「最敬礼」は会釈や敬礼と同じお辞儀の一種ですが、意味や使用する場面はそれぞれ異なります。誤った認識で行うと、相手に失礼な印象を与え逆効果になってしまう可能性もあるため注意が必要です。

本記事では最敬礼の意味や適切な角度を解説。あわせて会釈や敬礼などの他のお辞儀との違いや、最敬礼を行う上でのポイントも紹介します。いざというときに正しく行うためにも、ぜひ覚えてみてください。

  • 最敬礼とは

    最敬礼に関する基本的なルールを覚えましょう

最敬礼とは

最敬礼は、「さいけいれい」と読み、一番丁寧なお辞儀を指します。頻繁に使うものではありませんが、ここぞという場面で使えるよう覚えておいて損はないでしょう。

最敬礼を行う意味

最敬礼は通常のお辞儀と違い、基本的には深い謝罪やお詫びの意味を込めて行います。また、心からの感謝を伝えたいときや重役・大事なお客様への対応時にも用いられます。心からの謝罪や感謝など、強い気持ちを相手に伝えたいときに使用してください。

最敬礼では言葉も大切

最敬礼するときは頭を下げるだけでなく、相手に謝罪や感謝の言葉を伝えるとなおいいでしょう。より強い思いが相手に伝わるかもしれません。

最敬礼のやり方

最敬礼では背筋をしっかりと真っすぐ伸ばすことで、一連の流れが美しく見え印象がよくなります。お辞儀のときには背筋を伸ばした綺麗な姿勢のまま、上半身を前に倒しましょう。頭から腰まで一直線の状態を保つよう意識してみてください。

首だけを曲げて頭を下げるのは失礼な態度とみなされ、相手に不快な印象を与えかねません。前を見たまま腰だけ下に向ける体勢も、相手を挑発しているかのように受け取れるので 避けましょう。

最敬礼の角度

角度は上半身を45度に倒すのが一般的。頭を下げる際の目線は、足元から前方1メートルほど離れたあたりをみるのが適切です。お辞儀をするとつい足元を見がちですが、真下を見た状態では首だけ曲がったお辞儀になってしまうことも。正しい姿勢をキープできるよう、目線にも気を配りましょう。

90度の最敬礼とは

基本的には45度に倒すのが適切ですが、最大限の謝罪を込めて90度近くまで倒し、深々とお辞儀をすることもあります。ただし、90度以上の角度に腰を倒すと大袈裟と思われてしまう可能性もあるので、くれぐれも倒し過ぎには注意してください。

  • 最敬礼とは

    ここぞというときに最敬礼で気持ちを伝えましょう

その他のお辞儀との違い

一般的にお辞儀は、会釈・敬礼・最敬礼の3種類になりますが、角度や目的に応じて5種類にも分けられます。ここでは最敬礼以外の4つを紹介。種類によって意味合いや使用する場面が異なるので、適切に使い分けられるよう覚えておきましょう。

目礼

目礼は目を伏せることでお辞儀を表す方法のこと。上半身は一切倒さず、頭も下げません。主にお辞儀をするスペースがないときに使用します。混雑したエレベーター内などが該当するでしょう。スペースがあるにも関わらず目礼を行うのは失礼にあたるので注意してください。

会釈

会釈は15度に上半身を倒すお辞儀のこと。目線は足元から前方1.5メートルあたりがいいでしょう。

会釈に適した場面は主に社内で同僚や上司とすれ違ったときや、遠くにいる人と目が合ったとき。可能な限り立ち止まって、にこやかな表情を心がけると印象がよくなります。

敬礼

敬礼は30度前後の角度まで上半身を倒すお辞儀のこと。お辞儀の中では最も基本的な方法とされ、普通礼とも呼ばれます。目線は足元から先1.5~2メートルあたりがちょうどいいでしょう。

訪問先での挨拶をはじめ、お礼を伝えたいときや接客時などさまざまな場面で使えます。ゆっくりとした動作を心がけることが敬礼のポイントです。

拝は90度の角度まで上半身を倒すお辞儀のこと。相手に最大限の敬意を表したいときに用いられるため、使用する場面は限られるでしょう。ビジネス以外に神社への参拝時にも使われます。

