国税庁は12月16日、2020年事務年度(2020年7月~2021年6月)における相続税の実施調査の結果を発表した。

大口優先で1件当たりの申告漏れ額は22.0%増

  • 相続税の実施調査実績(出典:国税庁Webサイト)

2020年7月~2021年6月の1年間に行われた相続税の実地調査件数は前年度比52.0%減の5,106件。これは、新型コロナウイルス感染症の影響で調査件数が大幅に減少したことが影響したという。

相続税の申告漏れ課税価格は同41.4%減の1,785億円。ただし、大口・悪質な不正が見込まれる事案を優先して調査したことにより、調査1件当たりの課税価格は同22.0%増の3,496万円と、過去10年で最高を更新。1件当たりの追徴税額についても同47.3%増の943万円と、過去10年で最も高くなった。

無申告事案の実施調査件数は同57.1%減の462件。申告漏れ課税価格は同49.8%減の455億円、追徴税額(本税+加算税)は同36.4%減の61億円。なお、1件当たりの課税価格は同17.0%増の9,848万円、追徴税額は同48.2%増の1,328万円となり、同調査の集計を開始した2016年以降で最高を記録した。

海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は同35.6%減の96件。非違1件当たりの申告漏れ課税価格は同31.1%減の3,579万円となった。

贈与税の申告漏れ課税価格は同49.9%減の109億円、追徴税額は同52.1%減の37億円。1件当たりの課税価格は同9.2%減の584万円、追徴税額は同13.3%減の201万円となった。