“色を食べる”冷凍カレー「グラフィカリー」が2021年12月15日(水)より中目黒にてランチ提供を開始。メディア向け試食会が行われたので行ってみた。“色を食べる”カレーとはいったい!?

  • “色を食べる”冷凍カレー「グラフィカリー」が中目黒でランチ営業を開始

"色を食べる"とは? ハイレベルな冷凍カレー

お店の場所は中目黒駅から徒歩5分の山手通り沿い。バーを間借りしてランチ営業をしている。運営するシェフクリエイト(代表:日吉瑞己)は、もともと料理教室を行っている会社で、現在も自由ヶ丘や恵比寿、横浜で料理教室を開いている。「グラフィカリー」は、自由ヶ丘でエスニックを担当している講師が開発した冷凍カレー。バーや漫画喫茶など、食事の提供を求められるがあまり調理設備がないところに、良い料理を提供したい、コロナ禍でテイクアウト需要にも貢献できればお店の存続にもつながる、ということで立ち上げられたという。

  • バーを間借りしてランチ営業しているとのことで、雰囲気がとてもイイ店内

  • お店の場所は中目黒駅から徒歩5分の山手通り沿い

「グラフィカリー」のコンセプトは、飲食店のできたてのカレーと同じクオリティでハイレベルなカレーを作りたいというもの。冷凍カレーのメリットは長持ちするので在庫管理が楽な上、調理人がいなくても温めればすぐに提供できることだ。ただし、冷凍することで香りが抜けてしまうので、試行錯誤を重ねて開発されたという。また、2つのカルチャーを融合させ、インドと中国、インドと日本など、食文化の違いを混ぜたカレーになっているのが特徴的。店名も、カレーを絵具に見立てて、混ぜ合わせるようなイメージで付けられているそうだ。さらに、“色を食べる”というテーマは、いろいろな食材を使い、鮮やかな色をカレーで表現しようというもの。化学調味料や着色料などを使用せず、自然の食材のみで色を作っている。

  • ズラリと並んだ色鮮やかな5種類の「グラフィカレー」。化学調味料や着色料などを使用せず、自然の食材のみで色を作っている

カレーの味は全部で5種類。価格はそれぞれ、日替わりアチャール(副菜)とオリジナルハーブティー付きのランチプレートが1300円、単品は990円(橙+200円 / 緑+300円)となっている。カレーに合うオリジナルハーブティーは、インドとタイの融合で、ジャスミンティーをベースに、インドのスパイス数種類とタイのハーブを入れたもの。また、この日の副菜は、インドのスパイスを使った味付け卵、干してから漬け込んだ大根、じゃがいも、ココナッツの香りとみつ葉となっていた。では、早速5種類のカレーをいただきます!

●「黄(KI)」和食精進出汁 × ベンガル豆(インド×日本)

  • 「黄(KI)」は和食とインドカレーの融合がテーマ

肉類は一切使われていない、赤レンズ豆(マスールダル)を精進出汁で炊き上げたヴィーガンカレー。しっかりした味にするために、肉の代わりとなる食材として椎茸を使用。豆と椎茸は日本の精進料理の出汁の組み合わせということで、旨味がかなり感じられる。椎茸の味が強すぎると和食に寄りすぎるため、アジアンシードを入れるなどしている。辛みはほとんどなく、スパイスの後味が感じられた。

●「碧(MIDORI)」タイグリーンシーフード × 北インドサグ(インド×タイ)

  • 「碧(MIDORI)」は魚介の味がたっぷり、色鮮やかさも際立っていた

インドカレーとグリーンカレーの中間がコンセプト。グリーンカレーはそもそもスパイスはあまり使わずに、ナンプラーとココナッツで旨味を作るが、インドのマサラに置き換えている。さらに、ちゃんとした緑色を表現するために、インドのサグカレーから着想を得て、ほうれん草、バイマックルー、レモングラス、プリッキーヌ(青唐辛子)等をすりつぶして、グリーンカレーペーストを手作りしている。具材には、エビやホタテを使っており、魚介の旨味がたっぷりと入っていて絶品だった。

●「橙(DAIDAI)」ハワイココナッツ × 北インドバターチキン(インド×欧州)

  • 「橙(DAIDAI)」はお子さんでも食べらそうな万人向けのカレー

誰もが食べやすいカレーを、とのことで辛すぎず、なおかつくどくならないように仕上げている。バターを全てココナッツに置き換えており、チキンの骨の髄から出る旨味と、たまねぎをしっかり入れていることで味を調えている。また、甘くなりすぎないように、タマリンドを入れることで酸味のアクセントにしている。「毎日食べられるカレー」を目指したというだけあって、優しくあっさりした味で、万人に好まれそうだ。

●「黒(KURO)」中国トウチ × 南インドキーマ(インド×中国)

  • 「黒(KURO)」は中華とインドカレーが絶妙なバランスで混ざり合ってクセになる味

中華とカレーを融合するために、黒胡麻坦々麺のイメージを参考にしてトータルの試作は20回以上、ゼロからの作り直しを4回も行ったという力作。トマトを使う代わりに旨味のためにトウチを使い、酸味には酢を使用。唐辛子を減らして、花椒と黒胡椒を使って絡みを調整している。中華的な辛み、痺れが感じられて、かなり後を引くクセになる美味しさだった。

●「紅(AKA)」メキシコ唐辛子 × 南インドチキン(インド×メキシコ)

  • 「紅(AKA)」はメキシコの唐辛子を使った辛みが特徴

「グラフィカレー」を作るきっかけとなった、5種類の中で一番辛いカレー。重さがなく食べれば食べるほどお腹が空くカレーを作りたいとのことで開発されたという。メキシコの燻製唐辛子「チレ・モラ」、レッドチリ、青唐辛子、カイエンペッパーを使っているそうで、食べ進めるとじわじわと辛みが感じられる。刺激も強いが、カルダモンをかなり使っている分、軽やかな香りが抜けていく爽やかさも感じられる一皿だ。

食べている途中で、ふと「冷凍カレー」であることを思い出したが、まったくそんなことは意識しないほど、ハイクオリティな美味しさだった。5種類を少しずつ試食させていただいた結果、筆者が一番気に入ったのは「黒(KURO)」。試食会から数日経ってからも食べたくなってしまった。お店に行けない方は、オフィシャル・ウェブサイトから通販でも購入することができるので、是非一度味わってみてほしい。

●information
「グラフィカリー中目黒」
東京都目黒区中目黒3-5-33 オークヴィラ中目黒101(にこバー内)
営業時間:月~土 11時~15時まで(14時30分L.O.)