  • 他のお辞儀との違い

    目的や状況を考慮して、適切なお辞儀を選択してください

最敬礼のポイント

最敬礼において重要なポイントは角度や姿勢だけではありません。美しく優雅な動作を身につけ、上司や取引先など相手に好印象を持ってもらえるコツを理解しておきましょう。

正しい順序

最敬礼に挨拶やお礼の言葉を添えたいときは、最初に言葉を述べてからお辞儀をしてください。「先言後礼(せんげんごれい)」と覚えておくと、いざというときも適切に対応できるでしょう。

お辞儀全般に当てはまることですが、別のことをしながらお辞儀をするのは避けるべきと考えられています。挨拶しながら頭を下に向けると声が相手に届きにくくなり、気持ちが上手く伝わらないことも。まずは言葉から、次いでお辞儀と正しい順番を心がけてください。

ファストイン・スローアウト

最敬礼は動きにメリハリをつけることで、より美しい印象を与えられます。コツは初めに素早く頭を下げ、ゆっくりと姿勢を戻す「ファストイン・スローアウト」を心がけること。頭の片隅に置きながらお辞儀してみてください。

タイミングは、頭を下げる動作に1秒、上半身を戻す動きに2秒の合計3秒程度が適切です。より所作を美しく見せるには、頭を下げたときに動きをしっかり止めるのがポイント。また、相手と同時にお辞儀する場合は、相手が頭を上げた後に姿勢を戻すと好印象につながります。

手の位置

最敬礼では手の位置にも気をつけると、見た目がより一層美しくなります。

女性は体の前に、男性は体の横に手を置くといいでしょう。また、体の前に置くときの手の重ね方は一般的に「右手が下、左手が上」です。指の先まで意識を向けるだけでも印象は変わるので、ぜひ試してみてください。

視線

頭を下げ始めるタイミングと姿勢を戻したときは、必ず相手の目を見るようにしてください。目線が別のほうに向いていると、誠意がないと受け取られる可能性があります。心からの謝罪と感謝を相手に届けるために、最敬礼の際は視線まで注意を払いましょう。

回数

一度のお辞儀で頭を下げるのは1回までにするのがマナーです。せわしなく何度も頭を下げると軽く見えてしまいます。1回の最敬礼に最大限の気持ちを込めましょう。

一つひとつの動作に手を抜かず、丁寧さを心がけてみてください。同じお辞儀でも、丁寧さを感じることができれば気持ちが伝わるはずです。

最敬礼時のタブー

最敬礼をするときは必ず作業の手を止めて、お辞儀に専念しましょう。他の作業に取り組みながら頭を下げる行為は、相手への敬意よりも作業に意識が向いていることを意味します。誠意が感じられない上、かえって失礼な印象を与えるので気をつけてください。

  • 最敬礼のポイント

    鏡の前でポイントを確認しながら最敬礼してみると、理解しやすくなりますよ

最敬礼などのお辞儀は日本ならでは?

日本では最敬礼に限らず、お辞儀自体が日常的に使われます。日本のように頻繁にお辞儀をする国は多くないため、日本での光景を見て不思議に思う外国人もいるようです。海外出張などで他の国に行った際、習慣的にお辞儀をすると驚かれることもあるかもしれません。国によっては握手の方が適切とする場合もあるので、訪問する国のマナーをあらかじめ勉強しておくといいでしょう。

最敬礼は丁寧な動作を心がけましょう

最敬礼は会釈や敬礼よりも丁寧なお辞儀で、謝罪や深い感謝を表す場面などで使われます。コツは背筋を伸ばした状態で45度の角度に上半身を倒し、ゆっくりと体勢を戻すこと。言葉を添える場合は頭を下げる前に述べるのがマナーです。

また、1秒で頭を下げ、2秒かけてゆっくり頭を上げると一連の流れが綺麗にみえます。さらに、相手の目を見てからお辞儀するなど一つひとつの動作を丁寧に行うと印象がグッとよくなるでしょう。この機会にぜひ美しい最敬礼をマスターしてみてはいかがでしょうか。