「木のカウンターで無口な職人が寿司を握る」。筆者にとって、寿司屋といえばそんな渋いイメージが未だにある。だが、くら寿司がこれまでのイメージとは異なる"映える寿司屋"を原宿に出店すると聞きつけ、筆者も一足先にお邪魔した。そこで出会った斬新なメニューや内装、その驚きを読者の皆さんにもお届けしていこう。

  • くら寿司は、Z世代をターゲットとしたコンセプト店舗「くら寿司 原宿店」を12月9日よりオープンする

映える寿司屋とは

回転寿司チェーンのくら寿司は、Z世代(※1)をターゲットとしたコンセプト店舗「くら寿司 原宿店」を12月9日よりオープンする。本店舗はSNSや動画による情報収集・発信をするZ世代に向け、"世界一映える"寿司屋を目指したという。

それを実現させるため、日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和氏が原宿店のプロデュースを手掛けた。気になる内装のコンセプトは「日本の伝統×トウキョウ・ポップカルチャー」。

  • 左:佐藤可士和氏/右:田中副社長

なんだか凄そうなのだが、パッと言われてもなかなかイメージすることができなかったので早速店舗へ。

ここに⁉ トレンド発信地のお膝元に位置する「くら寿司 原宿店」

まず驚いたのが出店場所だ。「明治神宮前駅」の5番出口から歩いて1分ほどの距離に位置する店舗は、原宿のランドマークとも言える「ラフォーレ原宿」の前にあるではないか。Z世代を意識した店舗とは聞いていたが、まさに流行の発信地のお膝元。

  • くら寿司と大きく書かれているので迷うことも少ない

「くら寿司」という大きな看板が目印で、迷うことなくたどり着けた。"映える"寿司屋"に期待を膨らませ、4階までのエスカレーターを上がっていく。

ついシャッターを押したくなるスポットが集まる

店舗の扉を開けるとまず出迎えてくれるのは、くら寿司のロゴやメニューがプリントされた「カラフル提灯ウォール」。提灯が光るだけでなく刻々とライトの色が変化していくので、瞬間ごとに違う画が撮れるのも面白い。

  • カラフル提灯ウォール

さらに店内を進んでいくと、ポップなロゴが可愛らしい「スイーツ屋台」がある。クレープをはじめとしたスイーツを、目の前で作ってくれる筆者イチオシのワクワクスポットだ。また、サービススタッフの装いも通常の店舗とは異なり、カジュアルでポップな装いのため、よりリラックスした時間を過ごすことができる。

  • スイーツ屋台

スイーツ屋台の前には大迫力の巨大パネル「浮世絵装飾」があり、グローバル旗艦店にふさわしい風情感じる装飾となっている。

  • 浮世絵装飾

ユーザーニーズに応えた複数スタイルの席を用意

また原宿店はインパクトのある内装だけが売りではない。ユーザーのニーズをくみ取った席スタイル・配置になっていることもぜひ知ってもらいたい。

東京スカイツリーや東京タワーが望めるテラス席や、原宿の街並みを見下ろしながら食事を楽しめるスタンド席など、寿司屋としては意外性のある席が設置されている。

  • 原宿の街並みを見下ろしながら食事を楽しめるスタンド席

また、障子を閉めて個室になるボックスシートや、暖簾付きの半個室など感染症対策も考慮した席が用意されているのも嬉しいポイント。

  • 暖簾付きの半個室

  • 障子を閉めて個室になるボックスシート

華やかな店内だが木目を基調とした空間とあって、ぬくもりあふれる落ち着いた雰囲気を感じるのも魅力だ。

店舗限定"揚げシャリ"入りのクレープを実食

こうして一通り店内を見たあとは、お待ちかねの寿司やスイーツを堪能していく。今回いただいたのは店舗限定の「Sushi クレープ イベリコ豚カルビ」(380円)。

  • 「Sushi クレープ イベリコ豚カルビ」(380円)

併設のスイーツ屋台で作られる「寿司クレープ」のうちの1種だ。ロボットによって自動で焼き上げてくれるクレープ生地は、原宿を意識したというピンクとイエローのポップな色合い。

  • ロボットによって自動で焼き上げてくれるクレープ生地は、原宿を意識したというピンクとイエローのポップな色合い

そのクレープ生地に揚げシャリ・グリーンリーフ・チーズ・たまご・イベリコ豚・キャベツを巻き、マヨネーズで仕上げている。何と言っても揚げシャリのサクサクした食感が面白い。また、イベリコ豚の甘いタレとマヨネーズが食材によく絡む。濃いめの味と贅沢に素材を使ったボリューム満点のクレープは、お腹をすかせた若者を満足させるはず。

一般のクレープと比べて380円とお手頃価格なので、気軽に食べやすいのも特徴。さらにシャリ入りクレープだけでなく、多彩なスイーツメニューも用意されているので、ぜひそちらも試してみてほしい。

グローバル旗艦店限定! ボリューム満点のロール寿司3種

そのほか、原宿店をはじめグローバル旗艦店である浅草BOX点、道頓堀店にて楽しめる限定寿司をいただいた。

【グローバル旗艦店限定】 レッドドラゴンロール(264円)

  • レッドドラゴンロール(264円)

えびマヨ・きゅうりをシャリと海苔で巻き、さらにマグロを内巻きに。その上から揚げ玉を乗せ、少し甘めの焼肉ダレをかけた一品は、マグロのトロっとした食感と天かすのサクサク感が相性抜群。

【グローバル旗艦店限定】 ゴールデンクランチロール(264円)

  • ゴールデンクランチロール(264円)

エビマヨとキュウリを裏巻きした巻寿司の上に、少し辛めのスパイシーソースとよく煮詰めた甘ダレを乗せ、揚げたパン粉をトッピング。ソースを2種類使っているので、それぞれの旨味を堪能できる。

【グローバル旗艦店限定】 えびタイガーロール(264円)

  • えびタイガーロール(264円)

えびマヨをシャリと海苔で巻き、えびを乗せたロール寿司。さらにサクサクのえび天を添えて、濃厚な旨味が特徴の甘ダレをかけた一品は、えび好きのためのえび尽くしメニューといえよう。


これまでの寿司屋のイメージを覆すような、先鋭的な店舗に筆者も驚かされた。寿司も楽しんだのだが、エンターテイメントを堪能したと言った方が正しいかもしれない。

「あと10年若かったら毎週遊びに来ていたのにな……」と、戻れない過去を無駄に羨ましがりながら、店舗をあとにした。

エンターテイナー「くら寿司 原宿店」でZ世代はもちろんだが、ミレニアム世代以降の人も、ぜひワクワクする体験をしてみてはいかがだろうか。

※1 Z世代とは1996~2010年頃にかけて生まれた世代を指す ※本記事で紹介した店舗限定商品&グローバル旗艦店商品はいずれも持ち帰り不可
※営業時間:11:00~23:00※ラストオーダー22:30(12月9日のみ12:00~20:00)