俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーが、ウォーゲーミングのPC向けゲーム『World of Tanks』で12月9日から実施されている「ホリデー作戦」キャンペーンの大使に就任した。『World of Tanks』は全世界1億6,000万人以上のプレイヤー数を誇る戦車アクションMMPゲームで、アーノルドはゲーム内のガレージに登場し、ユニークなチャレンジミッションを提供する。

ウォーゲーミングによると、アーノルドとのパートナーシップは「『World of Tanks』チームにとって夢の実現」だった。過去にはオーストリア軍の戦車兵だったことや、ハリウッドスターとなってからは本物の戦車を所有していることなど、確かにゲームの世界観との相性は抜群だ。

彼は今回のオファーをどのように受けとめたのか。また、なぜ戦車を購入してまで所有し続けているのか。メールインタビューで、本人に直接その真相を探った。

『World of Tanks』の「ホリデー作戦」キャンペーン大使に就任したアーノルド・シュワルツェネッガー

■ネットの反応から「この企画はヒットすると確信」

――『World of Tanks』コラボレーション企画の出演オファーを受けた理由をお聞かせください。

多くの時間を戦車と過ごしてきました。徴兵でオーストリア軍に従事していた際はM47パットンを操縦し、現在はこれを所有しています。そのため、私は戦車を指揮したり、操ったりすることで得られることが分かるのですが、誰もがこのような機会があるとは限りません。ですが、『World of Tanks』ならプレイヤーは車輌について学び、見事な詳細までを知ることができます。

また、多くのプレイヤーがゲーム開発者に対して、「いつになったらアーノルドを戦車長に任命できるんですか?」と質問をしてくださったそうです。(アメリカの投稿サイトの)Reddit上でも同じような声があったので、私が参加することによってみなさんもきっと喜んでくださるのではないかと。ソーシャルメディアや投稿されたティーザーによる彼らの反応から、この企画はヒットすると確信していました。

――2日間にわたって行われたナレーションの録音、写真撮影、ビデオの撮影は制作サイドから「トップレベルの仕事」と絶賛の声が届いています。

私にとっても、そこでの仕事はとてもすばらしいものでした。ナレーションは思うがままワイルドになれるので、大好きなんです。何よりもパンデミック後にセットに戻れる機会がとても楽しみで、監督、作家、そしてクルーたちはとてもすばらしい仕事をしてくれたので、周囲には「私だけで作れたものではないです」と伝えています。

■戦車は慈善活動に貢献できる

――先ほどもM47パットンの話がありましたが、自家用戦車として購入したというニュースや、戦車を使ってチャリティー企画を行う動画などを拝見しました。購入の経緯と目的についてお聞かせください。

古い戦車が欲しかったのですが、この戦車を使えば慈善活動に貢献できると気づいたこともきっかけです。全国的に放課後のスポーツの機会を与えるために活動している団体のプログラム“After-School All-Stars”に数百万ドルを集めました。このプログラムは、子どもたちの安全を守り、両親が仕事をしていている間、子どもたちが麻薬や犯罪に巻き込まれる可能性がある時間帯(15:00~18:00)に学習するもので、そこで私の戦車に乗る機会を提供しました。それは素晴らしい取り組みでした!

――徴兵でオーストリア連邦陸軍に配属され、史上最年少記録の18歳で戦車兵として任務についたそうですが、特に印象に残っている出来事はありますか?

私は戦車の操縦手で、上官は常に恐れないように促してくれたので、そこから多くのことを学ぶことができました。上官はいつも私を勇敢だと言ってくれていたのですが、ある時ついついやりすぎてしまって……。自分たちの恐怖心を試すために全速力で丘を下り、凍った湖に向かうよう指示された際、私たちは凍った湖上を戦車が壊れるまで進み続けて、結局は全員が濡れてしまいました。

■『コマンドー』は「ジョークも完璧」

――映画『コマンドー』(1985)はBS放送にもかかわらずTwitterトレンド1位を獲得したり、名言集などをまとめた書き込みも多数あったりと放送されるたびにネット上の話題になっています。『コマンドー』はアーノルドさんにとってどのような作品ですか?

映画『コマンドー』は、とても楽しい撮影でした。アクションや爆発も一流で、もちろんジョークも完璧。ビル・デュークや素晴らしい女優のレイ・ドーン・チョンやアリッサ・ミラノと一緒に仕事をするのが最高のひと時で、セットではとても楽しい時間だったことを覚えています。

――最後に、ご自身にとって「戦車」とは?

戦車はオーストリア軍での、私の昔の生活を思い出させてくれるものですね。