コロナ下で健康意識が高まり、日本古来の発酵食品の良さも改めて見直されるようになった。その1つが「みそ」。栄養豊富で“畑の肉”ともいわれる大豆を主原料にした日本生まれのスーパーフードだ。

  • 今回飲み比べた即席みそ汁4種。タイプはいろいろ

寒い冬は、毎日でも飲みたいみそ汁だが、忙しい人や一人暮らしだと準備が大変。そこで今回は、お湯を注ぐだけで、いつでもどこでも、手軽に飲める即席みそ汁4種を飲み比べてみた。生みそ、フリーズドライ、顆粒みそとタイプは様々。いずれもお湯を注ぐだけで簡単にできあがる。

アマノフーズ「いつものおみそ汁 なす」

  • アマノフーズ「いつものおみそ汁 なす」(108円)

まずはアマノフーズの即席みそ汁で売上1位の「いつものおみそ汁 なす」。2014年から展開している「いつものおみそ汁」シリーズには、減塩タイプや具材にこだわった贅沢タイプもあり、味の種類は30種類以上に上る。

この商品はフリーズドライタイプ。ちなみにアマノフーズは、みそ汁、吸物類フリーズドライ市場売上NO.1(※インテージSRI:みそ汁、吸物類フリーズドライ市場2019年1月~2020年12月メーカー別累計販売金額)のメーカーでもある。

熱湯約160mlを注いで軽くかき混ぜれば完成。驚いたのは、具材であるなすの多さ。あの小さいフリーズドライにこんなに詰まっていたとは!素揚げされたなすは、香ばしくとろっとしていた食感で、噛むとじゅわっとみその甘みが染み出してくる。なすの他に、わかめとネギも入っていて具だくさん。みそは合わせみそで、出汁はかつおと昆布。まろやかでやさしい味わいで、商品名のとおり、“いつもの”定番にしたい家庭的な味だ。

「フリーズドライみそ汁は、2021年1~11月で前年比111%、前々年比121%と好調です。新しい生活様式下では、備蓄の需要が加わり、5食入りや10食入りの商品も人気です」とアマノフーズブランドを販売するアサヒグループ食品 コンシューマ事業本部 マーケティング二部の鈴木章子さん。ちなみに5食入りの「うちのおみそ汁」シリーズでも、一番人気は「なす」だそう。

<アマノフーズ「いつものおみそ汁 なす」のポイント>
・じゅわっと美味しいなすがたっぷり!
・みそ汁、吸物類フリーズドライ市場売上NO.1メーカー
・気軽に試せる個包装

ハナマルキ「香り楽しむおみそ汁 なごみ柚子」

  • ハナマルキ「香り楽しむおみそ汁 なごみ柚子」(5食入り、オープン価格、実売価格199円※編集部調べ)

ハナマルキでは、“香り素材とみその素敵な出会い”をコンセプトに、「香り楽しむおみそ汁シリーズ」を2018年から展開。わさび、生姜、柚子の3つのフレーバーがあるが、今回は2021年9月に発売された新味の柚子を試すことに。

こちらは生みそタイプ。みそと具をお椀にあけて、熱湯160mlを注ぎ、よくかき混ぜる。すると柚子のいい香り~!よく見れば、具として柚子の皮がたくさん入っている。柚子のみそ汁は初体験だったが、すがすがしい香りと甘めの米みそが相性抜群。生みそタイプなので、みその風味はそのまま。わかめや大きめにカットされたネギも入っており、食べごたえもあった。

「なごみ柚子は“リラックス”をテーマに企画いたしました。国産柚子を贅沢に使用しており、柚子の香りをしっかりお楽しみいただけますので、これからの寒い季節にぜひお召し上がりいただきたい一品です」(ハナマルキ広報宣伝室 杉山麻衣子さん)

「香りを楽しむおみそ汁シリーズ」は、珍しさも手伝ってか、SNSでも話題。Twitterでは箱買いの写真をアップしている人も。食事と一緒に飲むだけでなく、ほっとひと息つきたいときにお茶感覚で飲める。

<ハナマルキ「香り楽しむおみそ汁 なごみ柚子」のポイント>
・国産柚子皮を贅沢に使用
・生みそタイプで風味豊か
・リラックスタイムにぴったり

ひかり味噌「産地のみそ汁めぐり フリーズドライブロック」

  • ひかり味噌「産地のみそ汁めぐり フリーズドライブロック」(10食入り、参考小売価格1404円)

