれが隠していることや裏があって、そこで人となりが見えてくるという展開が面白く、続きが気になる作品だと思いました。

――原作を読んだ感想も教えていただけますでしょうか。

絵がとてもキレイで、雨宮(林遣都演じる雨宮秀一)も稜も端正な顔立ちですので、この二次元の世界をどこまでドラマに活かせるだろうか、自分にできるだろうかと考えました。マンガで成立する表情と生身の人間が出せる表情はまた違うので、ドラマはドラマなりの新しい魅力を自分たちで作っていかなくてはという気持ちになりました。

――稜を演じていて難しいところ、楽しいところを教えてください。

稜は、感情をあまり表情に出さないながらも、真っ直ぐさや純粋さがじんわりとにじみ出るような役どころ。最近は感情が表情に出やすい役を演じることが多かったので、自分にとって新しいハードルだと感じています。稜は、こういう幼馴染みがいたら友達になりたいなとか、妹の彼氏だったらいいなと思えるような男性。思わず応援したくなる魅力を持っていて、口調はキツいけど実は優しいとか、いい意味で古風なところが魅力的だと思います。

――正に応援したくなる魅力がありますよね。きっと雨宮派、稜派、と視聴者の方も意見が割れるのではないかと思います。

いやいやいや……ほんとですか!? どうしよう、そうなればいいですがプレッシャーですね(笑)。

――昨年のドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』で演じられた八巻英雄のように愛されるキャラクターになると感じます。幼馴染みの望緒にずっと片思いをしている稜ですが、切ない恋を演じる難しさはありますか。

それこそ八巻のときも面白くしようとして演じていたわけではなく、八巻の真っ直ぐな姿を見た方が自然と「面白い」と思ってくださったように、稜を「切なくしよう」という気持ちがお芝居に見え隠れしてはいけないと思うんです。稜自身は「切ない恋をしている」とは思っていなくて、「お前が笑っていればそれでいいんだ」という台詞があるように自己犠牲を払ってでも望緒を思い続けられればいいと思っている。

だから稜を演じるうえでは「どれだけ望緒を愛せるか」ということが一番大事。望緒を思い続ける気持ち、いい距離感・いい温度で望緒のそばにいる姿を演じられれば、見ている方にも稜を楽しんでもらえると思っています。

――お話を聞いているだけで切ない気持ちになりますが……そんな稜の思い人・望緒を演じる波瑠さんは、溝端さんから見てどんな方ですか。

年齢は僕より少し下ですが、現場が慌ただしいときでもどっしりと構えていらっしゃって、役者やスタッフが皆頼りにしている存在です。慌てたり取り乱したりしている姿を見たことがありません。ぶれずに望緒として現場にいてくださるので、安心してお芝居をさせていただいています。