普段の生活はSNSばかりで、個人間でメールを使うことはほとんどなくなってしまったという人も少なくないことでしょう。しかしビジネスシーンでは、多くの連絡がメールでやり取りされます。

チャットとは違い、メールの場合いきなり要件の話をするのはビジネスマンとして失礼にあたります。そこで重要になるのが書き出しです。

SNSに慣れている方にとって、メールの書き出しが悩みの1つになっている場合も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ビジネスメールでの書き出しの仕方について、さまざまなパターンや相手を想定した場面を解説いたします。

  • ビジネスメールの注意点

    メールの書き出しはいくつかのパターンがあるので、しっかりマスターしましょう

ビジネスメールの注意点

ビジネスシーンでメールを使う際、いくつか注意すべきポイントがあります。 ここでは、ビジネスメールを書く際に注意すべき点を解説します。

適切な敬語を使う

会社に入ったの頃は、周りの方がすべて年上であり、なおかつ自分以上に経験を持っている人ばかりです。

できない仕事があることはしょうがないですが、言葉遣いに気をつけることは誰にでもできることですよね。社会人の第一歩として、まず適切な敬語を使えるようになりましょう。

特にメールの場合は、どのような敬語を使えばよいかわからない時も、じっくり調べてから書くことができます。 まずは、メールで適切な敬語が使えるようになりましょう。

いきなり本題には入らない

普段友人などとLINEなどで連絡を取る際は、前置きを置くことはあまりないでしょう。しかし、ビジネスメールの場合は、いきなり本題には入らずひとこと挨拶を入れるのがマナーです。

最も一般的な書き出しの挨拶は「お世話になっております」ですが、それ以外にも状況によってさまざまな書き出しがあります。

また社内向けのメールでそこまで固くなる必要がない場合は、「おはようございます」や「お疲れ様です」などの挨拶で問題ありません。

ネガティブワードは使用しない

ビジネスメールの場合、たとえそれが本当だったとしても、ネガティブな言葉は使わないようにしましょう。

例えば「できません」という言葉を使うのではなく、「~であれば対応可能です」という言い方を使うのがいいでしょう。相手に好印象を抱かせるためにも、できるだけネガティブな表現は使わないように気をつけましょう。

  • ビジネスメールの注意点

    ビジネスではメールを書く機会はとても多いので書き方を習得しておきましょう

ビジネスメールの基本を理解

ここでは具体的にビジネスメールを書く際の構成などについて解説します。

基本的な構成にのっとる

ビジネスメールの場合、基本的な構成にのっとるのが一般的です。

基本的なメールの構成では、宛名、挨拶、要件、締めの言葉が最も一般的です。 この基本的な形に、お詫びメールであればお詫びの文言を入れるなど適切な文言を加えて文章を作っていくといいでしょう。

まずは宛名から始める

ビジネスメールを書く際、本文で最初に書く部分は、宛名になります。

普段プライベートで使っているLINEなどでは使うことはないので、メールに慣れていないと忘れがちかもしれません。ビジネスメールの場合は宛名から始めましょう。

宛名は単純に送り先の人の名前を書くだけでなく、相手が所属している会社や部、課の名前、さらに相手が役職者だった場合は、役職まで記載しましょう。

例)ABC株式会社

営業部 地域営業課 山田様

拝啓や敬具、時候の挨拶は不要

ハガキや手紙を書く際は、いきなり本題に入ったりはせず、前文として季節にあった挨拶などを書きます。しかし、メールではそのような時候の挨拶は不要です。

また、手紙で見られる「拝啓」や「敬具」なども記載する必要はありません。時候の挨拶の代わりに「いつもお世話になっております」や「お疲れ様です」の挨拶があるのだと覚えておきましょう。

「お世話になっております」は基本的な書き出し

ビジネスメールの場合は、まずは挨拶が必要です。 ビジネスで使用される挨拶の中で最も一般的なものは「お世話になっております」でしょう。社会人になるまではあまり使うことのない言葉ですが、しっかりと使えるようになっておきましょう。

