大きく柔らかいハンバーグが人気のハンバーグ専門レストラン「びっくりドンキー」。どちらかというとディナータイムの印象が強い同店だが、最近はモーニングメニューの提供も行なっている。10月から新たに加わった新メニューも含めて実食してきた。

  • びっくりドンキーのモーニングを実食

朝ごはんが1日の活動の質を決める!

農林水産省の調査によると、20~30代の男性の約30%は朝食を食べないそうだが、朝食を食べないと体温が上がらず、脳の栄養であるブドウ糖も不足してしまい、エネルギー不足でぼんやりした午前中を過ごすことになってしまう。また、朝食を食べないことで、生活習慣病のリスクが高まることも明らかになっている。朝食は1日の生活や仕事の質を高める重要なポイントなのだ。

そんなことを言っても、朝は時間がない、食欲がわかない……という人も多いだろう。そんなときに便利なのが、飲食店のモーニングメニューだ。手軽に食べられるメニューがリーズナブルな値段で素早く提供され、準備や片付けの必要もない。

さまざまな店がモーニング営業を行なっているが、実は深夜帯営業の印象が強いびっくりドンキーも、モーニング営業を実施している。昨年から東北地方の一部の店舗で朝8時からのモーニング営業を開始し、今年6月からは全国78店舗が新たに加わった。

  • モーニング営業を行なっているのは全国で100店舗以上。この看板が目印だ

モーニング営業ではトーストやミニマムディッシュセットといったモーニング専用メニューが提供されてきたが、10月6日からは新メニューとして「卵かけご飯」が追加され、コーヒー(ホット・アイス)がおかわり自由になった(11時まで)。

早速モーニングメニューの一部を紹介していこう。

ポテサラトーストセット(ドリンクセット) 440円(税込)

  • ポテサラトーストセット(ドリンクセット) 440円(税込)

「朝はパン!」派にうれしい、ポテトサラダとチーズがたっぷり乗ったボリューム感のあるトーストとゆで卵のセット。トーストメニューのバリエーションには、シンプルな「トーストセット」(330円)や「チーズトーストセット」(440円)もある。野菜不足が気になる人には「ディッシュサラダ」を付けた「ドリンク・サラダセット」(+110円)もある。

ほっくりしたポテトサラダにチーズが絡んだトッピングと、サクサクのトーストとの食感のコントラストが楽しい。「ポテサラパケットディッシュ」のトースト版とでも言えるだろうか。トーストは最初から2つに切ってあるので、片手でも食べやすく、付け合わせのゆで卵でタンパク質も補充可能。しっかりした食べ応えがある一皿で、時間はないけど朝からしっかり目にエネルギーを取っておきたいという人にはピッタリだ。

ミニマムバーグディッシュセット 630円(税込)

  • ミニマムバーグディッシュセット 630円(税込)

びっくりドンキーの代名詞ともいえる「バーグディッシュ」のミニマム版。ハンバーグが100g(通常メニューでは150g)になっており、通常よりひとまわり小さな木皿でライス・ディッシュサラダと共に提供される。ドリンクまたは味噌汁付きのセットメニューと、単品(ー110円)からチョイス可能だ。ハンバーグには追加でトッピング(+110~165円)も可能だが、レギュラーメニューと異なり、ライスの小盛り・大盛りやディッシュサラダの追加はできない。

また、びっくりドンキーは10月27日から全国の直営118店舗で、ローカーボメニューとして注目を集めている「カリフラワーライス」の提供を始めており、このミニマムバーグディッシュでもライスからカリフラワーライスへの変更が可能になっている(+110円)。今回はライスをカリフラワーライスに変更してみた。

まずメインのハンバーグだが、やや小ぶりだが、箸で切れる柔らかさや肉汁たっぷりな点はレギュラーメニューと変わらないおいしさ。朝からガッツリ肉を食べてエネルギーを補充しておきたい!という人にピッタリだ。個人的にはトッピングにエッグを追加して「朝!」感を高めるのがおすすめだ。

続いてカリフラワーライスだが、およそ5mm四方程度のダイス型にカットされており、全体にしっかり火が通っていて、適度に水分を含んでいるためまとまりもよく、もっちりした柔らかさも感じられる。カリフラワーというと、もう少しボロボロしている印象だったので、意外な食感だ。

  • カリフラワーライスを頼むとスプーンも提供された。案外まとまりがいいのでお箸でも十分食べられるが、スプーンの方が食べやすいだろう

そして肝心の味のほうだが、米とは明らかに違うのだが、柔らかな食感に加えてほんのりした甘味もあり、確かに「ライス」と言っても違和感のないレベルに仕上がっており、ハンバーグやオリジナルソースとの相性もいい。食べ終わったときにしっかり「バーグディッシュを食べた」という満足感があるのも好印象だ。自他ともに認めるコメ好きの筆者だが、これならまた食べてみたいな、と思わせるものがあった。