ひかり味噌の「産地のみそ汁めぐり」シリーズは、全国各地の名産みそを手軽に楽しめるシリーズで、10年以上前から販売しているロングセラーだ。これまでは生みそタイプのみだったが、2021年10月にフリーズドライタイプが登場した。

信州みそ汁(3食)、三州豆みそ合わせ(3食)、九州麦みそ合わせ汁(2食)、仙台みそ合わせ汁(2食)の計10食入り。今回はご当地食の強い「三州豆みそ合わせ」を試してみた。三州とは現在の愛知県東部のこと。熱湯約160mlを注いでよくかき混ぜれば出来上がり。豆みそらしい濃いめの汁は、豆の旨みとコク、ほのかな酸味も感じる奥深い味。なめこはとろみがあり、食感も良い。三つ葉が入っているので高級感もある。

今回新たに開発したフリーズドライブロックについては、「みそを乾燥させる工程では、みその風味が飛びやすいため、4種類それぞれのみその味わいの特長・美味しさをいかに再現するか試行錯誤を繰り返し完成しました。それぞれの名産みそを最も美味しく召し上がっていただくために、みそと具材の相性にもこだわっています」とひかり味噌の商品開発担当者。

具材はみそによって変えているそうだ。たとえば、「信州みそ」は、さわやかな香り・すっきりとした後味が特長なので、小松菜・キャベツ・にんじん・ネギを合わせてている。甘くやさしいほっとする仕上がりだ。

この「産地のみそ汁めぐり」シリーズはスーパーの他、コストコでも人気。通販用の商品もあり通販の即席みそ汁販売ランキングで3位(※マクロミルQPR、21年1~11月、100人あたり購入金額)になっている。

<ひかり味噌「産地のみそ汁めぐり フリーズドライブロック」のポイント>
・旅気分も味わえる4種の名産みそ
・みそと相性抜群の具材
・通販やコストコでも人気のシリーズ

マルコメ「お徳用 フリーズドライ 顆粒料亭の味アソート」

  • マルコメ「お徳用 フリーズドライ 顆粒料亭の味アソート」(10食入り、オープン価格、実売価格582円※編集部調べ)

最後はマルコメが2021年3月上旬より販売している「お徳用 フリーズドライ 顆粒料亭の味アソート」。最大の特徴は特許製法のフリーズドライであること。みそはなんと顆粒タイプ。1つのパックにみそと具材が充填されているので、かさばらず、ゴミも少ない。

パッケージで“野菜が摂れる”と謡っているとおり、「野菜」(3食)、「揚げ茄子」(3食)、長ねぎ(4食)の10食分がセット。今回は「野菜」を試してみた。容器にあけて熱湯を約160ml注ぎ、1分待ってかき混ぜる。なお、1分待つのは3種類の味のうち、この「野菜」のみ。他2種はすぐかき混ぜてOKだ。

待つうちに、野菜がじわじわ広がってくる。飲んでみると、顆粒とは思えないみその風味の良さ。米みそに、かつおだし。ベーシックだが上品な味だ。そして嬉しいのがボリュームたっぷりな具!野菜はキャベツ、ほうれん草、オクラ、にんじんの4種類。甘みがあり、しみじみ美味しい。

「生みそをそのままフリーズドライする特許製法を用いた顆粒みそは、みそ汁を作ってからフリーズドライするブロックタイプのみそ汁より加熱時間が短いため鮮度が良く、生みその味と香りをそのまま楽しめます。また、みそと具材を別々に加工するため、素材本来の美味しさや色あいを保った具材を味わうことができます」(マルコメ マーケティング部 広報宣伝課 其田譲治さん)

売り上げは好調で計画比152.6%とのこと。また、環境へも配慮し、外包装の紙へのリニューアルを進めている。なお今回はアソートタイプを購入したが、個包装も展開している。

<マルコメ「お徳用 フリーズドライ 顆粒料亭の味アソート」のポイント>
・特許製法の顆粒みそで風味豊か
・野菜をたっぷりとれる
・ゴミが少なく、環境にやさしい

今回試した4商品は、どれも即席みそ汁とは思えない本格的な味で驚いた。即席みそ汁は、常温保存ができるので保存食にもいい。気になる味を揃えておいて、気分に合わせて飲み比べてみては?