そのほか、さまざまな状況によって挨拶は使い分けられています。場面に応じた適切な挨拶が使えるようになると社会人としてステップアップできます。 具体的な文言は例文でくわしくみていきます。

  • ビジネスメールの基本を理解

    最初にビジネスメールの書き方の決まりや正しい構成を覚えておきましょう

メールの書き出しは相手や状況によって変える

ビジネスメールの書き出しは、相手や状況によって変える必要があります。ここではさまざまなパターンの書き出しを例文でご紹介します。

お礼を伝える場合の書き出し

ABC株式会社

営業部 山田部長

お世話になっております。

先日は東京本社までご足労いただき、ありがとうございました。

山田様のお考えをくわしく伺うことができ、とても参考になりました。

書き出しに感謝の言葉を述べるパターンです。

メールの相手と最近何かあった場合は、そのことに触れるような書き出しにするのがおすすめです。

お願いや依頼がある場合の書き出し

ABC株式会社

営業部 山田部長

お世話になっております。

先日のミーティングではお世話になりました。

会議の内容を踏まえ、早速提案資料を2月1日までに作成していただきたく存じます。

お詫びを伝える場合の書き出し

ABC株式会社

営業部 山田部長

お世話になっております。

1月20日に送信したメールにおいて、金額に一部誤りがございました。

正しい金額は本日送信するメールをご参考にしていただけますと幸いです。

こちらの不手際でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

お詫びを伝えるメールの場合、お詫びの内容をはっきりと明記し、対応策を提示するメールの内容にしましょう。

初めてメールを送る人への書き出し

ABC株式会社

営業部 山田部長

お世話になっております。

田中商事株式会社の田中と申します。

貴社の製品に興味があり、連絡させていただきました。

会ったことがない人にメールを送る場合は、どのような意図でメールを送っているのかをはっきりと明記するようにしましょう。 また、初めてだから「お世話になっております」はおかしいと思うかもしれませんが、初めての方に対して「お世話になっております」を使ってもマナー違反ではありません。 もし違和感がある場合は、「はじめまして」「お世話になります」などでもいいでしょう。

久しぶりにメールを送る相手への書き出し

ABC株式会社

営業部 山田部長

ご無沙汰しております。

昨年営業担当としてお伺いさせていただきました、田中商事の田中です。

久しぶりに連絡を取る相手には、「ご無沙汰しております」という表現や「その後いかがお過ごしでしょうか」という表現がよく使われます。 相手がより近い相手だった場合は、「お久しぶりです」でもいいでしょう。

  • メールの書き出しは相手や状況によって変える

    例文を参考に書き出しの引き出しを増やしていきましょう

海外の取引先へのメール

社会人になれば英語でメールを送る機会もあるでしょう。 ここでは英語でのビジネスメールの書き出しを紹介します。

英語での書き出しの例文

「Thank you very much for visiting our office yesterday.」

こちらは「先日はご足労いただきありがとうございます」という意味の言葉です。

最近会ったことに対するお礼から始まる書き出し分です。for以下を変えることで、さまざまな感謝を述べることができます。

「The purpose of this e-mail is to ask some questions about your current product.」

こちらは「現在の商品について質問させてください」という意味です。今回どのような目的でメールを送っているかを伝える際によく使われる表現です。 this e-mail is to以下を変えることで、さまざまなパターンに応用することができます。

「Sorry for my late reply as I have been away on business.」

こちらは「出張していたため、返信が遅くなり申し訳ありません」という意味の英文です。 出張などでメールの返信が遅くなってしまった場合、このような書き出しで始めることができます。

  • 海外の取引先へのメール

    英語の書き出しもとても簡単ですからフレーズとして覚えてしまいましょう

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ビジネスメールの書き出しはいくつかありますが、難しいものはありません。 それぞれのパターンを覚えてしまえば、簡単に使うことができるので、まずはシチュエーション別の書き出しを覚えてしまいましょう。