ちなみにカリフラワーライスは通常のライスと比べて、カロリーで80%オフ、糖質は90%オフ、そして食物繊維は約2倍と言われている。しっかり朝食をとりつつ生活習慣も改善したい人にはピッタリなメニューと言えるだろう。

卵かけご飯 330円(税込)

  • 卵かけご飯 330円(税込)

10月6日に新たにモーニングメニューに追加されたのが、純和風メニューである「卵かけご飯」だ。略して「TKG」とも呼ばれる日本人のソウルフードだが、それだけに味付けや調理法も多彩なバリエーションがある。びっくりドンキーのそれはどのようなものだろうか?

メニューの構成は、ライスとみそ汁、生卵と、ハンバーグにかけられる「オリジナルソース」が付いてくるところがポイントだ。ライスは標準サイズ(200g)で、小盛りや大盛り、カリフラワーライスへの変更はできない。

  • みそ汁は週替わりで具の変わる、びっくりドンキー自慢の一杯。今回は「わかめ」「刻み揚げ」「青ネギ」の3種類が入っていた

卵かけご飯の作法については百家争鳴、実に多彩な流派があるが、筆者は卵を割ってよくかき混ぜ、ご飯にかけてから味付けをするタイプ。こうすると一杯で複数の味付けを楽しめるのだ。まずは味をなにも付けずに卵とご飯だけで一口。

  • 卵の味が濃厚で、新鮮な卵が使われていることがわかる。

続いてオリジナルソースを少しかけて食べてみたところ、かなり驚かされた。この味には覚えがある…なんというか「牛丼」に近いのだ。考えてみれば、オリジナルソースはグレイビー(肉汁)をベースに醤油で味付けがされており、牛丼と構成要素がかなり重なっている。ただし、オリジナルソースには爽やかな酸味も加わっているため、牛丼ほど重くないところが朝食向けとしての完成度を高めている。一般的な醤油の味付けとは文字通り一味違う、びっくりドンキーならではの個性的な卵かけご飯の誕生と言えるだろう。

あとは生たまごのみ→みそ汁→オリジナルソース追加→みそ汁の黄金ループを繰り返して、一気に完食。みそ汁が具だくさんなこともあって、満腹感も高く、「朝はご飯!」派の人にも大満足のセットだろう。ただし、人によっては七味唐辛子や紅生姜が恋しくなってしまうかもしれない。

食後のコーヒーを楽しみつつ朝活

前述したとおり、モーニングメニューのセットドリンクのうち、「シングルエステート珈琲」(ホットコーヒー)と「カフェオンザロック」(アイスコーヒー」はおかわり自由となっている(11時まで)。びっくりドンキーのコーヒーは契約農園の完熟した在来アラビカ種だけを使用し、自社調達・自社焙煎にこだわった一杯だ(現在は中米・グアテマラのエルボスケ農園の豆を使用)。今回は食後にシングルエステート珈琲を頼んだが、苦味や酸味が抑えられており、大変飲みやすい。筆者としては、砂糖は入れず、ストレートでコーヒー本来の味を楽しんでいただきたい。

  • 注文に応じて一杯ずつ豆を挽いてドリップするというこだわりも魅力。ドリンクバーのコーヒーマシンとは文字通り一味違うコーヒーが楽しめる

そして、このコーヒーを楽しみながらノートPCでリモート朝活と洒落込んでみたのだが、これが非常に捗る。筆者は普段からファミリーレストランやファストフード店で執筆することが多いのだが、びっくりドンキーはテーブルがパーティションで分かれていることに加え、店の照明が全体に落ち着いているため、周囲の客が気にならない。

  • コーヒーを飲みつつ原稿仕事が捗る。テーブルの高さや広さも筆者好みで快適度はかなり高い

さらに、ドリンクバーのように自分で飲み物を取りに行くのではなく、店員さんが席まで持ってきてくれるので、集中を切らさずに作業に没頭できる。また、コーヒーのお替わりは11時までなので、作業はそこまでと時間を区切ることで、ダラダラと作業を続けることなく取り組める。環境的にも精神的にも、かなり理想的なリモートワーク環境が整っている。

自宅ではなかなか集中できないという人も、環境を変えてみると案外作業が捗ることが多い。さらに朝食もしっかり取れれば、効率よく午前中の作業をこなせるだろう。そんな「モーニング朝活」の舞台として、びっくりドンキーはかなりお勧めだ。

  • モーニングセットを完食すれば、朝食パワーで仕事もスムーズに進むこと請け合いだ